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カウンセラーが実践する、お願いしないお願いの仕方

今回の記事はこんな方におすすめ!
☑️上手に相手と交渉をしたい
☑️断られないお願いの方法を知りたい

私たちは誰かの助け無しには生きていけません。

ですから、私たちは毎日誰かに「お願い」をし、助けを得て生きています。

そう考えると、「お願い」をする技術のうまさが問われるという事が想像出来るでしょう。

上手く「お願い」する事ができれば、それだけ他者の援助を受けられる可能性があがります。

つまり、生きやすくなるわけです。

何かを手伝って欲しい時、何かが欲しい時、
あるいは、ビジネスの場では、何かを買って欲しい時などが挙げられるかもしれません。

相手がその「お願い」を受け入れてくれるかどうかが、私達の生活に影響を及ぼすのです。

今回は、カウンセラーも実践する、断られる可能性の低い「お願い」の仕方を解説していきます。

そのコツは「お願いしないこと」です。


お願いをするから断られる

相手とコミュニケーションする時、常に選択権は相手にあります。

つまり、あなたの「お願い」を実行するか、しないか、それは相手が決める事なのです。

例えば、あなたが窓を開けて欲しい時の事を考えてください。

この様な場合、あなたは「窓を開けて」と相手に要求します。

この様な依頼を、相手が受け入れるかどうかは相手次第です。

つまり、相手は窓を開けない事も出来るし、開ける事も出来るわけです。

「お願い」に限った事ではありませんが、基本的に人は、相手の言いなりになる事を避けようとします。

「見るな!」と言われれば見たくなるし、「部屋を片付けなさい!」と指摘すれば、余計に部屋を散らかす物なのです。

では、相手が抵抗を示さない方法はないのでしょうか。

結論を言うと、あります。

それは、「相手に気づかれない」ようにお願いする事です。

あなたの真正面から、誰かが拳を振り上げて向かって来たとしましょう。

あなたが取る選択肢は、自分を防御するか、ひとまずその場から立ち去る事でしょう。

いずれにしても、殴られるという最悪の事態を回避する為に抵抗する機会が与えられます。

しかし、あなたの気がつかない後ろから思い切り拳を振り下ろされた場合、あなたには抵抗する術がありません。

殴られることを知らなければ、防御する事も出来ないのです。

この「不意打ち」は、コミュニケーションでも可能です。

つまり、あなたは真正面から「お願い」をする為、相手に抵抗の機会を与えているのです。

上手な「お願い」をしたいのであれば、相手が「お願いされている」と気づかない様に「お願い」をするべきなのです。

「お願い」されていることに気が付かなければ、相手は抵抗出来ません。

このコミュニケーションの「不意打ち」は、催眠療法の世界で発展してきた技術です。

では、具体的な方法を見てみましょう。

この項目を読んでくれませんか?

では、不意打ちで相手に「お願い」する方法を解説していきます。

先程と同様に、相手に窓を開けて欲しい場面を想定していきます。

相手に窓を開けて欲しければ、あなたはこう述べるべきです。

「この部屋暑くないですか?」

これは、逆に自分が言われた時を考えてみると分かりやすいかもしれません。

あなたが、相手に上記の様に質問された場合、どんな行動を取りますか?

おそらく、窓を開けるという行動を取るのではないでしょうか。

あるいは、冷たい水を渡す、クーラーの電源をつけるなどの行動を取るかもしれません。

いずれにしても、相手が涼しくなるよう配慮するのではないでしょうか。

しかし、もう一度文をみてください。

相手は一言も、それらの行動を促してはいません。

相手は質問しただけです。

純粋にこの質問に答えるならば、「暑いですね」あるいは「そうでもないです」といった返答をするのが、コミュニケーション的にはセオリーとなるでしょう。

ここがコミュニケーションの面白いところです。

つまり、人間は、質問は命令と捉えるのです。

思い返してみると、これはあなたも自然に行なっているコミュニケーションだと気がつくかもしれません。

あなたが誰かと外出中に、空腹を感じたとします。

多くの場合、あなたは「お腹空かない?」と相手に質問します。

これは、「何かを食べよう」というメッセージです。

この様に、質問することで、相手には気が付かれない命令、「お願い」をする事が出来るのです。

これを間接的なコミュニケーションといいます。

しかし、一番最初に述べた例では不十分な部分がありました。

こちらの目的は、窓を開けてもらう事。

しかし、相手には「冷たい水を持ってくる」といった他の選択肢も残されていました。

これでは、本来の目的を果たせない可能性もあるのです。

そこで、応用として一工夫加えてみます。

「この部屋暑くないですか?」と言いながら、窓を見るのです。

これで、相手にはより強力に「窓を開けてください」というメッセージが伝わるのです。

相手に「お願い」をする場合、「お願い」をしてはいけません。

質問するのです。

単純に疑問系にする方法もありますし、例に挙げた様に、自分の感じている事を相手に投げかけるという方法があります。

最後に少し例を挙げて、この項目を締めたいと思います。

例:自分の感じた事を相手に投げかける形

要 求:早く寝たい
お願い:「眠くない?」

要 求:話を聞いて欲しい
お願い:「ちゃんと聴いてる?」

要 求:休憩したい
お願い:「疲れない?」

例:単純な質問への変換

要 求:ご飯を食べたい
お願い:ご飯を食べない?

要 求:仕事を頼みたい
お願い:この仕事を頼んでもいい?

要 求: 物を買って欲しい
お願い:これを買ってくれない?

まとめ

カウンセラーとして効果的な言語表現を学んでいると、面白い事に気がつきます。

それは、多くの表現は、何気なしに私達が日頃から使用している言語パターンだという事です。

ただ一つの違いは、意図的にそれらのパターンを使うかどうかということだけです。

その為、言語パターンを身に付けるのはそれほど難しい事ではありません。

既に身につけている事を意識するだけで良いからです。

しかし、それによって得られる効果は絶大なのです。

今回紹介した、「お願い」の仕方も同様です。

今日からあなたは、自分の会話に意識を向ける事になるかもしれません。

そして、自然と今回紹介したパターンを使用していることに気がつきます。

そこまで来れば、あとは意識的に使用するだけです。

是非、生活に支障のない場面から練習してみると良いでしょう。

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