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老人とエモ

ゴーイングインスタイルの感想です。ヘッダ画像をお借りしています。

ぼくは映画を見ることには貪欲ですが、映画業界の常識が~とかこの映画を見る上では事前にこんな情報を仕入れておくのが基本で~みたいなものについてさっぱり知らないため的はずれなことを言うかもしれませんが、映画のジャンル分けっている?と思っています。

たぶんサブスクとかで「あアクションならパス」みたいなことをする上では要るような気がしますが、それは視聴者の都合でしかない……と言いかけて思ったんですが、映画もそもそもマクルーハンがいうところのメディアのひとつであるため、視聴者という知覚者に知覚されないと成立ができない。

でも冒頭で述べたようなくそどうでもいい常識みたいなものは所詮余計な先入観でしかなく、純粋に当該メディアを受け入れ、心に純粋な波紋を浮かべるためには障害となる。

例えば事前に「この監督は何たら政府のなんたら思想を以前から糾弾しており~」みたいなものを知ってしまっていたら、「そんな偏った思想を持っているならそんな奴の造った映画なんて見る必要ねえや」とか「監督の思想のはけ口に造られた映画なら見る価値ねえや」みたいなことを視聴側が思ってしまい、当該映画を観ないまま人生を終えてしまうというような機会損失が起きてしまいかねない。

それぐらいだったら、途中まで観続けて「あっ……なんか俳優たちに、彼女たちが思ってもなさそうなことを造ったやつの感情論で喋らせちゃってるな」みたいな気配を感じ取り、倍速で見るかながらで観るかすればいいんじゃないかと思う。

なんなら、くそおもしれえ~~~~~~~と思った映画を見た後に監督について調べたら自分とは真反対のとんでもない危険思想の持ち主だったとして、その方がおもしれえ~~んじゃないかと思うんですね。

ただこの思いは一時的なものかもしれない。監督が虐殺者だったり自分の家族をぶっ殺してたら多分そんなことは思えない。程度の差でしかないのかもしれません。

ただぼくはその程度の差があまりに顕著にならない限り、どんな事前情報もカットして見ている。ありがたいことに苦手な表現がある映画なんかはむしろ、こっちが前にどんな対策をしたところでそれがきっつい表現があると教えてくれているのでこの世のモラルがある程度正しく機能している様を感じる。

そんな気持ちでゴーイングインスタイルを見ると、これはヒューマンドラマだと思うしコメディと呼ぶにはあまりにも浅はかであると感じるものでした。もちろんぼくはこれがコメディと分類されているかどうかを知らずに見たので実際そうなっているかは知りません。

また少なくともコメディとはめちゃくちゃ細かいジャンルだと思う。ヒューマンドラマの中にコメディがあり、サスペンスの中にコメディが……サスペンスはちょっとシリアス過ぎてコメディたらないかもしれないけど、アクションと分類された映画がさらにアクションの中のコメディみたいになることはあると思う。

ただコメディと判断するにも定義が曖昧すぎる。エディ・マーフィーやジム・キャリーが出ていたら即コメディなのか、アメリカ的笑いどころが何十箇所挿入されていたらコメディなのか……そんな線引はあまりにもくだらない。マスクだって人によってはホラーだったりアクションだったりヒューマンだったりするだろう。

つまりゴーイングインスタイルも老人たちに拠るヒューマンだったわけですが、それを語るにはちょっと前提を書きすぎたためまた次回に。

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