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信用できる介護施設は「壁」を見れば分かる




介護施設を「選ぶ」とは?

 
「介護施設(以下、施設)を選ぶ」には 、2種類の「選ぶ」があります。

1つ目の「選ぶ」は、施設の「種別」を選ぶです。特別養護老人ホーム、 グループホーム、 住宅型有料老人ホーム・・さまざまな種別の施設があります。施設の種別を選ぶ際は、担当のケアマネジャーさんとよく話し合ってください。

2つ目の「選ぶ」は、具体的にどこの施設を利用するかということです。

例えるなら、ホテルと旅館とカプセルホテルとネットカフェの中から、今晩の宿泊場所にホテルを選んだとすると、次は具体的にどこのホテルに泊まるのか、ということです。

今回の記事の内容は2つ目の「選ぶ」についてです。施設選びに活用できる「一つの判断材料」をお伝えします。




35,000回の選択


施設とは生活をする場所です。そして生活を送る上で人は「選択」をします。

・いつもより早く目が覚めた。起きるorまだ寝てる?

・今日の服の色は?白or黒or・・。

・コーヒーはホットorアイス?ミルクは?お砂糖は?

人は一日に約35,000回の選択をしているそうです。次にその選択を行動に移すのですが、施設で生活をしている方はその多くのことを自分一人では行えないため、職員さんの支援を必要とします。そしてその都度ああしてほしい、こうしてほしいと伝えるのも大変なので、ある程度のことは施設から提供されるモノやサービスをそのまま受け入れている、というのが現状です。




信用できる人柄ならぬ「施設柄」


もし、その施設から提供されるモノやサービスが、どれもこれも「違和感」だらけだったらどうでしょう。「非常識」なものであれば指摘できますが、「違和感」となるとわざわざ指摘をするのもためらわれます。でも、そんな違和感だらけは、しんどいですよね。

施設から提供されるモノやサービスについて、すべての違和感をなくすことはできませんが、減らすことはできます。

それは「信用(自分の価値観とある程度マッチしている)」できる施設を選ぶことです。大雑把な答えですが、施設を選ぶ始めの段階なので、一つ一つの違和感に対応するための「テクニック・方法」よりも、人柄に代わる「施設柄」のような所を見ることが大切だと思います。




信用できる介護施設は「壁」を見れば分かる


社会福祉士として、たくさん(訪問をして施設長さんや職員さんから施設の説明を受けた回数は100を超えます)の施設を見てきた経験から伝えられることは・・

信用できる施設の「壁」はシンプル。

「壁がシンプル」とは、壁の装飾が気にならない、ということです。利用者さんの作品が飾ってあっても、職員さんが綺麗に飾り付けをしてあっても、それが過度ではない。判断基準は、施設に入った時に「おっ」と注目してしまうか、装飾のことなんて言われなければ気付かないか、です。




なぜ、信用できる介護施設は「壁」を見れば分かるのか?


介護の仕事は、その成果が数字で表せるものでも、形として見えるわけでもありません。そうした成果の見えにくい地味な仕事を、丁寧に根気強く続けていくことはとても大変なことです。そこが「信用」できる施設か否かを見分けるポイントになります。

信用できる施設・・介護や支援といった行為は、終ってしまうと第三者には分かりづらいですが、ことさらそれを分かってもらおうとアピールをしません。利用者さんの思いや希望を汲み取ることに集中しています。

そうでない施設・・成果が分かりづらい仕事ゆえに、仕事をした痕跡を残したり、ちゃんと仕事をしていることを分かってもらうためのアピールをします。そのスタンダードな方法が「過度な壁の飾り付け」です。




「介護」という仕事


今回の記事は、私の経験から導き出した「傾向」です。私の経験とは、前述した社会福祉士の経験のほかに、現場の支援員としての経験も加味されています。介護の仕事にもさまざまな側面があり、そのうちの一つが「成果が分かりづらい」です。そのため、仕事をした痕跡を残したい、アピールしたいという気持ちは大変よく分かります。

過度な壁の飾り付けをする施設は、信用できないわけではありません。仕事の成果が見えにくいにもかかわらず、特にアピールもしないでその事実と向き合いながら、地味な仕事を丁寧に続けている施設は信用できるのではないか、ということです。




結論


信用できる施設の「壁」はシンプル。




介護施設の職員さん及び自分自身への自戒を込めて

人は感じます。丁寧な仕事をしてくれたことを利用者さんは感じています。不思議ですが、仕事の痕跡も残っていない、アピールもしていない、その場にいたわけでもないご家族やほかの職員さんにも、あなたの丁寧な仕事は伝わります。ここだけは「必ず」という言葉を使って。丁寧な仕事は必ず伝わります。

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