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映画やドラマやアニメの記事

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映画の魔法を巡る旅『This Magic Moment』

映画の魔法を巡る旅『This Magic Moment』

先日は、たびたびお邪魔させてもらってる、長野県上田市の上田映劇さんで、『This Magic Moment』の鑑賞をしてきました

日本各地の、南は沖縄から北は北海道まで、各地のミニシアターを監督のリム・カーウァイ氏が直接訪ね、館長やスタッフさんにインタビューを行い、映画館の歴史や成り立ち、そして溢れんばかりの思い入れを伺う、というドキュメンタリー映画です
上田映劇さんも、この映画に出演しているの

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上田映劇さんで『オスカー・ピーターソン』と『枯れ葉』の観賞会をしました

上田映劇さんで『オスカー・ピーターソン』と『枯れ葉』の観賞会をしました

以前よりちょくちょく出かけている、長野県上田市の、古い古い素敵な劇場『上田映劇』さんで観た映画2本の感想をまとめた記事を作りました
上田映劇さんについては、よろしければこちらの過去記事をご覧下さい

『オスカー・ピーターソン』

こちらの作品は、カナダ出身のジャズピアニスト、オスカー・ピーターソン氏の伝記映画です
ジャズというジャンルは好きだし聞くこともありますが、ジャズをBGMに採用してるアニメ

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誰も触れない二人だけの国 映画『王国(あるいはその家について)』感想/上田市トラゥム・ライゼ

誰も触れない二人だけの国 映画『王国(あるいはその家について)』感想/上田市トラゥム・ライゼ

長野県上田市の映画館、トラゥム・ライゼさんで、こちらの映画を鑑賞してきました

友人の一人娘の世話を頼まれていた女性が、その娘を川に突き落としたのは何故か? という心理をとことん突き詰めていく話です

登場人物は3人
娘を突き落とした女性、亜希
娘の母親で女性の幼なじみ、野土香
娘の父親で2人の女性の大学の先輩、直人

観賞する前は、この3人のそれぞれの視点から様々な情報が語られて、隠された真相が

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映画ドラえもん 『のび太の地球交響曲』感想と、ドラえもんとの付き合いについて

映画ドラえもん 『のび太の地球交響曲』感想と、ドラえもんとの付き合いについて

2024年の新作のドラえもんの映画を観てきました

ドラえもんの映画を映画館で鑑賞するのは、小学生の時以来です、本当に30年ぶりくらい
音楽をテーマにしたストーリーだと昨年の今頃に有識者さんからの情報で知っていたので、鑑賞するにあたり以下のタスクチェックをしようと決めてました

・公害レベルの騒音であるジャイアンの歌としずかちゃんのバイオリンに、これまでにない運用があってほしい
・音楽にまつわるひ

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映画感想『レオノールの脳内ヒプナゴジア』と『シャクラ』/上田映劇さん

映画感想『レオノールの脳内ヒプナゴジア』と『シャクラ』/上田映劇さん

先日は再び寒波が押し寄せ、氷雨が降る中でしたが、恒例の上田市上田映劇さんに、映画鑑賞にでかけてきました

会場には早めに入れたので、少し場内を見てまわりました
上田映劇さんは協賛会員に入ると、こうして座席に名前を表示してくれるそうです 自分もやろうか迷ってます

『レオノールの脳内ヒプナゴジア』

こちらは2022年のフィリピンの映画です
フィリピンの映画、というものにそもそも馴染みがなく、どんな

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坊やの旅の物語 映画『ボーはおそれている』感想

坊やの旅の物語 映画『ボーはおそれている』感想

コメディのつもりで作った、とのアリ・アスター監督のインタビュー記事や、相互のnoterさんの傘籤さんの記事を読んだ上で鑑賞したのですが
個人的にはこれは、ちゃんとしたホラーに見えました
人に恐怖をエンターテイメントとして与えることを目的にした映画、という意味の、ちゃんとしたホラー、です
アリ・アスター監督の前作『ミッドサマー』は、美しく明るい北欧の風景を描いているけど「これ…ホラーだよね…え? 気

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映画『ファースト・カウ』の感想/上田市トラゥム・ライゼ

映画『ファースト・カウ』の感想/上田市トラゥム・ライゼ

以前より、ちょくちょくお邪魔させて頂いてる、長野県上田市の映画館『上田映劇』さんのお隣の姉妹館『トラゥム・ライゼ』さんで、公開最終日に映画『ファースト・カウ』の鑑賞をしてきました

こちらの記事は、あまりネタバレに配慮していないばかりか、閲覧する方によっては苦手と感じる内容に言及している箇所があるので、大変申し訳ありませんが、お気をつけください

全体のざっくりした感想から

西部開拓時代オレゴン

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映画『哀れなるものたち』を観て考えたこと

映画『哀れなるものたち』を観て考えたこと

『哀れなるものたち』を鑑賞してきました

成人女性の身体に赤ん坊の脳を移植し、蘇生された人物が、何を感じて、考えて、生きる意味と喜びを見出だしたのか?
その軌跡を余すところなく見せてくれる映画です

冒頭に登場した“彼女”は、美しい顔立ちに似合わぬ乳幼児のような話し方と仕草だったのが、
みるみるうちに成長し、言葉は滑らかに洒落た表現を身につけ、自身の身体の“幸せになるところ”を発見し、それを素直に

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500円の映画と上田市ぶらぶら会

500円の映画と上田市ぶらぶら会

以前より、何度かお邪魔させて頂いてる長野県上田市の映画館、上田映劇さんと近隣の姉妹館であるトラゥム・ライゼさんに出かけてきました

今回の目当ては『ビー・ガン ショートストーリー』という、とても短い映画です

約15分の短編の映画で、ワンコイン(500円)で鑑賞ができる、とても面白い企画です
映画の内容は、荒れ地を彷徨う黒猫が、カカシ、ロボット、記憶を消したい女、イカサマつかいの悪魔と、次々と出会

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新年、海外アニメ映画まつり

新年、海外アニメ映画まつり

年明けから数えて初めての休日に、昨年末からちょいちょいお邪魔させてもらってる、長野県上田市の映画館、上田映劇さんに出かけ『ムーミンパパの思い出』と『ペルリンプスと秘密の森』を鑑賞してきました
こちらはその二本立ての感想になります

ムーミンパパの思い出

ムーミンの原作小説も、コミックも、絵本も、ほとんど読んだことはなく、かつてあったアニメのシリーズも拝見したことはなかったのですが
この映画におけ

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映画『VORTEX ヴォルテックス』感想と、上田映劇さんのイベントオープンダイアログへの参加

映画『VORTEX ヴォルテックス』感想と、上田映劇さんのイベントオープンダイアログへの参加

この映画はとても真摯に率直に、綺麗事や都合のよい救いなんかまったくないままに、一組の老夫婦が亡くなるまでの物語を描いています
死に瀕したふたりの老人が亡くなるまでの話、ほんとにそれだけを、執拗に精密に挑戦的なカメラワークで伝えていて、画面内の情報量の多さにくらくらしながら鑑賞しました
そこに描かれている事は誰の身にも訪れる“老いと死”であり、凄く身近で、己の身にも迫る問題だと言うのに、意識しないよ

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映画『キャロル』と『パトリシア・ハイスミスに恋して』感想

映画『キャロル』と『パトリシア・ハイスミスに恋して』感想

 あなたはすてきな人
 まるで天から落ちたよう

(女性同士の恋愛)を描いた映画の名作として知られる『キャロル』を長らく観たい観たいと思っていながら鑑賞ができていなかったのですが
『キャロル』の原作小説の作家であるパトリシア・ハイスミスのドキュメンタリー映画『パトリシア・ハイスミスに恋して』が公開され、それに合わせクリスマスの映画である『キャロル』が、先日お邪魔したばかりの上田映劇さんで上演して下

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映画『ロスト・キング~500年越しの運命』感想と、YouTubeおすすめ歴史解説動画チャンネルさん紹介

映画『ロスト・キング~500年越しの運命』感想と、YouTubeおすすめ歴史解説動画チャンネルさん紹介

先日、観たかった映画を映画館で3本まとめて観る、ということをやったんですが、こちらの映画はその3本目になります

シェイクスピア史劇でも著名な悪役として知られるリチャードⅢ世は、本当に王位を簒奪しイングランドに混乱を招いた悪王なのか? そして、彼の失われた遺骸は今もこの地に人知れず眠っているのではないか?

彼は悪役のレッテルを貼られた悲運の王のように感じる、だから彼を見つけたい、そしてその名誉を

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映画『理想郷』のとりとめのあまりない感想

映画『理想郷』のとりとめのあまりない感想

タイトルこそ“理想郷”ですが
何故このタイトルにしたのか分からない、しんどくて陰鬱で気が滅入る、村の事件と生活の話でした
でも、この映画はめちゃくちゃ好きです
ものを考えたり、以前から気になっていたことの考え直しのきっかけにもなった、ありがたい作品でした

しかし、映画に対して思うところが有りすぎて、あれもこれもと書き込んでいたら、感想のネタを陳列するようなとりとめのない文章になってしまいました

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