見出し画像

家族の想い出 (生き写し×バトル)

「俺のことなんてどーでもいいんだろ?」息子が反抗期を迎えた。
 共働きで構ってやれてないからか?俺も妻も帰宅が遅いので最近はすれ違ってばかりだ。どうしよう……。俺は暫しの間考え新型のVRシステムを買ってきた。
「翔、これを一緒に見よう」

 ヘッドセットは三つ。一人一つずつつけると、俺はスタートボタンを押した。
 予め設定していた通り、俺自身の家族と過ごした想い出が流れはじめ、年月を遡っていく。
 最初は嫌々だった息子も幼児期に三人で過ごした場面になると「こんなことがあったんだね。俺は愛してもらってたのか……」と感嘆の声をあげた。
 その言葉を聞いて妻と共にホッと一息つくと、息子が生まれる場面まで遡った。
「わぁ、俺が生まれた時こんなんだったんだ!母さん嬉しくて泣いてるじゃん」
 良かった!!

 しかしそのままVRはもっと記憶を遡りはじめ、二人が交際していた時代に──。

「「翔、見ちゃだめ!!」」

                 (了)


このお話はこちらの企画に参加していますφ(..)✨

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?