オヤジギャグに関する考察と提言。
私ね、「オヤジギャグ」が大嫌いなんですね。
オヤジが、オヤジギャグを言い出すとね、舌打ちを100回くらい打って、ハゲ頭を盛大にひっぱたきたくなる思いを抑えるのが大変です。
オヤジギャグ。
Wikipediaの説明によると、
主に中高年層の男性が頻繁に使う、駄洒落や地口の要素をふんだんに含んだ安直なギャグのことである。
オヤジギャグは、単純でわかりやすく、安直なギャグであればあまりにも安直であればあるほど、意味がわかるのに笑えないというジレンマが聞き手に苦痛を与える場合がある。
思春期以前の特に男児はオヤジギャグを過剰なまでに好む傾向がある。つまらないギャグをオヤジギャグとくくり、嫌悪する傾向はオリジナリティのなさや安直さを嫌う若者に顕著で、特に10歳代から20歳代前半の若者はオヤジギャグに対して拒否反応を示すこともある。
特に嫌がられる特徴としては、
安直である
同じギャグを何度も言う
下世話である
の三点が最も指摘される。このうち、3の場合は倫理上問題のある場合があるが、1、2についてはそういったギャグが通用しなくなった時代を嘆く声もある。
とありますが、私が理解しているオヤジギャグは、ちょっと違うものです。
Wikipediaの説明だとね、ダジャレとか安直なギャグもオヤジギャグになりますが、そんなんはね、小さい子どもや小中高くらいのアホ男子たちも普通に口にします。
で、それが面白い時もいくらでもあります。
6歳位の女の子が、
「あるこ~!あるこ~!わたしはうんち~♪」
とかって歌っているのを聞いたら、面白くてしょうがないですから。
それは、別にオヤジギャグではないですよね?
そして、しょうもないダジャレだって、TPOによってはいくらでも面白くなりますし、私もtwitterでしょうもない言葉遊びを書いてたりします。全然。
ここで語りたい、私が嫌いな「オヤジギャグ」の定義はね、
・年齢や立場や役職や身分などによって、とある集団・人間関係において、優位な立場を持っている
・意識的、無意識的にしろ、その優位な立場を使って、笑わざるを得ない状況にしている
・そして、その発言が、純粋につまらない
という条件を持った時に成立するもののことを言います。
これを「狭義のオヤジギャグ」とでもしましょうか。
例えばね、50歳のオヤジが、家で嫁と娘3人の前で、「コーディネートはこーでねーとなw」って言って全員にシカトされるのは、狭義のオヤジギャグではなく、広義のオヤジギャグになります。
そこには、自分の立場を優位に使って無理やり笑わせるような関係性がないから。
そしてまた、ここで物凄く面白い逆を言って、「マジ、パパ、最高!!」って爆笑されるのも、広義のオヤジギャグになると言えるでしょう。
広義のオヤジギャグは、
・オヤジが言うダジャレ、ギャグ全般
・面白いか面白くないかは問わない
・言う方と聞く方の関係性も問わない
という性質があるように思うわけです。
私の言いたいニュアンスが伝わっていますでしょうか?
当然、今日、お話したいのは、「狭義のオヤジギャグ」についてです。
これまでの人生において、私も何度も何度も何度も、オヤジギャグを聞かされてきました。
大学の先輩だったり、会社の先輩、上司だったり、初対面に近い感じで空気を壊すのが微妙な人だったり。
オヤジギャグを頻発する人にある特徴は、「全然、笑いのセンスがない」ということと、「相手の反応が純粋なものであるかを全く見ていない」というところがありますね。
自分の言っているクソつまらないギャグによってもたらされている笑いが、笑いのセンスによって生まれているのではなく、「笑わないとしょうがない関係性があるから生まれている」ということに全く気づいていない。
それが悲劇的なケースとして出がちなのは、結婚式におけるオヤジのスピーチですね。
オヤジ側からすれば、普段の会社なんかの関係性と同等に考えて、「これはウケるに決っているぜ。ウッシッシw」と思っているギャグ等ですが、結婚式に参列している人の大半はそのオヤジとは何の関係もなく、義理で笑わなければならない義務もないですから、破滅的にスベリます。
披露宴会場は、暗黒の宇宙空間のように凍りつくわけですが、オヤジは何が起きたのかすらわからず、「ここ、笑うところなんですけどねw」とか言ってヘラヘラしても、さらに会場は暗黒冷凍度を増し、目を閉じれば、「ここは絶対的な無の空間。スピーチしているつまらないオヤジしかいないのね・・・。」ってことを思わざるを得ないくらいの静けさが広がります。
私はね、世の悲しきオヤジ達に言いたいわけです。
「おっさんよ。気づき給え。そなたに笑いのセンスはない。周りの女子や若手は笑っているけれど、面白いから笑っているのではなくて、笑わないと気まずいし、給料等の査定に響いたりするのがイヤだから、しょうがなくて笑っているんだよ!」ってことを。
そして、100歩譲って、しょうもない笑いを言うのはありだとしても、「全くウケていない現実をちゃんと見ろよ!」と。
だってさ、明らかに失笑じゃん。
100パー失笑じゃん?
私はね、オヤジがクソしょうもないオヤジギャグを言って、ダダスベリしているのを見ると、思わず笑っちゃうところがあるんですね。
スベリ倒していることに一切気づいていない、その滑稽具合に。
で、「プッッッw」って感じで吹くと、「ウケたw」って喜ぶオッサンが結構いるわけですよ。
ウケてねえよw
あんたが滑ったのがオモロイだけだよw
このね、「狭義のオヤジギャグ」が生まれる状況というのは、「セクハラ」や「パワハラ」が生まれる環境とも類似していますね。
自分の言動が認められ許されていると思われる現実は、あんたが立場的に上にいるから、安易に断ることが出来ない状況によって生まれていることが多々ある。
つまり、
・「自分の言動は面白い・セクハラじゃない・パワハラじゃない」という誤認と、
・「相手がその言動を本当はどう捉えているのか?」ってことを正確に認識していない誤認
によって、言われる側・聞かされる側の被害度とダメージはパワーを増します。
オヤジよ。
あんたの言動による反応は、あんた個人の魅力や質だけで生まれているのではなく、あんたが持っている立場・権力・権威によって生まれている可能性が非常に大きいことを省みることです。
で、あなたがどれだけしょうもないかを正確に伝えてくれる人は、あなたの周りには、ほとんどいないことも自覚すべき。
多分、立場が同等の同僚とか、学生時代の友人とか、奥さんくらいのものじゃないですか?
真摯に聞いたとして、ちゃんと応えてくれるのは。
私はね、寒いオヤジギャクを言う人でも、「おっさん、今日も安定してつまんないっすねw」とかって言える人は全然好きですし、いくらでも言って頂きたいと思ってるんですよ。
つまんないことが面白いから。
でも、「つまんない」ということを誰も言えない状況で、つまんないことを言うオヤジ、お前はダメだ!
加齢臭が致死量に至って、華麗にあの世に逝きますことを願っております♪
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