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今悲しみが通り過ぎてく


大森靖子のMV『Rude』を観た。

聴いた。
よもや体感した。

さまよう刃のような東野幸治、夜の新宿に歌う大森靖子。
ガツンときた。


「自殺なんてないのさ 誰が君を殺した?」

彼女はいつだって借り物の言葉を使わない。上積みを掬っただけの綺麗事も歌わないし、常套句に流されない。同世代だから余計にすげえなって思うし、親近感を持って応援している。MVの感想ツイートしたら本人がいいねくれた。

夜の淵に堕ちていきそうな時、ビー玉みたいな目をぶら下げてこの曲を聴こう。黙り込む東京で。

月の下のアスファルトを踏み締めて、遠回りして歩くそんな時。
救いになるような曲がまたひとつ増えた。


みじめな自分を受け入れないと辻褄が合わない日もある。

でもまあ、乗り越えるってなるとハードル高いけど、受け入れるって話なら何とか出来そうじゃん。弱さは認めた瞬間から強さに変わる。ロジックを簡単しちゃえばいい。

いつかの絶望も犠牲も倒錯も、どれもが薄っぺらかったとは思わないけど、もう少し当事者意識は持つべきだった。外から見えるものがその人のすべてなら、僕もちょっとはまともに見えていただろうか。淡白で薄情な人間のわりに味方は多かった。

ひとりで眺める哀しみに終わりなんてない。

理屈でいえば、生きてきた分だけ利口になるはずなのに。

なんだか大切なものばかり零れ落ちていくような感覚があるよ。



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