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ご当地ゲーム

ゲーム中。
 
男性二人。
 
「このゲーム、
 大人気だよね」
「やっぱりネットの力ってスゴいな。
 3年前のゲームが今頃、
 流行るんだから」
 
240円っていう価格も、
 お手頃で良かったんだと思う。
 ただ果物落とすだけのシンプルさは、
 年齢関係なく楽しめるからいいよね」
「みんなスイカ作りしてるもんな」
 
「でもいつの時代も、
 どこの国でもだけど…
 何かが流行ると、
 必ずバッタモン偽物出るよね?」
「あれだろ?
 スイッチ版しかないから、
 スマホやWeb版を
 勝手に作るやからだろ?
 
 ああいうのを取り締まらないから、
 いつまで経っても経済が、
 よくならないんじゃないの?」
 
「人のことを重んじられない時代に、
 なったのかな…」
「情報の拡散が速いから、
 もうかると分かると、
 即、便乗という流れで、
 翌日にはネットにあったりするのは、
 エグいな」
 
「その会社がスマホ版を発売して、
 また売上が上がれば、
 その売上でその会社が、
 また面白いゲームを開発するという
 好循環になるはずなのにね…」
「そこまで考えられる人間は、
 ほんのひとにぎりだよ。
 みんな目先…自分のことだけ…」
 
「僕ならもっと面白いこと…
 みんなが楽しくなること考えるけど
「どんな?」
 
「あの会社にちゃんとお金を払って、
 そっくりなゲームを出すんだよ
「お前もパクる気じゃねえか!」
 
「違うよ。
 ご当地ゲームを作るんだよ
「ご当地ゲーム?」
 
果物の産地は、
 日本各地にたくさんあるでしょ?」
「あるな」
 
「だからその名産品のPRも兼ねた、
 ゲームにするんだよ!」
「お前…考えたのあるの?」
 
「例えば、青森
「青森といえばリンゴだな」
 
「だからリンゴゲーム!
 作ってみたからやってみて!」
「はあ?!
 もう作ったの?!
 スゴいな、お前!
 
 …じゃあ、どれどれ…スタート!
 
 おっ!
 リンゴ出てきた!

 これを床に落として… 

 次は…またリンゴ!
 ラッキー!

 これをくっつけると、
 ひとつの大きな果物に…

 …くっつかないね…

 おい!
 同じリンゴなのにくっつかずに、
 床に転がったぞ!

 バグ不具合だろ、これ!」
 
「それはふじジョナゴールドだから、
 くっつかなくて当たり前だよ」
違うんかい!
 
「ジョナゴールドは、
 ちょっとだけツヤツヤしてるよ」
初見しょけんでは分かんねえよ!
 
「次は分かるでしょ?」
「これは黄色いから分かるよ。
 これは何って種類?」
 
「これはつがるだね。
 でもサンつがるって赤いのもあるから、
 気をつけて」
「それの特徴とくちょうは?」
 
ふじによく似てる」
分かるか!
 
「あと、ふじサンふじってのも
 似てるから気をつけてね」
「違いは?」
 
栽培方法が、
 袋を掛けたか掛けないか

そんなのゲームで分かるかい!
 
「ほら、次のは分かりやすいよ」
デカっ!
 
「それは世界一って品種。
 大きさで分かるでしょ?」
「……おい…
 世界一落としたら…
 ゲームオーバーなんだけど…」
 
世界一デカいからね
 

このお話はフィクションです。
実在の人物・団体・商品とは一切関係ありません。 

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