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お金を使うことに慣れるとビジネスは加速する

先行投資という感覚である程度資金を投下する場面で、迷っていたり、躊躇していたりすればチャンスは目の前を通り過ぎてしまう、という話

仕事で急に提出を求められた書類を探すため、事務所内の棚からファイルを引っ張り出していた。

つい去年末大掃除で整理したばかりの棚はあっという間に乱雑になり、また悪い癖なのだが、探し物もおろそかに関係ない書類に目が留まってしまった。

出てきたのは数年前にあるプロジェクトを実行するために購入した顧客名簿。

当時まだまだ資金的な余裕はなかったのだが、様々な失敗の後に立てた仮説にかなりの自信を持ってしまい、勢い余って購入してしまったのだ。

その額およそ100万円。

今考えてもかなり無謀なお買い物であったのだが、当時も成功するかわからないプロジェクトに赤字垂れ流し零細企業が投じる額としては無謀としかいえなかったと思う。

それほど切羽詰まっていたのか、自信があったのかは思い出せないが、いずれにせよ購入の際、振り込みのクリックをする瞬間は緊張していたのは間違いない。

それからほどなくして送付された顧客名簿をもとにプロジェクト実行したのだが、結果はトントン。1年かけて名簿代に値する利益は回収できたのだが、プロジェクトとしては失敗という苦い経験に終わった。

今では資金を投じる際には、もう少し小額から始めるなど考えて実行することにしているが、それでもここぞというときは惜しみなく投下することも少なくはない。

経験上、商売の流れやバイオリズムなどのチャンスと定義できるような瞬間は一度通り過ぎると次回いつ訪れるかわからないと感じているからだ。過去にも何度か躊躇している間に他社にそのチャンスを奪われてしまったこともあり、普段の準備とチャンスに乗る潔さは意識するようにしている。

そして不思議なもので、資金に関しても幾度となく投下しては失敗したり、そこそこのリターンを得ることで感覚と慣れが生じてくる。

とはいえ大事な資金、捨ててもいいなどと思ったことはないが、ある程度の金額なら失敗も込みで使ってしまうことは大事な要素だと思うのだ。

よく自分へのご褒美として会社の経費で躊躇なくお金を使う人も、不確かなビジネスのためとなると途端に財布のヒモが固くなるという人がいるが、ご褒美はその金額以上の利益を生む可能性は極めて低いゆえ、投資という観点からすればその時点で負債になるといえば言い過ぎだろうか。

バンバン会社の金を使えとは言わないが、ある程度の余力があるのなら消えてなくなってしまう可能性もあるがビジネスプランに投じてみることで、例え空振りに終わっても、経験や感覚という成果が残るのだ。

そして回数を重ねるうちに成功率は高まり、いきなりホームランとはいかないまでも凡打を量産することぐらいはできるようになるかもしれない。

今手に取ってしまった顧客名簿に関しては完全に凡打ということになるが、それでも後悔はまったくしていない。

その凡打から得られた経験はその後に活かされているからだ。なにより当時のボトルネックを解消できたことが大きいが、それにしても100万円は使い過ぎたとその点だけは後悔ではなく反省すべきと思い名簿を閉じた。

資金の余裕を確保するのは前提だが、ここぞという場面では勢いよく投下することも大事

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