スクリーンショット_2018-05-12_14

ユーザーインタビュー日記 相手の性格によって話し方を変える

インタビューについて、本には書いてないけどすごく重要だと思ったことをノウハウとして書き留めます。
これまでのインタビューのプロセスは以下の記事にまとめてあります。

<これまでの記事>
その1:事前準備編
その2:インタビュー実施編
その3:要求定義編

----------

インタビュー対象の話し方は2種類に分かれる

1ヶ月で10人ほどインタビューを行い、最初はなかなかうまく質問ができなかったのも、今はだいぶマシになってきました。

インタビューでは基本的に、インタビュー対象者の過去の経験について質問をして行くのですが、
インタビューをして行く中で、こちらの質問への答え方がハッキリ2つに分かれることに気づきました。それは、

1.自身の経験について詳しく、事細かに話してくれる人
2.自身の経験を要約して、かいつまんで話してくれる人

の2つです。それぞれの特徴について書いていきます。

----------

1.自身の経験について詳しく、事細かに話してくれる人の特徴

このタイプの人たちは、お話好きな方が多いです。
例えば30代のママさんやイマドキの大学生などがこれにあたることが多いです。

このタイプの人たちは、好きなものについて細かくお話ししてくれる傾向にあり、例えば「最近旅行した時の話を教えてください。」と聞くと、いつ・誰と・何をしたかだけでなく、その時にあった面白い話や驚いた出来事を話したり、その時に撮った写真や買ったものを見せてくれたりするなど、こちらが聞いたこと以上に多くのことを話してくれます。

このタイプの人では、インタビューする側は聞き役に徹し、話の中の不明点やもっと詳しく聞きたいところについて、追加で質問していけば自然と話が膨らんでいきます。

また、このタイプの人たちは好き嫌いがハッキリしているので、要求としても多くのものが出てくるので、インタビュー後の要求定義も比較的スムーズに進みます。

ただ、要求が会話の中でまばらに点在しており、会話のコンテキストも頻繁に変わるので、同じ言葉を話していても微妙に意味が違うことがあるので注意が必要です。

----------

2.自身の経験を要約して、かいつまんで話してくれる人の特徴

このタイプの人たちは、冷静に物事を捉え、客観的な意見を話してくれる人に多いです。
得てして抽象的思考力が高く、同じことを二度いうことはほとんどありません。
また、自分が具体的な内容をつらつらと話し続けるのは、大人な振る舞いではないと考えている場合が多いです(僕も多分このタイプ)

このタイプの人たちとインタビューすると、こちらの質問に対してわかりやすく情報をまとめて話してくれます。

しかし、インタビューで聞きたいのはその人の過去の経験の具体的な内容であり、具体的な内容から導き出せるその人の要求です。なので、このタイプの人たちとインタビューするときは、こちらが意識的に不明点を掘り下げていかないと、一般論のデータだけが集まる、という結果になります。

また、このタイプの人たちは、こちらの質問が抽象的でふわっとしていると答えるのに苦労をかけてしまいます。場合によっては、言葉の定義や意味の確認の質問をしてくることもあります。
なので、こちらの質問もなるべく具体的に質問をしてあげると意味のある返答をもらえます。
(「〇〇についてどう考えてますか?」ではなく、「〇〇の好きなところ・嫌いなところはどこですか」と聞いてみたり。)

----------

2.のタイプの人たちこそインタビューをするべき

上記に書いた通り、2.のタイプの人にインタビューする時は、質問を具体的にしたり、要約して話してくれた内容について深掘りするなど、多くの工夫が必要です。

一見インタビューするべきではないと考えてしまいそうですが、本当はこの人たちほどインタビューするべきです。

なぜなら、このタイプの人たちは、心の奥に自分の本当に譲れないものを持っていて、それが強い要求としてサービスに反映すべき内容であることがあるからです。

こういった強いこだわりを持っている人の要求を引き出せれば、サービスはいろんな人に使ってもらえるものになるので、大変ですが、積極的にインタビューにあたってみるといいでしょう。

----------

2.のタイプの人たちと話す時に気をつけるべきこと

2.のタイプの人たちの隠し持った強い要求を引き出すためには、この人たちに自分の本音を話していいな、と思ってもらう必要があります。

その時に、ラポールの形成に努めるという手段が非常に効果的です。

ラポールとは、インタビュアーとインタビュー対象の間に築かれる信頼関係のことで、インタビューのはじめにこれを強く築くことが重要です。
ビジネスの現場でよくあるアイスブレイクとほとんど同じものです。

1.のタイプの人たちには特に意識しなくてもラポールが形成されますが、2.のタイプの人たちには強く意識しないとなかなかラポールは形成されません。

そこで、インタビューのはじめに打ち解けるような話題を盛り込むのもそうですが、インタビューの途中にもそのような話を入れていくことが効果的です。

相手がしてくれた話に対して、冗談っぽく自分のぶっちゃけた話をしたり、インタビューテーマについて自分自身のこだわりを話したり。

こういった取り組みによって、相手も自分の本音やこだわりを話してくれる確率が高まります。

インタビューする際はぜひ意識してみてください。

----------

まとめ

・インタビュー対象は、1.自身の経験について詳しく、事細かに話してくれる人と、2.自身の経験を要約して、かいつまんで話してくれる人 に分かれる
・1.のタイプは特に意識しなくても多くの情報を引き出せるが、2.のタイプは一般論的な情報しか引き出せないことがある
・2.のタイプの人の本音やこだわりを引き出すためには、ラポールを形成するよう意識する必要がある
・ラポールを形成するためには、インタビュー前に盛り上がる話題を入れることや、インタビュー中にこちらの本音やこだわりを話したりすることが効果的

語るは易し、行うは難しなので、あとは地道に実践していくしか道はないなと感じるので、毎回会話の流れを振り返りながら反省して向上させていきたいと思います。

(おわり)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?