[詩]怖いのはいつだって、高い所にいると気づいた瞬間だ
高所恐怖症のわたしは、
高いところへ登れない
卒業文集に書いた将来の夢は高いところにあって、
見上げるだけで足がすくんでしまう
それでも
一段先だけを見つめて
一歩踏み出すことだけに全力をのせて
着実に踏みしめる
夜になると考える
落ちたら死んでしまいそうな所に家を建てて
朗らかな朝を迎えるわたしを
浴室の鏡にシャワーのしぶきが当たって
未来の幻想をみせる
幾度の夜も越えて、
わたしはここに立っている
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