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【優先順】ベンツの魔力に吸い寄せられる経営者

会社が成長するとき、経営者を試すかのようなトラップがいくつかある。そのすべては気持ちのゆるみにすべり込んでくる、という話

とある現場で、同業他社の社長の噂話を耳にした。

ここ数年景気がよかったのか最近ベンツを購入し、現場に乗りつけてくるのだという。



建設業においてはまだまだ昭和感の残るバブリーな話や、派手な遊び方の話を度々耳にする。会社が儲かっていればその振る舞いは社長の自己責任であるが、令和においてそのような行動が命取りとなり、瞬く間に窮地に陥る話も散々聞いてきた。

会社が儲かり、ベンツを購入するまではいいのだが、必要のない現場にまで乗りつけてくるのは、少々気持ちが浮つき過ぎではないだろうか。



その他にも若い経営者だとギラギラした高級時計やわかりやすいブランドロゴがドーンと入った服であったり、請求書の送付先が都内のタワマンであったりとすることも多い。

わたしはそれらに興味がないということもあり、自身の嫉妬心にはつながらないが、そうした振る舞いをまわりはけっこう見ている。

よって、仮にその会社が傾きかけた際には「あんな派手に金を使っているからだ」とか「自分ばかりいい思いをして」といったような悪口のオンパレードで、まわりの業者は蜘蛛の子を散らすようにサーッと離れていってしまう。



わたし個人としては、会社が成長していくことに経営者が奮闘していること自体は尊敬の念をいだいている。そして、会社に関係するすべてにおいて還元をしてもなお残る余剰のカネは経営者の持ち分としても問題ないとも思う。

以前noteにも書いたが、むしろ経営者はいつなんどき資金繰りに窮する事態に見舞われるかわからないこともあり、自己資金の用意という意味で報酬は高く設定するべきだ。



ベンツやその他の贅沢品には魔力があるのか、辛い時期を乗り越えて余裕が出てきた経営者には吸い込まれるような魅力があるらしい。だが、その前にその余裕は従業員や会社の設備などに還元してから手にする方が妬まれる心配もないし、ベンツに乗ろうとその器があるという認識をまわりがしてくれるような気もする。

わたしは贅沢するほどの余裕にまで届いていないこともあり、魔力のようなトラップには遭遇したことはないが、経営者のモチベーションには何かしらの人参をぶら下げることの効果も一理あると考えている。

わたしにとっての人参となんだろうか、そんなことを考えてしまったが、まずは余裕を作る方が先か、とその考えも瞬時に葬ったのである。

会社にとって余裕がある状態を作るのは大事。その余裕をどう使うかはもっと大事


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