見出し画像

百合声劇台本「鍵を壊す」

青春を 美しく飾る 百合の花

台本利用規約

この台本をご利用の際は、必ず画像にある利用規約を確認してください。

声劇データ

✓上演時間 5分程度
✓上演人数:女性2名
✓ジャンル:百合 / 青春

あらすじ

舞台は女子高の卒業式。真面目で優等生タイプの泉は、3年間注意しまくっていた相手の瑠衣に、次第に恋心を抱くようになる。
瑠衣の方は、当初こそ泉を鬱陶しく思っていたが、なんやかや自分の世話を焼く泉に惹かれ始めていく。互いに女子同士ということもあり、想いを伝えられずに卒業式まですごしてきたが、泉は今日がラストチャンスと思い、告白を決意する。

登場人物

瑠衣(18):
男勝りな不良少女。泉がなんやかやと世話したお陰で、成績も出席日数もギリギリで卒業を決める。泉には感謝と恋心が混ざったような複雑な想いを抱いているが、数少ない友人でもある彼女を失いたくないという思いと、汚したくないという思いから、卒業したら2度と会わずに忘れるつもりだった。卒業後の進路は就職。
酒乱の父親と浮気ばかりしている母親がおり、双方とも子どもにあまり興味がない。そのため自己評価が極めて低く、非行の道に走るが、その実、純粋で繊細、優しいこころの持ち主である。男性っぽい口調で話す。

(18):
委員長タイプ(実際に3年間委員長だった)で、不良生徒の瑠衣のフォローをするうちに、その内面のピュアさに惹かれるようになる。普段は真面目で大人しい性格だが、いざというときはしっかりとした意見を言う。何事にも一生懸命で一途。厳格な家庭に生まれ育ち、自身も真面目に生きてきたため、不良の瑠衣にある種の憧れのような感情もある。

百合声劇台本「鍵を壊す」


泉:「屋上って普通に入れるんだね」

瑠衣:「普段は入れないよ。今日は卒業式だから」

泉:「じゃあ特別に解放されてるんだぁ」

瑠衣:「ちがう。鍵ぶっ壊して入った。例えバレてももう関係ないし」

泉:「全く。最後まで瑠衣は瑠衣のまま」

瑠衣:「泉もな。最後まで注意しにくるなんて、どんだけ世話焼きなんだよ」

泉:「……ち、違うよ! きょ、今日は注意しにきたわけじゃない」

瑠衣:「じゃあ何? 飛び降り自殺とかは辞めろよ」

泉:「そんなことしないよ! き、今日は、そ、卒業式だから……瑠衣にどうしても伝えたいことがあって来たの」

瑠衣:「この前のジュース代の120円なら返したはずだけど?」

泉:「んもう、そうやってすぐ話し逸らそうとする! ちゃんと私を見て!」

瑠衣:「なに?」

泉:「私、瑠衣が好き! 大好き!」

瑠衣:「は?!」

泉:「友達としてとかじゃないよ? 女の子同士でこんなのっておかしいのかもしれないけど、私、瑠衣に恋してる! 瑠衣を愛してる」

瑠衣:「は? 馬鹿言うな」

泉:「本気だよ! ねぇ、瑠衣の気持ちを聴かせて、何を聴かされても構わないから」

瑠衣:「ふざけんな…… なんで泉みたいないい奴が、こんな不良にそんなこと言うんだよ! こっちがどれだけ頑張って気持ち抑えてきたと思ってんだよ? ふざけんなよ!」

泉:「瑠衣……じゃあ……」

瑠衣:「あぁもう! 今日を逃げ切れば最後だと思ったのに。どうすんだよ? どうすればいいんだよ?」

泉:「瑠衣の素直な気持ちをちゃんと聴かせて」

瑠衣:「…… 泉を汚したくない」

泉:「私は汚されたりしない。それに瑠衣は本当は私よりずっと優しいじゃない。私は瑠衣のいいとこたくさん知ってるの。誰よりも知ってるの。だから、ちゃんと教えて、瑠衣の本音を聴かせて!」

瑠衣:「……好きだよ。友情とかそういうんじゃなくて……好き、だよ」

泉:「……ありがとう、瑠衣」(抱きつく)

瑠衣:「本当にあたしでいいの? 女同士なんて今時珍しくないけど……幸せにできる自信が無い」

泉:「私は瑠衣と居るだけで幸せだからそれでいいの。……こうやって見ると、瑠衣ってすごく綺麗な唇してるんだね」

(キスシーン←匂わせ)

瑠衣:「泉……」

泉:「瑠衣のこと、世界で一番好き! あっ、そうだ。これから最初で最後の制服デートしない? 遊園地とか行きたい!」

瑠衣:「うん! そろそろ鍵壊したのバレそうだし。取り敢えず、学校から出よう」

泉:「全くもう。最後の最後まで悪いことばっかり。でも、そのお陰で屋上で告って上手くいって最高……」

(SE:足音)

瑠衣:「やばい、先生くる! あっちの階段から逃げるから。しっかり手繋いどいて」

泉:「うん!」

(SE:2人が走る足音)

END


自己紹介


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?