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「営業の弱点」がやてっく~誕生前夜~#46

3時間の労働時間に1時間をプラスして新規事業を考える。考えるというのはアイデアだけではなくて、流れや方針についても含めてだ。

方向性は売上や意義、流れは手段や数値の進捗計画に絞って考えることにした。他にも狙えるものは沢山あると思うのだが、いっぺんにやっても失敗するだけだと思った。この事業は参加人数が少ないから、1つずつ潰していく方が確実だと考えたのだ。

多くのアイデアを出し、その中から大きな利益と大きな意義を果たすことができるものに順位をつけていった。僕が出したアイデアの中には、YouTubeアカウントやX(当時はTwitter)のフォロワーや登録者を増やすための広告をフリーペーパーに掲載するというものだった。

チャンネル登録者数や再生数、フォロワー数を伸ばしたいと考えている人に対して、ひとくち5,000円で広告を掲載できるというものだった。

当時、僕たちの事務所が管轄している配布域内には、僕が調べただけで、114件YouTubeチャンネルがあった。企業が宣伝のためにやっているチャンネルを合わせるともっと多かっただろう。これらのチャンネルを対象に広告を案内すればそれなりに儲かるのではないかと考えた。

チャンネル登録者を増やす方法なんて、地方においてはほとんど確立されていなかったし、まだまだ攻略の糸口すら見つかっていなかったから、その一助になりうる可能性は十分にあった。

また読者にしても、地元の人間がつくる動画がどんなものなのかというのは興味があるのではないかと思った。この広告が密集しているページは、ある意味充実したコンテンツになるはずだと思ったのだ。

人々が承認欲求にかられ、数字を追っていることは明白だったので、お金を出してもフォロワーを買いたいという思いはあるはずだった。

もちろんこれは想像でしかない。ここからの調査は必要だが、この時点ではそれなりにうまくいく予感があった。

こんな感じでいくつかのアイデアを出した。この会社のいち事務所で行われる事業だ。売上は月々50万円くらい入ればいいという感覚があった。

僕のアイデアはすべて、既存の事業の邪魔にならないことをベースとしていた。0から新しい事業を始めるつもりはなかった。

「新しいこと」という言葉、一見聞こえはいいかもしれないが、実際にやろうと思うと大変だ。エネルギーを増加させるのと、エネルギーを生み出すのでは、難易度が違いは明白だと思う。加えて、人数が少ない事務所単位での新規事業となれば、手段としての営業は使えない。新しいことを始めるのには人手がいる。どれだけテクノロジーが発達しても、効果をもたらすのは人だから。

ということで僕は、今ある事業と親和性が高いものをチョイスしていった。斬新さとか革新的なものとか、そういう理想を言っていい段階ではないと判断したのである。

次に流れだ。ここで大きな壁にぶつかった。

僕は流れを決めるにあたり、事務所にいる営業にいくつかの質問を出していた。

質問内容は、
今配っている自社のフリーペーパーの最大の強みはなんだと思いますか?
今案内している商品の特徴と思う部分はどこですか?
自分が今販売しているサービスにおいて、どの部分がお客様に刺さっていると思いますか?
自分が提供している商品・サービスにおいて、効果を最大限引き出すための技術を持っていますか?
だった。

こられを事務所内の営業メンバーに聞き、答えを待ったのだが、この答えが衝撃だった。ある2つの共通している点があったのだ。

これはこの会社の根幹を揺るがす大きな欠陥だ。僕はそれに気づいてしまったのだ。

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