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やっぱり、カレー。

賄いの定番、カレー。

賄いネタに困ったら、丼ものかカレー。

業務用カレーはジャワ。ブイヨンなどの出がらしの肉、切り落とし、冷蔵庫の残り物のごった煮、何を入れても、最後はジャワがまとめてくれる。

今日の仲間は何食べたいか想像して、色々迷い、悩み、最終的に、(一部の嫌いな方を除き、)鉄板の答えはカレーだったりする。

カレーはみんなの人気モノ。

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先日、沖縄そばにカレーをかけたものをいただいた。カレーうどん、カレーそばはお馴染みだけど、カレー沖縄そばは斬新。

沖縄そばのスープは、豚とカツオベースのあっさり出汁。そこにお家カレーのような優しいカレーがかかっていて、なんとも言えない安心する味だった。よそのお家のカレーがなんか美味しくて、友達のお母さんの優しい笑顔に包まれたみたいな。

賄いカレーはジャワ風味で、自分が作ることも多いゆえ、『ザ・賄いカレー』味になるので、お家カレーともちょっと違う。

カレー屋さんのカレーはしっかり味でスパイシーで、レトルトカレーはレトルト特有の味がして、お家カレーとはこれもまた違う。

お家カレーは、とにかく優しい味がする。

ウチの母カレーはバーモント。おばあちゃんが作るとSBの赤缶の、小麦粉入りのぼってりライスカレー。

誰にも作れない、その人の味。

料理人として、そんな美味しい“この逸品”が作れるようになりたい。カレーのような存在になれるような一品を。


一人暮らしの時、よく鍋いっぱいにカレーを作った。一人で食べるカレーは、どうしても実家の味にならなかった。もやしが安いので、もやしカレー、カレーチャーハン、カレーロールキャベツなんてのもしょっちゅう作った。カレーは大好きだけども、一人で食べるカレーはなんだか寂しさが込み上げる味がした。

一度、骨つきチキンをヨーグルトにつけておいて、みじん切り野菜とスパイスを調合して作る本格的なインドカレーのレシピを見つけ、作ったらとても美味しくできた。なのに、美味しねぇって分け合う人がいない。なんだか世界にひとりぼっち残されたような孤独感だった。

まぁ、それは今では笑っちゃうような、一人暮らしあるあるの思い出。


くるりの『カレーの歌』や、遠藤賢司の『カレーライス』は名曲だ。


カレーに対するみんなの想いも それぞれ。相当な思い入れがある人もいるだろう。今日はカレー、と聞くとテンション上がる人もいるのでは。

でも、くるりのカレーの歌も、エンケンさんのカレーライスも、なんだかちょんぼりしちゃう。みんな大好きなカレーの歌なのに。四畳半1kの部屋が浮かぶ(最近、そんな物件あまりないかもだけど)

↓カレーの話ばかり集めたエッセイ集

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奥深くて、なかなか正解のおいしさに辿り着けないカレーの世界。でも、不思議となんでもいつでも美味しいカレー。キャンプで焦げてしまった味だってロケーションも手伝って美味しい思い出になる。

食べ放題やバイキングにあるカレーって、なんか食べちゃうよねぇ。


〜〜〜〜〜おまけレシピ〜〜〜〜〜

賄いカレー

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ランチのナスのそぼろあんかけ定食のアレンジ♫

鶏そぼろあんかけ(※出汁で伸ばしためんつゆ(かえし)に酒で炒り煮にした鶏そぼろ、みじん切りのネギ、おろし生姜を入れてとろみをつけたもの)のあんを少なめに、鶏そぼろ500gを残すようにざるで濾し、トマトホール缶(4号缶)1缶、カレー粉を大さじ3くらい、玉ねぎとニンニクのみじん切りを入れて15分くらい炒め煮にする。

カレールーひとかけら、あんの残りおたま2杯くらいを加え、さらにかき混ぜながら5分くらい煮込み、火を止めておく。

食べる直前に温め、素揚げしたナス、パプリカを加えて、さっと絡めたらご飯にかけ、粉チーズや目玉焼きをのっける。

福神漬けのない時、キュウリのキューちゃんや柴漬けを添えたりするのは賄いならでは。



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おいでくださりありがとうございます。 不器用な料理人、たぬき女将が季節の食材、料理、方言にまつわるよもやま話を綴っています。おまけレシピもありますよ。