華麗に刺激的な出来事
私のアパートに、
友達4人が遊びに来た。
出かける予定だったが、
話が盛り上がりお昼になった。
丁度良く数日食べる予定で、
たくさん作ったカレーが冷蔵庫にあった。
人数分ご飯だけ炊けばいい…。
いや、待って!
そう言えば、
前にカレーの話題になった時、
結構、熱い論議になってたよ。
なんだっけ?
お冷がついてないとダメって、
誰か言ってた。
お父さんが、
それにスプーンを浸けてから食べるから、
それが習慣になったとか言ってたっけ。
うわ~グラス3個しかないや。
2日前グラス1個割っちゃたんだよね。
マグカップでいいか?
いい、大丈夫!いける!
あとなんだっけ?
必ずソースかけるとか誰か言ってたよ。
ソースあったっけ?
…ないよ~!
オイスターソースじゃダメ?
コクが出そうだけど…。
どうしよう?
何かあの時、
ソースをかけないカレーなんて、
ありえないとか真剣に訴えてたよ!
ヤバイよ!
何か代用品とか…あれ?
これってソースじゃん!
ミニボトルのソース!
お弁当用に買ったやつだ!
良かった~!
でも賞味期限…ギリギリOK!ってことで。
あと何か他にもあったよね…。
思い出せ~記憶の底を~…。
あっ!そうだ!
カレーは別に出してって誰か言ってた!
全部混ぜちゃう派と、
ちょっとずつ混ぜる派の話の時だ。
カレーボート?ソースポット?…だっけ?
あれから食べる分だけかけるって人いた!
うわ~そんなの家にあるわけないじゃん!
どうしよう~。
ポットはあるけどボートはないよ…。
ポット?
いやいや、あそこにカレー入れたら、
ゴフッゴフッって詰まるでしょ!
絶対!
逆にみんな驚くわ!
そうだ!
何も器が別であればいいのよね?
じゃあ…お椀。
これなら人数分あるし。
見た目は…気にしない!
よし!
ご飯を皿によそって。
待って!!
3人は思い出したけど…あとひとり。
みよちゃんってあの時…、
何か言って……なかったよね。
たぶん、言ってない。
OK!出そう!
「みんなお待たせ~!
ごめん、カレーしかなくて」
「ありがとう。
匂いでわかったよ!
すごく美味しそう~…
って、お椀にカレー?」
「ごめん。
ソースボートだっけ?
あれ、うちにはなかったから」
「そうなんだ。
あ~誰かこだわりある人いたね。
さっちゃんだっけ?」
「そう私。
ありがとう覚えててくれて」
「あと、お冷もあるし、
ちっちゃいけどソースもあるよ!」
「何か、気を遣わせちゃったね」
「ううん。大丈夫。
奇跡的に全てクリアできたから」
「じゃあ、みんな行き渡ったから、
食べようか!」
「美味しそう!」
「じゃあ、いただきま~す!」
「いただきま~す」 「いただきま~す」
「いただきま~す」 「いただきま~す」
それぞれのこだわりの食べ方で、
カレーを食べる友達。
(みんな美味しそうに食べて…あれ?)
ひとりだけ食べてない。
「みよちゃん、どうしたの?
カレー嫌い?
それともお腹いっぱい?」
「ううん。カレーは大好き。
でもこれは…ない」
「みよちゃん、何がないの?」
「このカレー温かいよ」
「え?!
みよちゃんカレーって、
基本温かくない?」
「そうじゃない!
カレーは冷めたご飯に、
温かいカレーだから美味しいの!
どっちも温かいなんてありえない!!」
「え~~そこっ!
そんなの聞いてないよ~!」
「初めて言った」
「もう勘弁して~~~!!」
お疲れ様でした。