超短編小説「仲立ち天使」
お題:来年の喪失
仲立ち天使
時がたつのはなんとも早いものだ。何も成しえないまま、年末になってしまった。
年明けには高らかに目標を掲げるのに、折り返しの月になってもダラダラしている自分に気づき、そうして今、気が付けば11月が終わろうとしている。クリスマスの曲なんか流れちゃう街並み。俺は怠惰な自分と現実を受け止められないまま、ぼうっと当てもなく外をうろついている。
「さみぃ……」
ほうっと息を吐けば空気が白く濁る。何の気なしに口に出た自分の独り言にまた気分が落ち込む。ああ