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【情報革命と姿勢の哲学】本著の概要と目次(企画書)

《ごあいさつ》

「人類文明の変革」と「変革を迎え撃つ姿勢の哲学」を論じた本を書きあげた。
文明史や思想史を論じ、未来のビジョンを構築する。
10年かけて書きあげた。
発表するのはココが初めて。
実験的に本文の一部をUPしていこうと思う。
といっても70万文字の長文なので時間はかかる。
今まで全文削除と書き直しを10回はやっている。
だからココも途中で閉鎖する可能性もある。
途中で飽きる可能性もあるけど、とりあえず始めてみる・・・

《タイトル》

クラウドドラゴン

《サブタイトル》
人類文明の変革を迎え撃つ姿勢の哲学
情報革命と姿勢の哲学

《表紙》

禅寺の天井画に描かれる『雲龍』をイメージ。
雲の渦中(不確実な空間)に、細胞膜のような殻(秩序)が浮かび、殻に住む龍(意志)が、世界を八方睨みする様相の画。

《著者》

渡辺たかふみ
中学の頃、多様な人々がバラバラに行動しながら全体調和していく状況が好きで、航空業界を目指す。20代前半に航空整備士を経験し、その後フリーランスを経てひろく社会を学び、29歳に世の中を動かす思想の流れを理解し、システム工学の発想で本著の内容を考えた。その後10年かけて様々な文献を読んで検証を重ね、本著を書き上げた。
現在は、航空業界の設計思想(システム工学)に宿る"不確実性を扱う姿勢"は、"不確実な時代と向き合う姿勢"と通じると考え、多様性や分散型社会における組織論を独学で研究する。

《ターゲット》

未来を創造する人
人類史規模の社会変化の全体像を掴みたい人

《類書》

ウィリアム・マニクール『世界史』
マーシャル・マクルーハン『グーテンベルクの銀河系』
アルビン・トフラー『第三の波』
ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史』
※但し本著は、今後の文明変革を論ずる為に歴史分析を行い、歴史研究自体は目的としない。

《本著の命題》

ひとつ覚えてほしい概念がある。
本著は『四律』という4枠フレームで世界を観る姿勢を提唱する。

『因果律⇄社会律⇄客体律⇄主体律』(例:環境⇄法律⇄行為⇄心理)

という四律モデル。スケールをひろげれば「宇宙と私の繋がり」という視野になる。私が本著で示したいことはすべてこの一行に集約される。徹頭徹尾この視点を軸に論じる。究極的には他のすべては忘れられても構わない。

①『因果律(自然や文化の因果秩序)』
②『社会律(社会で共通認識される秩序)』
③『客体律(共同体の身体的な倫理秩序)』
④『主体律(個人の心理的な道徳秩序)』

大雑把に中身を具体化すれば、四律とは・・・
①【因果律】
宇宙、生命、自然の法則、運命、不確実性、環境、生態系、時空のゆらぎ、歴史、文化、芸術、宗教、世間、一般意志、経済、集団心理、自然科学、地政学、エコロジー・・・
②【社会律】
人間が構築した人為的構造、合理主義、確実性、社会、ルール、法律、組織性、システム、国家体制、建築、ハード、マネー、共通認識、応用科学、人工構造体、ロゴス・・・
③【客体律】
人間の短期記憶、倫理律、共同体の倫理行為、身体、行動、規範、実存、経験主義、学習、礼儀作法、モラル、義務、態度、姿勢、ふるまい、習慣、五感、協調性、エトス・・・
④【主体律】
人間の長期記憶、道徳律、動機、本質、理想、スペック、主義、信仰、観念、想い、自我、尊厳、常識、感情、情動、本能、精神、美意識、理念、想像力、パトス・・・

これらはまったく異質な秩序で枠組まれるということだ。しかしこの四律は動的に平衡して、繋がっているということでもある。異なる秩序が不可分して「並んでいる」ということである。例えば法を論ずるにしても
『①文化⇄②法律⇄③身体⇄④精神』
を並べて考える。本著の命題は「異質な秩序が並んでいて、それらがどう影響し合うか?」である。
例えば『因果律⇄社会律』の間で浮き掘られるのが『現実』。『客体律⇄主体律』の間で解釈されるのが『理想』。理想と現実の間で人は模索する。現実が変化して人は理想を描く。そして理想が現実を変化させる。人の想いと歴史は繋がっている。
これ以上詳しく定義はしない。本著は世界史と思想史のお話をしながら、最初から最後までこの四律モデルを多用する。意味は流れで汲み取ってほしい。この4つのどれかが支配的になった時、その他の秩序を崩して、時代は動くと考えるわけである。それで歴史分析もできるし、未来予測もできてくる。本著は日常社会のあらゆる議論の場で、この四律が普通に使われる未来を望む。
ついでにこの発想の礎となった『システム思考』も世に啓蒙したい。「異なる秩序を並べ、秩序の枠組みを整合させることで、全体最適を成していく」という発想だ。『ロジカル思考』とは違う。
これは20世紀末から文明史レベルで着実に世を変革しているのに、未だ出版業界では軽視されている。例えば人工知能もシステム工学の設計思想だが、その照会はされていない。情報文明へのパラダイムシフトに必要不可欠な考え方であると示した上で、本著をキッカケにこの手の出版も増えることをついでに望む。

《本の概要》

人類文明史にひとつの巨大なストリームがある。人類史における3つのパラダイム
『①農耕文明(中世)』
『②産業文明(近代)』
『③情報文明(現代)』

この3つの時代がシフトする際の変化に注目し、地政と思想の文脈から、情報文明へ移行する今後の未来を、一定の枠組みで予測する。本著はその枠を『四律』と名付けて提唱する。
四律とは『因果律⇄社会律⇄客体律⇄主体律』。(例:環境⇄法律⇄行為⇄心理)
この異なる4つの秩序枠を並べ、文脈の整合性を観れば、社会変化の全体像が読み解ける。究極的にこの一行が本著で示したいことのすべてとなる。すべてを紐解く道具となる。
この4つの秩序領域に、あらゆる思想と歴史を当て嵌めて、並べる。例えば『因果律⇄社会律』の間で浮き掘られるのが『現実』。『客体律⇄主体律』の間で解釈されるのが『理想』。理想と現実の間で人は模索する。
この4枠は動的平衡し、根本的に異質な秩序でありつつも、常にどれかが支配的になり、常に一致整合したがる性質もあり、そのズレと躍動が人類史を動かしてきた。極論すれば、脳内で発生したミクロの意識作用が、マクロである太陽系の生命体を滅ぼすこともあり得る。人の願いは文明を動かし、文明は人を変化させる。四律を使えばその躍動が浮き掘りにされる。
この『四律』に、3つのパラダイムシフト『①農耕文明(中世)』『②産業文明(近代)』『③情報文明(現代)』を当て嵌めると世界史はどう概観できてくるか?・・・
 因果律は『①宗教や王様の権威時代→②帝国主義と軍人の権力時代→③全体最適と分散型社会時代』
 社会律は『①封建国家と信仰統治時代→②全体主義と民主主義時代→③超監視管理体制と自由主義時代』
 客体律は『①信仰と教義の倫理時代→②絶対性と共通認識の啓蒙時代→③多様性と共同体の倫理時代』
 主体律は『①プレモダン(象徴性)時代→②モダニズム(確実性)時代→③ポストモダン(不確実性)時代』
・・・となってくる。『パラダイムシフト』である。例えば西洋近代化は「宗教改革と大航海時代」で『因果律』が動き、「民主主義の萌芽」で『社会律』が体制を築き、「資本主義の倫理」で『客体律』の行為が決まり、「合理主義の啓蒙」で『主体律』の考え方が変革し、四律整合を模索して歴史が動いたとなる。この視点で人類史を分析する。これが『西洋文明史』と『東洋文明史』、両アプローチから語れる。異なる文明を『四律』という同じ地平へ並べていく具合になる。
膨大な思想を背景の文脈から引っ張り出し、四律レイヤーへ位置づけ、『システム工学』の思考で全体像を再構成する。多様な秩序を並べ、枠組み同士の繋がりから全体最適を模索する思考である。四律で以って人類文明史をシステム工学する。
それにより、過去の文脈の変遷から、四律パラレリズムに則って未来予測もできてくる。歴史は韻を踏んで円環をまわす。産業革命は世界をどう呑み込んだか?情報革命は今後どうなるか?セカンドインパクトとサードインパクトには、似たパターンが隠れている。
文明は進歩の度に犠牲も出す。作用すれば、過剰作用も反作用も副作用も相殺も出る。動くのは人間集団。変化に心が追いつかないことも起こる。各地の文化によって四律のどれが動くか?も異なる。各地域の元に備わる文化性や歴史的文脈によって、必ず極端に出る箇所がある。こいつが空間の横殴りを始めて地政を動かす。世界秩序が変動する。
"変化に呑まれた者"が"変化を起こす"のだ。その心理にまで言及できてくる。それは人間の本質を浮き掘るものでもある。あらゆる思想のダイナミズムで世界史を斬る具合となる。
故に誰かのせいにしない。歴史の英雄を評価しない。「アイツは善か?悪か?」で主語を割り切らない。理性は大したものではない。人物採点する気は無い。主語より文脈を観る。この物語の主人公は『人間』である。本著は「人類はバカなのだ」というゼロベースで判断していく。そこで2つのテーゼを提示する。
《テーゼ①》「人間とは、望まぬ未来を願って突っ走るバカな生き物である」
《テーゼ②》「文明とは、人間の願いを純粋に叶えて実現させる装置である」

歴史は人がつくる。だが人は先ず時代の空気に呑まれる。人の願いは文明を動かし、文明は人を変化させる。『客体律:行動』と『主体律:思想』は乖離する。『客体律:倫理的行為』と『主体律:道徳的価値観』も乖離する。自分がどういう社会変化の渦中にいるか?も知らずに、人は望まぬ未来を願って突っ走ったりする。文明というバカ加速装置が、バカをより確かなものへと高めるのである。
本著は実際起きた『歴史』と『思想』の中身を比較する点が真骨頂だ。この性質を利用して、第三者が社会に破壊工作を仕掛ける『情報戦スキーム』も次々と解明していくが、何よりも、人々が何を願うか?によって、未来には選択肢があると示したい。選択次第で人類文明を滅ぼすことも出来れば、かつてないほど自由で豊かな文明を築くことも出来てくる。
私は、正しいことを間違ったやり方で展開する事態を回避したいと考える。「望まぬ未来を願う」とは即ち『美意識の相殺』と呼べる。そこを徹底的に批判する。文明史の文脈に沿わぬ『社会律:体制』を構築すれば『因果律:世界情勢』は荒れるのだ。その為にも、思想の文脈から全体像を浮き掘る。そして問題提起したら、必ず答えも導き出す。更にそれらを集積して整合させたビジョンも論じる。本著の構成は以下。
《一章:掴んで》『因果律:争い⇄社会律:ルール⇄』に秩序を与えてきた西洋文明史。
《二章:背負い》「我々はどう具体的にしていけばいいか?」の答え諸々と整合性。
《三章:投げて》『⇄客体律:身体⇄主体律:心理』に秩序を与えてきた東洋文明史。
《四章:飛ばす》中東文明の文脈と、今後起こり得る世界的混乱の連鎖。

特に二章は本著の核となる。西洋文明史と東洋文明史を論じる中で課題抽出した問題のすべてを、「こうすれば世の中は上手くまわるだろう」と整合させていく章である。未来開拓に必要な『ビジョン』を、四律の各秩序枠に応じて論ずることになる。
強調して申すが、私の目的は「思想を融合させる」ではなく「思想を並べる」である。あらゆる文明の文脈をごっそりまとめて四律に"位置づける"ことで、四律を「並べ整合せしめる」という『姿勢の哲学』が啓蒙できるわけである。話題はビシバシ飛びまくるが、すべて一本に繋がっている。途中婉曲した表現と想う場面もあろうが、それらも布石と理解してほしい。後半へ進むほど四律のレイヤーが分厚く重層し、布石はリンクして渦を巻く。
本著は最初から最後まで「この思想はこう歴史を動かした」という文脈を貫く。過去の文脈から伸びるあらゆる文化、歴史、倫理、思想を束で掴んで「よい!」と背負い、「四律を並べ整合せしめる」という姿勢で、整理整頓しながら「せい!」と未来へ投げ飛ばす。「四律一本背負いの術!」である。徹頭徹尾この姿勢で論じていく。この姿勢を激動の時代へ奉納する。

《企画意図》

もし人類全体をひとつの人格として、世界史がその人格の歩みと観ても、今のあなたは、その人格と意識を共有していない。『全⇄個』の意識は乖離している。
人間は変化に対して逃げない不思議な生き物だ。誰もが「今何が起きているのか?」も分からずに、時に走って未来を迎えに行き、時に過去に固執し、時に争い足掻き、時に流れに身を委ね、様々な思いを巡らせ歴史を紡ぐ。
人は概ね意識的に「自分を変えたい」と想いつつ、根源では「変化に取り残されたくない」と不安に支配され、無意識には「他人を変えたい」と考えていたりする。歴史は人が動かすが、それ以前に、人はその時代の空気を受けて動く。
「激動の時代」とよく言うが、今や激動は常態化している。人類の文明史から眺めて「今何が起きているのか?」を読み解くスマートな枠組みが無い状況では、自分の立ち位置も測れず、人は変化に呑まれるしかない。結果皆がバラバラに動いて調和できなくなる。表層の出来事を受けて観念的に反応するだけの姿勢をやめ、背景の文脈を読む姿勢が大事となる。あなたは人類史の文脈の何に触れ?どこを歩み?何を目指し?何を望むのか?・・・紛れもなく渦中に居るのだ。
文明が生んだものはすべて背景の文脈で繋がる。その文脈自体に物語がある。設計思想がある。美意識がある。哲学がある。文化がある。歴史がある。「時代の空気」とはコレだ。世界情勢も、技術革新も、倫理も、価値観や道徳も、これを受けて変化する・・・アートも国家体制論も、スマホの設計思想も個人の生き様も、すべて同じ背景の文脈で繋がるのだ。
人類文明の変革をこの視座から捉えれば、自分の立ち位置も分かってくる。今のアメリカと中国の衝突然り、西洋文明の思想文脈から、東洋文明の思想文脈へと流れが変化している状況なども、本著が提示する『四律』の秩序枠組みから文脈の全体像を読み解けば、必然であると理解できる。
『過去⇄』の文脈と『⇄現在⇄』を繋げれば『⇄未来』も予測できてくる。複雑に絡む人類史から一定の秩序枠組みを抽出すれば、枠組みから全体を整合させる提案もできてくる。本著は『システム思考』で整合性を論じる。おそらくこの論調で思想史まで扱った類書は他に無い。これはIT技術や航空宇宙産業を支える設計思想で、今は人工知能の思考回路でもある。
『確実性』を扱う『ロジカル思考』と違い、『不確実性』を扱う思考である。「点と点を演繹的に線で繋ぐ」ではなく「枠と枠を繋ぐ線の整合性を観る」である。『言語記号』を『背景の文脈』へ脱構築し、構造主義的に文脈の整合性を思考していく。
秩序は混ぜて確かなルールを与えるものではなく、枠組みを並べて繋げるものである。これで不確実な時代と向き合う姿勢が決まる。先を読めない時代こその読み方がある。例えば「他人を変えたい」と願い、特定の『主体律:道徳』を絶対化すると、『社会律:ルール』の強化が始まり、『因果律:文化』と『客体律:倫理行為』が崩壊し、世界情勢が動くわけ。
大地の仕組みを知り、震災の前兆を捉えれば、対策できるのと同じ理屈で、問題提起したら、必ず答えも導き出す。読者へ問題を丸投げしない。本著は背景の文脈から引っ張り出した、マクロな『人類文明史の文脈』と、ミクロな『今ここに在る私』を線で結び、未来への選択肢を提示する試みをする。
強調して申すが、私は「客観的に未来を予測したい」のではなく、「主観的に未来を選択したい」立場にある。散々不安を煽って道も示さないことは絶対にしたくないのだ。不可避の運命の道を歩んでも、「ならばようこそ」と迎え撃つ姿勢が決まれば、そこには道幅があり、賢い障害の避け方もあると示す。これにより、今後の人類文明の変革を迎え撃つ『姿勢の哲学』が成立する。正に激動の時代へ奉納するに相応しいものにしたい。
21世紀の情報革命は、ネットの普及により『因果律(世界全体)⇄主体律(個人の精神)』を強引に直結した。では両秩序の間に形成されてきた『⇄社会律(合意形成されたルール)⇄客体律(倫理的行為)⇄』はどうなるか?即ち文化、国家、社会、共同体、身体、倫理、道徳など、そこが崩れる時代だからこそ、本著は最も自明に存在する秩序の変動パターンを、かつての激動を論じつつ、徹底的に意識化する。世界と価値観が変化したから、その他の秩序を疎かに扱っていいことにはならない。それは「世界史の過去の出来事」を照らして考察すれば分かることだ。

先ずはセカンドインパクト前夜の西暦1500年辺りから、お話を進めていこうと思う。これから 《一章》へ入る。農耕文明の終わり、産業文明の夜明け前、逢う魔が時の時代。広大で無秩序な海に、秩序を与える戦いが始まった時代。人類がひとつに繋がり始めたのはココからだ・・・

情報革命と姿勢の哲学-もくじ

《目次100title》

0-01【本著の命題】
四律『因果律⇄社会律⇄客体律⇄主体律』の説明。
0-02【はじめに】
本著が貫く姿勢について。

《一章:掴んで》『因果律:争い⇄社会律:ルール⇄』に秩序を与えてきた西洋文明史。
1-01【人類が海に秩序をもたらす為の戦いの始まり】
16世紀、大航海時代、西欧文明の地勢が動いて世界進出が始まる。海という広大な無秩序空間が生じ、『因果律⇄主体律』が直結する。フロンティアの開拓が始まる。
1-02【海の地政学的支配の拡大】
カトリック支配による暗黒の中世時代から、ルネサンスへ価値観が激変する。人間主義の時代へ突入する。
1-03【海外へ出ることで国民国家意識が高まる】
西欧全土で新しい体制の模索が始まる状況の概観。哲学的な試行錯誤で、荒れる因果律を治める社会律が成立しだす。
1-04【宗教の地政学】
宗教改革が興り、プロテスタンティズムが生じる。行為主義による試行錯誤により、思想的内部分裂が発生する。
1-05【イギリスの宗教改革・経験主義の萌芽】
17世紀、イギリスの宗教改革がプラグマティズムに進行する文脈。社会律が、荒れる因果と行為を、整合性の確保で以って治めていく。経験主義の発生。
1-06【国際常識の成立・合理主義の萌芽】
17世紀、西欧の大陸側で発生した泥沼の宗教戦争が国際秩序を構築する文脈。国同士の背景の文脈が衝突する最中、共通認識を抽出して合意形成を為す秩序が成立する。合理主義の発生。
1-07【理性とは何か?の論争】①国家の理性(産業文明)
近代文明国家体制の哲学的模索。18世紀から20世紀までの政治哲学の変遷と、それらの中身。
1-08【理性とは何か?の論争】①国家の理性(情報文明)
近代文明国家の行き詰まりと、それが21世紀にどう変化するか?モダニズムからポストモダンへ移行する政治哲学の文脈的変遷と、今後のまとまり方予測。
1-09【理性とは何か?の論争】②科学の理性
科学と哲学によって、神秘主義から近代合理主義の時代へと移行する文脈と、現代の合理主義の限界点を抽出。
1-10【理性とは何か?の論争】③社会の理性
啓蒙主義がもたらす社会理性と、社会を動かす価値観の変遷。大衆の理性と時代の空気の概観。
1-11【資本主義Let It Go‼】
西欧文明が生み出した資本主義が世界を呑み込む。プロテスタンティズムの倫理と行為主義が、経済の構造を決定づけていく文脈。
1-12【産業革命Let It Go‼】
西欧文明の理性が産業革命の波に乗って支配的に体系化される。世界情勢と思想と行為に秩序が与えられ、プラグマティズムに物質的な文明の激変がもたらされる。
1-13【資本主義の欠陥を埋める価値観】
資本主義の欠陥と、それを埋める倫理と道徳。資本主義を四律システム思考で構造解析し、なぜ脆弱性だらけの仕組みがまわるのか?を解き明かす。
1-14【資本主義×民主主義:人々の願いを極端に叶える装置】
民主主義国家体制と資本主義の相性。『因果律:経済⇄社会律:国家体制』の不可分性を浮き掘る。
1-15【第三次情報革命における資本主義と民主主義】
民主主義と資本主義の行き詰まりと、それが情報革命によって21世紀にどう変化するか?産業文明に上書きされる情報文明の仕組みと整合性。
1-16【持続可能な社会づくり】
21世紀の体制づくりと、その設計思想。情報革命が社会律に斬り込まれ、超監視・管理体制になるか?分散型社会になるか?が問われる現代。
1-17【デフレと奴隷】
資本主義が生む負の連鎖の持続性。社会律の強化が因果律に犠牲を出し続ける異常な秩序の形成と、それを盲目に願いだす大衆心理。
1-18【幸福の追求と欲望の追求】
資本主義の課題。各地域の『因果律:文化』によって生ずる『客体律:倫理律⇄主体律:道徳律』の整合性とズレが、資本主義の『社会律:ルール』を決定づけるプロセス。
1-19【義務と権利の整合性】
近代文明が構築した社会システムの設計思想を総合的に分析し、資本主義発生時の義務と権利の解釈を浮き掘り、現代のそれと比較する。
1-20【陰謀論に関する注意点】
世界を動かすのは特定集団の陰謀ではない。資本主義の欠陥を誰かのせいにして文脈を無視することの危険性について。
1-21【西欧の常識が前衛となり、近代化が世界を吞み込む】①アジア大陸の場合
近代化が呑み込んだアジアの出来事。戦争の近代化。
1-22【西欧の常識が前衛となり、近代化が世界を吞み込む】②新世界大陸の場合
近代化が呑み込んだアメリカ大陸の出来事。植民地争奪戦と独立戦争。
1-23【西欧の常識が前衛となり、近代化が世界を吞み込む】③日本の場合『幕末明治維新の歴史』
日本における西欧列強の脅威を鎖国でやり過ごした第一波と、近代化によって開国に迫られた幕末の第二波の間の因果の流れと、思想の変遷。
1-24【20世紀の戦争】
産業革命による戦争のパラダイムシフト。近代戦のインフレーション。ロシアの南下政策。
1-25【世界大戦】
グローバリズムが理想を掲げ、強者が「どっちに就く?」と問うて世界がまとまり、戦争は最大化する。人は安心したくて世界を把握したがる。
1-26【広げませう、広げませう・・・皆で大風呂敷を広げませう!】
グローバリズムが加速させる帝国主義。
1-27【大風呂敷をひろげた帝国主義】
帝国主義の暴走。
1-28【最終戦争の準備】
産業革命によって変貌した戦争形態が、国家体制の手に余りだす。荒れる因果の渦中で国内がまとまるということについて。
1-29【最終戦争の始まり】
世界大戦の発生と泥沼化。
1-30【誰も止められない。誰も把握できない世界】1920~1940年
因果律が社会律を完全に呑み込み、誰も抑えられなくなる。第一次→第二次世界大戦の間で起きた出来事。
1-31【第一次大戦中】
国家体制はどう因果律に呑まれたのか?因果を治めるプレイヤーが不在となって、短期間で急速に世界中が連鎖破綻に呑まれる展開。
1-32【国際協調時代】
建前の民族自決と協調主義が掲げられ、実質的な排他主義が起動した世界の混乱。協調と独立の整合性の問題。
1-33【人気取りと行為主義の先に訪れる帝国主義の再起動】
政治の混乱が反動を呼んで協調主義が崩れる。協調主義の押し付け合いが、独立主義という反動を発生させる展開。
1-34【日本の場合(1920-41)】
国際協調と民族自決の間で摸索をしながら、排他主義で動く国際情勢に呑まれる日本。第二次大戦へと至る日本国内の出来事と、世界史的な文脈。
1-35【国際協調の理性主義vs孤立上等の反知性主義】
反知性主義という反動で分裂していく世界。理性主義の極端な理想化で、現実が荒れ始める展開。
1-36【協調がもたらす多大なる犠牲】第一次大戦〜現在
独立と協調に関する哲学的摸索と実際。正しい理想を間違ったやり方で実行しだし、社会の上層と下層が分裂する。
1-37【国連のジレンマ】
独立と協調の間で起動する平和原理主義。理想主義の更なる理想化と、現実離れして犠牲を無視しだす展開。
1-38【官僚軍国主義批判】
独立と協調のジレンマで機能不全した政治と、軍国主義の台頭。政治と官僚の違いについて。
1-39【戦争の前に外交があり、外交の前に情報戦がある】
握手しながら足を踏み合う外交場情報戦。文化的常識と外交常識の差異。
1-40【共産主義の台頭】
第二次世界大戦後に最も勢いをつけた、極度に理想主義なモダニズム勢力。共産主義の思想の中身と、実際の行動の差異がもたらす悲劇を解析。
1-41【冷戦という戦争】
戦術のインフレーションにより、世界を2つに割った民主主義vs共産主義。情報戦が激化し社会が分断しだす状況。
1-42【冷戦時代の社会内部】
激しい情報戦と、威嚇と睨めっこの先に結着していく体制思想。社会へ破壊工作を仕掛ける情報戦スキームを浮き掘る。
1-43【経済圏を囲う帝国主義】
民主主義の勝利によって調子こいた資本主義。それで顕在化した資本主義の限界点。
1-44【情報戦の時代】
思想と暴力の間で、情報戦が国際政治場から一般社会へ降りる。社会場情報戦の渦巻く現代。
1-45【ここまでの地政学視点のまとめ】
激動する因果律と、それを治めようと模索した社会律が導き出した国際秩序の文脈的変遷。国際法の歴史。

《二章:背負い》『因果律⇄社会律⇄客体律⇄主体律』を並べ整合性せしめる考え方
2-01【海に国境線を引く為の戦術論的戦い】
『因果律⇄社会律』の変動が、『客体律⇄主体律』に変化を要求した時代と、その逆転。世界情勢から起こる変動が、人々の主体から変動を起こす時代へ逆転した現代。
2-02【戦術論の革新が地政学を呑み、人としての哲学を失う】
戦術のインフレーションが人の行動や心を蝕む展開。情報戦が人々の『客体律:行動⇄主体律:思想』を乖離させる。
2-03【戦争から戦術を抽出して学ぶことの危険性】
やりたくない戦争を、なぜやるのか?望まぬ未来を、なぜ願うのか?
2-04【何を守り?何を変えるか?】
「守るべきもの」と「変えるべきもの」を分かつ境界。
2-05【戦術は陳腐化する】
持続不能な秩序は、やがて自らの秩序を破壊しだす。秩序を強化してエントロピーが最大化し、秩序こそが自らを破壊しだす展開。
2-06【円環をまわせ①主体律の秩序『四元円環理論』】
『主体律』とは何か?人の心に秩序をもたらす考え方の提案。
2-07【円環をまわせ②客体律の秩序『四元円環縁起理論』】
『客体律』とは何か?人の行動に秩序をもたらす考え方の提案。情報文明に適した生き方と姿勢の哲学。本著の核心部。
2-07-1【言語思考を非言語思考へ解体すれば二元論の対立を突破できる】
2-07-2【仏教の根幹『縁起』とは何か?を『PDCAサイクル』で説明し統合する】
2-07-3【信頼関係の構築プロセス=縁起×PDCAサイクル】
2-07-4【ひとりの人間の苦悩の終わりが、続く者へ託すことに繋がる奉納文化】
2-07-5【「ゼロを目指してバカになる者」と「バカになってゼロから始める者」】
2-07-6【善と偽善の間〜善意は時たま相手の価値観を否定する+SDGs批判】
2-07-7【毒を消して毒の扱いを学ばぬ社会は毒が出る】
2-07-8【姿勢のスイッチングで個性や知性が発揮される】
2-07-9【キャラチェンジの美学】
2-07-10【意識とは何か?の解説】
2-07-11【意識高い系とダニング・クルーガー効果】
2-07-12【[文脈を繋げる者]vs[本質を混ぜる者]は世界の観え方が違う】
2-07-13【「選択する」とは何か?】
2-08【円環をまわせ③社会律の秩序『リゾーム型組織論』】
『社会律』とは何か?人の社会に秩序をもたらす考え方、情報文明に適した社会構造と組織論の提案。本著の核心部。
2-09【円環をまわせ④因果律の秩序『バタフライエフェクト理論』】
『因果律』とは何か?環境に秩序をもたらす考え方の提案。

《三章:投げて》『⇄客体律:身体⇄主体律:心理』に秩序を与えてきた東洋文明史。
3-01【組織論の不具合が戦術論に恣意的な影響を与えるパターン】
組織の崩壊が世界秩序に影響を与えるパターン。
3-02【革新にかぶれて保守が滅する転回】
組織改革が守るべきものを自己破壊しだす展開。中枢組織に仕掛ける情報戦スキーム。
3-03【情報戦でエリートがバカに走る時】
組織同士の情報戦が、敵の優秀な人間を破壊工作員に仕立てる状況。
3-04【エリートの執着心が破局をもたらす】
エリートの心理的作用が組織を崩し、社会を崩し、国家や世界を動かす。
3-05【責任の分散という問題】
正しいことを間違ったやり方で展開する情報戦スキーム。
3-06【世代連鎖と戦後処理】
戦後処理における大衆の価値観リセットと、遺恨を埋め込む展開。純粋な憎しみの構築。
3-07【物理的戦後処理】
戦後処理における軍隊の解体と、それがもたらす不具合。
3-08【心理的戦後処理。忘れてはならぬか?忘れるべきか?】
終わった戦争は「忘れてはならぬ」か?「忘れるべき」か?
3-09【愛と怒りを同時に起こす不動の心】
暴走する大衆心理を抑える心の杭。極めて特殊な大衆思想のリーダー。
3-10【戦術論の進歩が戦いの無益さを教え、海に秩序がもたらされる】
荒れる因果律⇄社会律の秩序を強引な抑止力で治める展開。
3-11【たたみなせう、たたみなせう・・・皆で大風呂敷をたたみなせう!】
戦術のインフレーションが神の如くに君臨する世界。
3-12【リンチピン】
世界秩序を瓦解さす、たった一点のウィークポイントの存在。連鎖破綻という現象の構造解析。
3-13【地政学ストリームと戦術論ストリームの交差】
覇道が治める因果律と、王道が治める主体律。権力と権威について。
3-14【神と科学と合理の穴】①自然科学
科学における神と畏怖の精神。自然科学史とその中身。理論と実践、可能と不可能の境界。
3-15【神と科学と合理の穴】②応用科学
科学における覇道を制御する為の倫理的な考え方。応用科学の歴史とその中身。科学とは何か?の全体像を、システム工学的にひとつのビジョンに整合させる。
3-16【プレイヤー不在のゲーム】
荒れる因果律を治める人間存在。世界情勢にかますべき姿勢の哲学。
3-17【ドミノ理論】
秩序の崩れは、秩序の崩れを無限に連鎖させる。ロジカル思考の限界と、システム思考の必要性。
3-18【『威』と『力』は一方が優れていてもダメ】
威の軍事利用と、力の平和利用の整合性。核兵器と原発。
3-19【『力の均衡』と『威の均衡』】
覇道の力と、王道の威。
3-20【国民国家意識の崩壊とアイデンティティ】
21世紀における国家意識の崩壊と、人々のアイデンティティの行方。
3-21【道徳律で統治される国家の悲劇】①中国の場合
中国文明とは何か?精神と社会律の秩序を模索してきた中国の文脈。中国史と思想史の文脈的変遷。
3-22【道徳律で統治される国家の悲劇】②中国の場合
精神と社会律の秩序を模索していく現代中国。中国思想史の上に共産主義をかますとどうなるか?
3-23【情報革命と道教】
古代中国思想と、インド思想、日本思想の比較。情報革命における『因果律⇄主体律』の直結と、中国化する現代西欧文明と、その先に待ち受けるデストピア。人類の改造。
3-24【道徳律で統治される国家の悲劇】③日本の場合(良くも)
日本文明とは何か?身体と因果律の秩序を模索してきた日本文明の文脈。日本史と思想史の文脈的変遷。
3-25【道徳律で統治される国家の悲劇】④日本の場合(悪くも)
身体と因果律の秩序を完成させた江戸時代の日本と、近現代の問題。日本と中国の決定的差異。
3-26【スモウローションのスローモーション】
『社会律⇄道徳律』の喧嘩がもたらす因果律と倫理律の破壊工作スキーム。社会場情報戦。
3-27【倫理社会Let It Go‼】
倫理的な行為主義がもたらす文化と経済の豊かさ。共同体の倫理の重要性。
3-28【愛と憎しみは表裏一体。心の繋がりが壊す共同体】
人々の精神の繋がりがもたらす共同体の倫理の破壊。心の繋がりでまとまる国。
3-29【愛と憎しみは表裏一体。心の繋がりを避ける共同体】
共同体の倫理がもたらす秩序の安定。倫理的ふるまいでまとまる国。
3-30【倫理文化の社会は経済をまわす】
文化と倫理の整合性。価値を創造し続け経済を回すのは、道徳社会か?倫理社会か?
3-31【愛と憎しみと、監視と管理】
人々の身体を監視し、精神を管理するデストピア。人類文明が最終的に行き着くのはどこか?
3-32【孤独な心の内側で起きていること】
主体性とは何か?
3-33【大衆心理が叩き起こす新しい帝国主義】
協調の強要によって大衆は孤立排他主義を望む。『因果律⇄社会律』を崩して再び西欧文明の時代へ、悪い意味で逆行させる展開。
3-34【戦争は現象にしてはならない】
人々の主体律の統治が、因果律を再び無秩序にする。第三次世界大戦の可能性。
3-35【理解が生み出す破壊と創造】
異質な他者を理解できるのか?人間関係、隣人愛の問題。共感と同調の違い。
3-36【じゃぁどうすればいいか?】
「並べる多様性」と「混ぜる多様性」の違い。世界は日本化するか?中国化するか?
3-37【「その不幸はアイツのせい」という世論誘導】
望まぬ未来を願って突っ走る大衆の躍動。情報戦が世界を動かす展開。

《四章:飛ばす》中東文明の文脈と、今後起こり得る世界的混乱の連鎖。
4-01【イスラム圏の地勢】
近代中東情勢の概観。歴史と思想史。
4-02【ユダヤ人はイスラエル建国をできるのか?】
一神教の物理的ジレンマ。キリスト教、イスラム教、ユダヤ教と、それらを生んだ背景の文脈。
4-03【今後起こり得る世界史の最大懸念】
現代中東情勢の概観。中東における近現代史。
4-04【最終戦争のその先・・・】
古代の宗教戦争と、現代の宗教戦争の因縁。
4-05【宗教戦争の解決法】
中東情勢にかますべき四律。過去と未来を切り離して、先ず現在に秩序を与えることの重要性。
4-06【一神教と多神教におけるソフトパワー外交】
『因果律⇄社会律⇄客体律⇄主体律』は並べ整合させてこそ意味がある。
4-07【クラウドドラゴン】
本著が導き出すひとつのビジョン。

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