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読書感想 坂東眞砂子 狗神

坂東眞砂子さんの長編ホラー小説です。
2001年に天海祐希さん主演で映画化されています。20年以上前なのか…。
先に映画を見てから原作を読みました。
原作の方が全然面白かったです。

先日までkindleUnlimitedで読み放題になっていたので、うっわ懐かしい〜と思い再読しました。

高知県の山里に住む「犬神筋」の血筋、
坊之宮一族にまつわる物語です。
その集落では表面上は穏やかに暮らしていますが、誰も口には出さないものの、犬神筋の人間に対する差別が根付いているのです。


坊之宮の分家に住む41歳の美希は、恋も結婚も諦め、兄一家や母親と世帯を共にしながら慎ましく生活しています。

そんな中、姪が勤める地元の中学校に若い男性教師、晃が赴任します。

美希と晃は互いに惹かれ合い、年齢差を乗り越え結ばれるのですが、集落は狗神の影に怯え不穏な空気に包まれます。

物語の展開が早く、非常に引き込まれます。話の筋がしっかり通った、完成度の高い作品ですね。話の入りもオチも完璧です。そりゃあ映画化されますね。

主人公の女性の恋愛を軸に物語が進行するので、女性の性(さが)みたいなものがわりとなまなましくに描写されています。重苦しく、それでいてせつないような、不思議な気持ちになりますね。


坊之宮の血筋の女性は、犬神様をお祀りして、毎日お供えをして、一族の繁栄をお祈りしなければいけないのです。
一日も欠かさず、です。
大事にすれば一族は繁栄しますが、粗末に扱うと、犬神様はよそで悪さをするそうです。
こっわ……。 
そもそも犬神様は神様なのか??という疑念を抱いてしまいますね。
しかし実際のところ、そういう話はたびたび耳にすることありますよね。

前の職場の同僚から聞いた話です。
同僚が嫁いだ家は、本家を中心に分家がたくさん集まっているようなところだそうです。
そして、その一族の家には中を開けてはいけない箱みたいなもの?神様?が順番にまわってくるんですって。一年間、その神様を家で保管して、一年経ったら隣の家にまわすらしいです。 
しかも、一族が集まる集会?は、その箱を保管している家が準備しなくてはいけないんだとか。
ヒョエーっ!!!たいへん!!

よくよくきいたら、わりと私の家の近くでした……田舎あるあるですね。

読んでいただきありがとうございました。
皆様素適な週末を。





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