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月刊コグマ#番外編 Potluck

10月16日。

またこの日が来てしまった。
毎年毎年、「今年も誰かから祝ってもらえるかな」とドキドキしている気がする。

こんなめでたい日に、暗いことを言うのはあれだが
自分が死の淵に立っているときに僕の元へ駆けつけてくれる人は一人としていないと思っているところがある。

そんな薄情なこと言うなよって思ってくれてる人もいるかもしれないが、ずっとそれが胸の内に巣食って離れてくれないのだ。

誕生日もそう。
正直誰も祝ってくれないと思っている。

だからLINEで「もうすぐ○○さんが誕生日です」とアナウンスしてくれるのは少しありがたい。

あれのおかげで救われるところがあるからな。

ああいうことはうまく活用していかなくては。

じゃあとりあえず、僕はこれから未来の自分宛てに番外編を贈らなくてはいけないので、ここらへんでさようならだ。

では、よい一日を。



憧れ はつづく

カッコいいって、なんだろう?

ずっと。

小学校から今までずっと、そんな疑問がふとしたときに頭に浮かぶ。

カッコいいって言われてみたい!!
カッコいいって言われることを今年の目標にしよう!!

そんなことを中学生活は言って、奮起してたっけ。と、ついさっきお風呂の中で思い出した。

カッコいいって言われたいんだよね。
と、口で言うと

他の人は/君たちは、気持ちのこもっていない「カッコいい」を吐いてくれるが、そうじゃないんだ!!と思うわけよ。

改めて、自分の顔を鏡で見てみるがカッコいい部類のモノでは無いことは明白だ。

そんなことは分かっているのだが、ブサイクだと思いながら自分を見ると、非常に傷つく。

つまり、自分は行動でカッコいいと言われてみたいのだ。

しかし、「行動で」とはどんな風だろうか。

当時、中学生の自分は、
楽器を/チューバを吹いているという事自体カッコいいと思っていたし、なんなら今もカッコいいと思っている。

部活だって、それなりに頑張っていたし人付き合いだって人並みにやっていたはずだ。

その生活の中で僕のことをカッコいいと思う瞬間は無かったのか!!


自分は妥協が嫌いだ。
妥協は腑に落ちない。

気持ちの落ち着くところに着地する感覚が無いので、気持ちの悪いままに物事を終わらせてしまうようで。


しかし、こればかりはしょうがない。

高校生になった自分は、しっかりと前を向き直した高校2年生の後半あたりからは再びこの目標を立てることにした。

今回の目標は、言ってもらう ではなく、思ってもらう だ。

カッコいいと思ってもらうこと。
まずはそれが先決だ。と。

結局、高校時代に関わってきた 彼ら/彼女ら はどう思ってくれたのか分からないがたぶん、カッコいい なんて思いもしなかったことだろう。

去年までの自分を思い起こしてみても、そんな カッコいい!! なんて微塵も無かったのだから。

話しは少し変わるが、
「病は気から」
というのは、病以外にも通用すると考えている。

自分が楽しいと思えば、それは楽しくなるし、好きだと思えば好きになる。

恋愛でもたまにある、
「好きじゃないけどとりあえず付き合う」から「気づいたら好きになってたの」みたいなやつは、まさにこれじゃないかと思う。

つまり、自分がカッコいいと思っていれば、本当にカッコよくなるのではないか。

そう考えるわけだ。

だから、まずは今年度。

自分をカッコいい男だと信じて、胸を張って大学生活を過ごそうと思う。

だからもし、
「君ってなんか、カッコいいね」
みたいに言われたら、しっかりとこの月刊で報告するぞ!!

覚えておけよ!!

方向性は変わるのだが、
イケメン = カッコいい
は成り立つと思う。

けれど、
カッコいい = イケメン
は成り立たないと思う。

たまに、街を散歩していると
(個人的に)カワイイと思う女性と、(個人的に)フツメンと感じる男性が恋人繋ぎをして歩いていく姿を見かける。

別にイケメンではない。
なんなら、申し訳ないが、ブサイクじゃないかと思う人もいる。

けれど、そのカワイイ子を射止めたということは、その子にとってカッコいいと思える何かがあったということだし、他にも尊敬出来る何かがあるのだろう。

イケメンじゃないけどカッコいいよね、彼。
みたいな。

彼/その人の持つ、誠実さだったり可愛さだったり、そういうのを総合してカッコいいというのではないか、と感じる。

だから、自分はブサイクだから…

なんて、顔にコンプレックス持ってますみたいなことを言ってる僕みたいなやつは一旦考えてみてほしい。

僕たちがカッコいいと思う彼も
たぶん自分はブサイクだと思ってるだろうし、
美人と思う彼女も
自分はブサイクだと思ってるだろう。

(というか、イケメンとか美人とか良い言葉には男女に合うものがあるのに、ブサイクは兼用とか、なんかずるくないですか??
不思議でたまらないんですけど!!)

だから顔をコンプレックスには思わない方が良いと思う。

つまり、総合すると、

僕は雰囲気イケメンを目指せば良いということなのだろうか。

雰囲気イケメンになれば、
あの子からもあの人からも

カッコいい!!
と言われるのだろうか。

そうと決まったら、まずは雰囲気づくりだ。

僕はカッコいい!
僕はカッコいい!
僕はカッコいい!

これで雰囲気はカッコよくなった気がする。

とりあえず、これで毎日頑張ってみるか。


2008<ニマルマルハチ>の謎と部屋

2008の謎(部屋)とかいう不思議な夢を見た。

とある部屋の一室で、何故か監視カメラのような映像を見ていた。

深夜1時頃だったような気がする。

監視カメラに映った窓から、紅白のフードを被って顔の見えない子供ほどの身長の人間が入り込んできた。

頭には2本の小さな角が生えていた。

そこで映像が途切れた。 

自分は、再びカメラの前で座っている。
同時に、昨日人が1人死んだことも知っている。

深夜1時。

窓から昨日と同じ子供のような人間が入ってきたと思えば、もう1人の子供の姿も見えた。今日は2人のようだ。

そして、この夜。

また1人死んだ。

夜がくる度に、子供が窓から入り、1人の命が失われる。

これを調べるためにカメラに張り付いても、子供が来た時点で記憶は失われ、次の夜になっている。

また次の夜。
この子供たちが僕の前にやって来た。

背中には鉈を背負っており、それを大きく振りかぶり、僕の首目掛けて、振り下ろした。

横たわりながら彼ら(彼女ら)の話を聞いていて、わかったことがある。

人は死ぬと数字になるらしい。

3つの適当な数字だ。

その数字を集めることがこいつらの仕事である。

数字になる条件は、

「2008の謎」について興味を持たせること。
必ず丑の刻より前に殺すこと。
他人に対して罪悪感を持っている人間だけ。

らしい。

数字を集めて、いつか2008になったとき。
この子供たちは解放されるのだ。

この子供たちがその後どこへ向かうのかは知らないが、既に僕の周りにもいるかもしれない。

「ねぇ、2008ニマルマルハチの部屋って知ってる?」
「あれ? 2008の謎だったかな。」
「とっても不思議なお話なんだよ。」

友人との会話の光景が脳裏に浮かんだ。
そこで自分の意識が途切れた。

ここは部屋の一室。

目の前には友人がおり、隣の部屋では後輩が勉強をしているみたいだ。

自分はなにを思ったか、ふいに話を始めた。
身体の自由が利かないようで、口だけが単調に言葉を並べていく。

「そういえば、◯◯は2008ニマルマルハチの謎って知ってる?」

……こんな夢を見た。

途轍もなく、不思議な夢だと思う。

怖かったぁ。


ひとりはつづく

バイト帰りに撮った写真をながめていた。
夜の中、マンションの灯りが暖かく映る写真。
なぜかその光景を見ると、センチな気分になった。

夜は22:00を過ぎていて、車の走る音も聞こえない。
モノレールも走っていない。
歩いているのはただ一人。

遠くから24時間営業の中華料理専門店の明かりが見えた。

こんな時間でも、まだ繁盛しているらしい。
雑談をしながら、食べている様子を横目に通りすぎた。

夫婦で仲良く分けあっていた。

少し、羨ましかった。

マンションの窓から、少しずつ灯りが消えていく。その一つ一つの部屋に、人が住んでいる。


『部屋が多ければ気持ちもたくさんになる』

そんな言葉を思い出した。

今、住んでいる彼ら以外にも、その前に住んでいた人も絶対にいるし、その前も、その前の前も。

想いはどこまで届くのか。
そんな疑問にも通じるものがここにはある気がする。
どこまで残るのか。

悲しいことも楽しいことも住んでいる家には残っている。

暖かい家の暖かい部屋に、明るい部屋に、たくさんの想いが積もっていく。

空間が増え、
人が増え、
感情が増える。

≪それは=かつて=あった≫
ものと共に。


平和なんて本当のところはよく分からないけど、これがそうなのかもと思った。

モノレールはまだ、走っていない。
けれど、いつかはまた動き出す。

その時までは、一人で頑張らなくては。
そして、その後は二人三脚になるかもしれない。

なんて想像をしながら、家の方向へ足を進めた。


幕間①~僕なりのストレス対処法~

このいわゆる誕生日回を書くときってちょうど気分的には上半期終盤という感じがする。

本当ならば6月が上半期終盤なので、今10月は下半期の中盤くらいなのか。

さきほど上げた3本は、LINEやインスタグラムに投稿した雑談などを持ってきたもので、一部修正しているところもある。

この上半期(と言わせてもらう)は悩みの多い期間だったと思う。

自分と周りを比較して、自分は劣ってるんだと認知する。
これを何回も何回もやっていた。

でも、もしかしたら、良い未来もあるよね!
と信じながら、悩みを打ち明けているようだ。

こうやって、表現を介して悩みを話すことは、ストレス対処法に最適なものだと自分は実感している。

今、ストレスが半端なくって耐えられない!
という方。

ぜひ、始めてみませんか?


Emerald Ace 

僕から見ればあの子は本当に輝いていた。
こんな事を言っても当時のあの子は謙遜するだろう。

ほんとうに、懐かしい気がする。

この話をすることは一生ないと思ってたし、墓場に持っていこうとさえ思っていた。

こんなことを言うとあの子に何て言われるか…
何て思うのか…

だって、今思えばこれはすべて「ごっこ」みたいな関係だったのだから。

関係の始まりの時は実に7、8年前までさかのぼる。

当時小学校5年生の自分は、ソフトボール部に所属しており、毎日の練習にへとへとになっていた。

いつもの友人たちと帰り道を歩いている最中のこと。

自分の地域には男子が圧倒的に少なく、同級生は1:6くらいの割合で女子の数が多かった。

そのため小学校ということもあり、そのガールズとともに帰っていたのだが、そこで事件は発生する。

小学5年生とは言っても、思春期到来の時期。
帰り道の話題は「好きな人はいるのか」という話になった。

毎日囲まれていたので、別に気になる人というのもいなかったのだが、好きな人を言わないと家に帰してくれない雰囲気に。

へとへとで脚も腕も疲れていた自分はとっさにクラスの中で可愛いと感じていたとある女の子の名前を口に出した。

今回は、その子の、僕から見たその女の子のお話である。

友人に好きな人(仮)を伝えた翌日の事。
その日から急に自分の中でその人を意識し始めることになる。

もし、自分の言ったことが彼女に伝わっていたらどうしよう、という焦りもそうだが、彼女の中で自分はどのような存在なのかということも密かに考えていた。

同級生、とは言っても僕とその子の関係はそれだけではなく、よく遊びに行っている友人の家の近くにその子も住んでいたので、一緒になって遊んでいたこともあったのだ。

彼女はバスケットボール部に所属していた。
確か部長だったと思う。

部長でなくともエースだと言えるような実力があった。
身長も高くてカッコよかった。

このことを伝えても、そんなことないよと謙遜するだろうが。

とてもリーダーシップのある子だった。
クラスの委員長を務めていた時期だって何度もあった。

方やみんなの中心にいるカッコいい、輝かしいリーダーで。
方や生活も部活もパッとしない落ちこぼれ。

ただ仲がいいというだけじゃうまくいかないものもあるよな、と実感していた。

そんな自分の悩みはよそに、周りは良かれと話を進めてくる。

知らないうちに自分が彼女のことを好きだ、ということが学年内で知られていたし、もちろん彼女の耳にも届いていた。

そこからなんやかんやあった。
受け入れてもらったり、気持ちをぶつけあったりした。

自分は自分で、ずっと抱いていた悩みに耐え切れなくなり、関係を切ろうとした。

切ろうとした仲を彼女は引き留めてくれた。

結局、最終的には中学生になったタイミングで僕から切ったんだけど。

理由はそんな大したことでは無い。
ただ、中学校が別々のところだったというだけ。

もっと言えば、
僕よりももっといい人がいるだろうという気持ちからだった。
こんなところで引き留めておくよりも、もっといい場所があるだろうと感じていたからだった。

小学生の関係は、ひどく言えば浅はかなもので、それに憧れた「ごっこ遊び」に近かったと思う。

後悔はしていない。
切ってよかったんだって言える。

でも、それは楽しかったしとても充実していたとも感じる。

さて、急にこんな過去のことを掘り出してあの子は迷惑に思っているかもしれない。

最近のあの子は、笑顔の可愛い彼氏くんとのツーショットをよくインスタに上げているのだから。
まぁそこは、幸せになってほしい。

これは忘れたいほど嫌な記憶
じゃない。

だからって、鼻を伸ばすほどの栄光とも思ってないけど。

僕の大切な思い出だと思う。

エメラルドみたいに輝かしくて、懐かしい思い出だ。



Topaz Knack

始めはそこまで好印象ではなかった。
なんなら少しだけ、苦手だなとも思っていた。

いつからあの子のことが気になり始めたんだっけ。
せっかくだし、思い出してみようかな。

今回の話は、小学校のあの時から少し成長をした(と思いたい)中学時代の話である。

部活は吹奏楽部に入り、担当楽器はチューバに。

その他にも、吹奏楽部の男子だけで行っていたバンド活動(ザブンの話→#7を見てね)など意外にも好調なスタートだったと思う。

そんな中学生活の中、個人的にあんまり好きになれないというか、
悪くいえば疎ましいと感じていた人がいた。

当初、そのバンドで曲を合わせるときはとりあえず楽譜無しでやっていたのだが、その人はその演奏に合わせておんなじ曲を隅っこで吹いていた。

今考えれば、僕たちが演奏したそのすぐ後に彼女が(いわゆる)耳コピで演奏が出来たというのは凄いことだと思う。

けれど、当時の僕はその姿を見て、
「僕たち(男子)だけの活動なのに、何マネしてんだよ」
と、今の社会では信じられないような感情を抱いていた。

これが中学1年生でのちょっとした出来事。

今思い返してみても、失礼すぎて
ほんとうに申し訳ないと思う。

別にこのことを相手に伝えたわけではないので、これこそ墓場まで持っていくべきだな。

そんな「疎ましい」という認識を改めたのは、2年生に入り、同じクラスになった頃からだった。

あの子に関わっていくうちにだんだんと色んな面が見えてくる。

笑った顔も、はにかんだ笑みも、悩んでるときの仕草も、真剣な表情も。

2年生も終わりに差し掛かったある日。

その子とクラスや部活でいくつもの会話を交わすようになっていた自分はあることに気がついた。

そして、何故か言いたくなったので呟いた。
「僕、○○のこと好きなのかな」と。

そして中学校最後の年が始まる。

そこからはとりあえず、コミュニケーションの幅を拡げてみた。

朝、会ったら「おはよう」と必ず言うこと。
帰るときは「おつかれさま」を。

そういえば、後半からは「バイバイ」も言い合っていた気がする。

自分に出来そうな、あの子のこころを掴むことは言葉を交わすことだけだと思い、髪型も変わっていたらすぐ反応するようにしていた。

あの子はどう思っていたのだろうか。
今となっては知る由もない。

そんなこんなで2人はお互いにコミュニケーションを取り合う仲にまではこぎつけることが出来た。

そうして訪れる受験期。
ほんとうはおんなじ高校に行きたかった。

けれど、人生はそう甘くない。

親が静岡での仕事に転職した影響で自分も着いていくことになった。

告白をするかしないか

自分は迷って、
いつぞやと同じ理由であきらめた。

自分に言い訳をして、
しょうがないと飲み込んで
やめた。

連絡先は持っていたけど、高校生活の合間で気づけば連絡もしなくなった。

とある事件のおかげでそもそもの連絡先も消してしまって、今は手元にもない。

そんなこんなで毎年11月になると、あの子のことを思い出す。

どこで何をしているのか。
何を見て、何を感じて生きているのか。

少し気になって、
幸せであることを願って気持ちを払拭させている。

あの子にとっての誕生日は特別なものだったのだろうか。

トパーズ。
その誕生石に則って、誠実な友情や恋を掴んでいると嬉しい。

ほんとうに、久しぶりに恋が出来た。
あなたを好きになって良かったと思う。

ありがとう。
さようなら。


Diamond Mood

あの子を言葉で表すと、「カッコいい」その一言に尽きると僕は思っている。

心の奥に芯を持っていて、それを大切にして生きているって感じがして、ひそかに僕は彼女に憧れていた。

誕生月にふさわしい、ダイアモンドに似合っている人だと思う。

でも、僕にはこの年齢差を埋める力は持っていなかった。
ただただ、離れていくのが怖かった。

だからこそ、
僕は出来るだけあの子と関わっていこうと心に決めた。

今回は、僕が憧れたとある後輩の子のお話である。

初めてあの子を見たのは、部活動見学の時。

自分は高校3年生で、チューバとの関係はまだ続いていた。

吹奏楽部に誰が入るのかを適当に観察していると、一人、外国人のような雰囲気を持った子がいた。
これは比喩なんかじゃなく、本当にそうなんじゃないかと思ったぐらいだ。

そこからすでに少し気になり始めていたのかもしれない。

彼女はチューバではなかったが、そこと近いパートに入った。
そのおかげでたくさんの話を交わすことが出来た。

気になっているとはいえ、当時の僕はそれを自覚してはいない。

定期演奏会が終わった数日後のことだったと思う。
部活内で、大会のために大きな改変が起こった。

それは1年生に編成として足りない楽器を担当してもらうこと。

自分のパートにも一人、女の子の1年生がいたのだがクラリネットに一時的に移籍となることが決まった。

それまではずっと、僕の後輩2人とあの子の所属しているパートの2つで一緒に練習することが多かったのだが、
この移籍によって女の子は彼女1人になってしまう。

絶対に、悲しい気持ちにさせてはだめだ。
独りであることを感じさせてはだめだ。

そう思った僕は、積極的に話しかけることにした。

やはり、話をするのは大事だと思う。
話をするとその人のたくさんの面が見えてくる。

あの子はとても共感能力が高かった。
色々なことを考えすぎてしまい、すぐに疲れてしまうと言っていた。

けれど、その特性と長く付き合ってきた強さのようなものが見えた気がした。

その姿に僕は、おこがましいが、似てると思った。
僕なら一緒に抱えられるんじゃないか。
そう思った。

それだけじゃない。

彼女の持つその強さに、僕はかっこいいと思った。
僕もそうやって生きたいと憧れた。

その瞬間、僕は気づいたんだと思う。
何の表現もなしに言うなら
あの子のことが好きだと。

気持ちは胸にしまったまま、関係は続いていく。

部活を引退するときには1枚の手紙をもらった。
そこにはたくさんの「感謝」が綴られていた。

こんな時でも、社交辞令かもと少し思ってしまう自分が嫌になるが、単純に部活が楽しい場所になったと書いてあって嬉しかった。

自分の行動は絶対とは言い切れないが、
間違ってなかったんだと思えた。

僕はまだ告白できていない。

秋のとある日、急にあることを思った。
そして一文、メッセージを送った。
一緒に帰らないか、と。

引退してから、本当に少しづつメッセージを送りあっていたので、その文を送ることにそこまでの怖さはなかった。

ただ、「断ってくれないかな」という少しの望みだけ残して。

断ってくれたら、きっぱりとあきらめがつくのにな、と。

でも、彼女は承諾してくれた。
帰りの駅までではあるが、一緒に帰ることが出来た。

何度も一緒に歩くたびに、自分の夢のために進んでいる姿を目の当たりにして、自分も力になりたいと思ったし、そのせいで変に空回りもした。

彼女はやっぱり、かわいくてかっこよかった。

告白はまだ、できていない。

3月の終わりごろ、僕は思い切ってデートに誘うことにした。
場所は水族館。

告白はその日。
そのつもりだ。

そう意気込んでいた。

誘って、断ってくれたらいいのにと望み、また受け入れてもらって、安堵する。
これも何回目だろうか。

個人的におしゃれさんだと思っている友人各所にたのんでふさわしい服を選んでもらった。
何度も了解のメッセージを確認した。

そして当日。
結果から言うと、僕は
告白をしなかった。

水族館までの道を歩いているときも色々な話をした。

後輩が2人いたうち、2年生の後輩が部活をやめてしまったこと。
ずっとあの子が取り組んでいた資格の結果。
そして、行きたい大学の事。

僕はあの子の夢の話を聞くのが好きだったし、それを心から応援していた。
もちろん、それは今も。

綺麗事を言うなら、
僕はまた、今までとおんなじことを考えていた。

自分が枷になる気がして、言わなかった。
僕は東京に向かう。
けれど、あの子はそことは全く別の土地の大学を目指している。

だから、言わなかった。

でも、もっと客観的に見るなら、
ただ、僕が怖気づいただけだ。

結局拒絶されてしまう未来しか見えなかった。
それが怖かった。
自分の事ばかり見て、手が伸ばせなかった。

だから、言わなかった。

あの子はどう思ったのだろうか。

僕たちはたくさんの話をしたと思う。
でも、あの子の好きなものは一つとして知らない。

好きな食べ物も好きな曲も。

結局、先輩後輩の枠から超えられなかったんじゃないかな。
と最近は考えている。

もしかしたら、全部僕の幻だったのかも、なんてことも。

今、あの子がどうしているのか、
聞こうと思えばいつでも聞けるのだが、それを聞けるほどの自信を自分は今持ち合わせていない。

それに、あの子にはあの子の生活があって、それを邪魔するようなことは僕には出来ない。

だから、この思いは胸に秘めて墓まで持っていくことにした。
墓まで持っていくつもりのものが多すぎるがそんなことは気にしない。

それに今の僕の課題が、この話らを通して、しっかりと見えてきた。

もう十分恋はしたので、とりあえず今はお腹いっぱいだ。

Emeraldなあの子は良いとして、
TopazとDiamondなあの子は、正直胸の奥で尾を引いているところもあるので、まずはそれを払拭しなくちゃな。

そういえば、水族館に一緒に行ったときに彼女からもらったものがある。

それは1本のペンで、赤、黒、シャープペンが合体している、多機能ボールペンというやつだ。

横には僕の名字が筆記体で彫ってあった。

もちろん今も、そのペンは使っている。
そのペンを使っていると、どこか温かさを感じられる気がして、純粋に嬉しかった。

この温かい雰囲気を、僕は忘れないように過ごしていきたい。



幕間②~とりあえず、さらけだす~

こんなモテない男が過去の恋愛を語ることほど見苦しいものはないと思う。

先ほどから読んでくれている皆様、本当に申し訳ない。

そして、今回モデルにさせていただいた3名の方々にはもしかしたら頭を下げることになるかもしれない。

特にEmeraldなお姉さんには。
何度も言うが、あの子は今彼氏持ちだ。

ここでウジウジ言っててもただの隅っこの僻みにしか聞こえないかもしれないが、今はそれでいいのかもしれない。

素直に、末永くお幸せにと祈っておくほかないだろう。

Topazのお姉さんは本当に連絡先を(僕は)持っていないので、あっちからアクションが無いとずっと関わりは切れたままにる。

そういうところの申し訳なさも含めて、心残りであるのが現状だ。

Diamondなお姉さんは今、まだ高校生でその生活を充実している最中なので、僕が取り入る隙は無いと思う。

もしかしたら、もう僕の事なんか忘れて生きているかもしれないし。
そして、それでいいと思ってる自分もいる。

まぁ、せっかくの誕生日だし、ちょこっとは僕のことを思いだしてほしいと思わなくもないけど(笑)

個人的にはみんないいところまで行ってると思うんですけどね。

僕に度胸があって、告白していたらどうなっていたのか気になるところではある。

けれど、過去に戻ることは出来ない。

もう彼女たちの話をこうやって文字に起こしたりすることは無いだろう。

たまに僕の心の内で何度もノックしては後悔させてくるので、忘れることはまだまだ難しい。

でもいつかは手放すから、それを今は許してほしい。

そしてEmeraldなお姉さんを含めて、絶対に幸せになってほしい。
それが、自分勝手ではあるが、今の僕の1つの願いだ。



しかたなく踊る

最近、人に感謝されることがふえた気がする。

それは、僕が根拠のない適当な優しさを振りまいているせいでもあるし、そのおかげで感謝をされているからだろう。

根拠のない、とはいったが、少しだけ期待しているものはある。

あのはなさかじいさんのように、良いことをすればそのぶんだけ帰ってくるんじゃないか、というモノだ。

ちなみに、この説が正しかったことはあんまりない。
打率が少ない、といえばいいのか。

いつか返ってきてほしいと思いながら、手伝ってると知ったら、彼らはどう思うのだろうか。

やっぱり、無償の愛なんて存在しないし、誰しも見返りを求めている気がする。

その願った見返りと実際に返ってきたものの差が大きいと喧嘩が生じたり別れてしまったりというものがあるんじゃないのか。

僕のように、人を手助けするときに、
「いつかこれが返ってくるんだよな~(ワクワク)」
と考えながらしてみてほしい。

すると、先が長すぎて、半ば消極的な気持ちでやることになるから。

消極的とは言っても、その願いに対して消極的なだけで、手伝いに関してはいたって真剣。

つまり、この方法は「≒ 無償の愛」に繋がる方法の一つなのだ!!

なんていうのは嘘で、結局自分はその分だけストレスも増えるし悩みも増える。

本当にひどいとき(主にバイト)は、周りの従業員もお客さんも含めてみんなを心の中で呪っているときだってある。

でも、「誰もやらないなら、僕がやったっていいじゃないか」って気持ちが働いて、手を貸してしまうことが多い。

こんなくそみたいな世界で仕方なく生きてる。
しょうがなく、踊っている。

いつか巡り巡って返ってくることを信じて。



幕間③~Tourmaline Sparkle~

誕生日はどこまでの人にとって特別なものなのかな。

いわゆる、子供時代は誕生日プレゼントがもらえるし、みんなから祝ってもらえるし嬉しいことづくめだ。

成人周辺になってくると、大したイベントでもなくなって、ちょっと特別な一日程度の認識になるだろう。

もっと年が行くと、誕生日が来るたびに、
「また年をとっちゃってやだなぁ」なんて言っている人も見かける。

年を重ねるにしたがって、だんだんと「楽しいイベント」だけでは収まらないものになっていくようだ。

去年のこの番外編か10月号でも話した気がするが、祝われるともちろん嬉しい。

自分の誕生日、覚えててくれたんだ~
とか思って。

覚えてくれているだけでこんなに嬉しいんだから、カップルのやつらはどれだけ幸福な時間を過ごしているんだ。

やっぱりそう考えると羨ましいな。

自分を見てくれる人がいるっていうか。
選ぶ選ばれないの話にも通じるところはあるけど。

自分独りでも、この幸福感を演出するためにはどうしたらいいのかしら。

とりあえず、家を飾り付けしてみるとか?

(これはイメージです)

うん、それっぽい。

でも、一人でこれをしてたらちょこっとひいちゃうかも(笑)

やっぱりケーキだけは用意しようか。

せっかくならプレゼントも用意してみよう。
まぁ今は欲しいもの思いつかないから、それはお預けだけど。

とにかくスパークルな感じを演出したい。

煌いている感じを。

そうしたら、輝かしい思い出としてステキな誕生日になるんじゃないだろうか。

いやぁ…誕生日が楽しみになってきたぞ。

あ、これを投稿するのは当日か。
そうだ。

もともと番外編のコンセプトは過去の僕が当日の僕にプレゼントを贈るってやつだったっけ。

そういえばまだ言ってなかったな。

誕生日おめでとう、僕。
これからもよろしく。

大好きだぞ!

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