じーくどらむす

サウンドプログラマー/ゲームクリエイター。 ポートフォリオ→ http://geekd…

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サウンドプログラマー/ゲームクリエイター。 ポートフォリオ→ http://geekdrums.strikingly.com/ ゲーム音楽以外のことを書く用のアカウント→ https://note.com/geekdrums_diary

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ゲームプレイを音楽として再解釈する

私はかねてより「音楽とゲームの融合」を目指してゲーム開発を行ってきました。先日公開した作品「Same Game, Different Music」では、古典的なパズルゲームである「さめがめ」をプレイするだけで、ブロックを消す順番とスコアに応じて毎回違った音楽が生成・展開されます。 もし興味を持っていただければ、是非こちらからDLして遊んでみてください。Win/Mac対応です。 ゲームプレイから音楽が生成される、Generative Musicと呼ばれるタイプの作品は、なか

    • 今年の振り返りです > 2023年の仕事と生活を振り返る|geekdrums_diary https://note.com/geekdrums_diary/n/n7214826a31bf

      • じーくどらむす プロフィール

        フリーランスでゲーム開発のサウンドプログラマーをやっています。 ポートフォリオサイトはこちら↓ インタラクティブミュージック研究2014~2018年 スクウェア・エニックスのサウンドプログラマーとして、FINAL FANTASY XV等で活用されたインタラクティブミュージックシステム「MAGI」を開発。 ゲーム音楽演出の技術に関する専門的な知見から、その奥深さ、面白さを伝えるために、様々な作品を取り上げてインタラクティブな音楽演出について分析・解説を行っています。 以

        • ゼルダの伝説 Tears of the Kingdomが取り戻した「アタリマエ」だった3Dゼルダの魅力

          ゼルダの伝説 Tears of the Kingdomを、100時間かけてクリアした。その時の感動は忘れがたく、プレイヤーとしての満足感とともに、一人のゲームクリエイターとして、「こんなものを見せられて、俺はこの後いったい何を作ればいいんだ?」と、打ちのめされる感覚すら覚えた初めての体験だった。 まずこの記事ではネタバレはしない。ネタバレが含まれる批評については、別記事に分けたうえでそのリンクを貼るので、未クリアの方も安心して読み進めてほしい。 ただそうなると、絶賛部分が

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          【ネタバレ全開】ゼルダの伝説 Tears of the Kingdomをクリアした時の感動は、何だったのか

          (注1)本記事では、ゼルダの伝説 Tears of the Kingdomのラストバトルを全てネタバレします。クリアした人だけ読んで下さい。まだクリアしてない人は、感動を奪いたくないので、引き返して下さい。 (注2)本記事は、以下のTotK批評記事のネタバレ部分のみ切り出した形式のものです。 両方お読み頂くと、より理解が深まると思います。 軽く↑の記事で説明した前提だけ共有しておくと、私は「BotW以前の3Dゼルダが大好きだった、BotWはちょっと自分の期待と違う方向に

          【ネタバレ全開】ゼルダの伝説 Tears of the Kingdomをクリアした時の感動は、何だったのか

          ゲーム条例をめぐって、本気でゲームに向き合う人たちの物語

          読み始める前は、気が重かった。 政治家の不正の話なんて、好き好んで読むものではない。 ましてやそれが、自分の愛するゲームという芸術様式に泥を塗り(彼らは「一概に全てを否定するものではない」という言い回しを繰り返し用いているが、裏を返すと「具体的に何が悪いのか考えもせず、大雑把に全体を否定している」わけだ)、しかもその条例はすでに施行され、曲がりなりにも公権力のお墨付きを得ているなどということは、わざわざ思い出したいことではない。 既に悪名高い香川県の「ネット・ゲーム依存

          ゲーム条例をめぐって、本気でゲームに向き合う人たちの物語

          Outer Wildsで「宇宙の法則に触れた」感触がこの手に残っている

          (↓のアカウントから記事を移転してきました) https://note.com/geekdrums_diary/n/n2967a31b2f51 本ブログは、Outer Wildsという傑作SFアドベンチャーゲーム(人によって「Portalに並ぶ」とか「Undertaleに並ぶ」とか「グノーシアに並ぶ」とか、とにかく人生で最も衝撃を受けたタイトルに比肩すると表現される)をクリアした私が、既にクリアして他の人の感想を漁ることしかできない所謂「Outer Wildsゾンビ」の方々

          Outer Wildsで「宇宙の法則に触れた」感触がこの手に残っている

          FE風花雪月の紋章xタロット本から読み解く、大アルカナの構造分析

          (↓のアカウントから記事を移転してきました) https://note.com/geekdrums_diary/n/n3c40da521557 「ファイアーエムブレム風花雪月を300時間で3周してからが本番だった話」の派生で、長くなりすぎたのでアルカナ・タロット分析だけ別記事に分けたものです。 FE風花雪月をクリアした後にネットを探してたらここ最近読んだ文章の中でぶっちぎりで一番面白いブログ↓にたどり着き、タロットやアルカナの持つ面白さに触れるきっかけとなりました。 な

          FE風花雪月の紋章xタロット本から読み解く、大アルカナの構造分析

          ファイアーエムブレム風花雪月を300時間で3周してからが本番だった話

          (↓のアカウントから記事を移転してきました) https://note.com/geekdrums_diary/n/n140420bfa00c 基本的にネタバレなしで、最後だけちょっとネタバレあり(手前で予告します)という構成にします。 公式サイトからわかる情報では (公式の情報も見ないでやりたいという人は注意) というわけで、作りからして興味を惹かれる構成になっています。 私はファイアーエムブレムは「覚醒」しかプレイしたことなくて、にわかの部類ですが、風花雪月はや

          ファイアーエムブレム風花雪月を300時間で3周してからが本番だった話

          ゲーム音楽を彩る「インタラクティブミュージック」の進化の歴史  参考資料集

          ゲームメーカーズスクランブルというイベントで登壇した際の資料です。 記事と動画が公開されました。 スライド 講演者https://twitter.com/geekdrums 研究資料 Ludo Musica III(3/31まで!) 前置き インタラクティブミュージックの個人史 1980年頃「ゼビウス」「ディグダグ」の楽曲を手掛けた慶野由利子氏が語るナムコサウンド。トークイベント「The Art Of Video Game」をレポート 1990年代 200

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          ジャズはeSportsだ!~Splatoonで学ぶBLUE GIANT~

          映画「BLUE GIANT」、(CG部分を除いて)傑作でした。 私はかねてよりのジャズ好きで、ジャズ好きを唸らせる魅力に詰まった漫画「BLUE GIANT」シリーズ作品のファンでもあり、それがついに映画化、しかも演奏を担当するのが上原ひろみ(ピアノ)、馬場智章(サックス)、石若駿(ドラム)とあらば、絶対に見逃すわけにはいかない、と初日に見に行って正解でした。 演奏中の2Dエフェクト表現を含めたMV的な演出が本当に素晴らしく、また、「映画音響の大音量で聴くジャズ」というのが

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          渋谷PARCOで自作ゲームを展示すると何が起こるのか

          「渋谷PARCOさんのカルチャーイベント「P.O.N.D.」にゲームクリエイターを送り込もうと思っているんですが、じーくさんを紹介していいですか?」と、IGNの今井さんからお話を頂いたのは今年の6月頃でした。 「PARCOに自分のゲームを展示できる……?」 と、一瞬ワクワクしたものの、まぁ9割5分流れる話だろうと思って正直真に受けてませんでした。 でも「PARCOのカルチャーイベント担当者」というおよそ自分の人生と関わりがミリも生まれ無さそうな人に対して、私のゲームが数

          渋谷PARCOで自作ゲームを展示すると何が起こるのか

          ゲーム音楽のオンライン展覧会「Ludo-Musica III」が開催中

          2023/2/9追記:「Ludo-Musica III」開催中ゲーム音楽をテーマにしたオンライン展覧会「Ludo-Musica III」が本日より3/31まで開催しております。これを逃すともう見る機会がないかもしれないので、是非この期間にどうぞ! また、新たな取組として「別館」としてTwitter上で皆さんが心に残っているゲーム音楽を投稿するという企画も開催されております。 参加の際は、別館の「投稿の際のお願い」をご一読ください。 2022年度(Ludo-Musica

          ゲーム音楽のオンライン展覧会「Ludo-Musica III」が開催中

          Splatoonを通じて向き合う人間の弱さ

          Splatoonを長らく(1,2合わせて3000時間以上)プレイしてきて、辿り着いた感覚があります。 それは、このゲームではSplatoonの知識や腕のみならず、人間としての強さが試されている、ということ。 Splatoonに限らず、格闘ゲームでもスポーツでも、よくできたゲームであれば同じことが言えるような気がします。 今回は色んなゲームや人生にも共通するかもしれない、人間の弱さについての教訓を、Splatoonをやっている方にもそうでない方にも共有したいと思い、筆を執

          Splatoonを通じて向き合う人間の弱さ

          音階の数学

          私の大好きな数学者の名言で、「音楽は感性の数学であり、数学は理性の音楽である」という言葉があります。 数を原理とするピタゴラス教団がピタゴラス音律を作り出し、そこから純正律という整数比率によるハーモニーを重視した音律が作られたことからも、音楽と数学の関係性は深いと言えるでしょう。 しかし、 実際に数学を多少わかって、音楽を多少嗜んでいる方であれば、音楽で使われる様々な単位への違和感を感じたことがあるのではないでしょうか。 音楽を取り巻く数への違和感まずこの「12音階」

          音階の数学

          「香川県ネット・ゲーム依存症対策条例素案」の問題点を徹底的に整理

          香川県によるゲーム依存症対策に違和感を覚える方が多くいらっしゃいますが、パブリックコメントのような形で意見を伝えるためには、論点を正しく整理する必要があります。 ちなみに、このパブリックコメントですが、ゲーム事業者であれば香川県民でなくとも提出可能だそうです。 というわけで、ゲーム製作者は他人事ではありません。 ここでは、本条例に関する議論の土台を整理し、論理的に本条例案の問題点を指摘することで、パブリックコメントを送る方々にとって参考にして頂きやすい資料を目指します。

          「香川県ネット・ゲーム依存症対策条例素案」の問題点を徹底的に整理