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あなたへ。

改札を抜けて君はまた帰ってしまうー。

空元気を振り絞り、君に手を振り返す。

君の後ろ姿を眺める僕の背中はどれだけ小さく見えるのだろう。

「またね。」とか「すぐ会えるよ。」とか、言葉にはするけど、本当の言葉じゃない。


次の会う場所を決める時間や待ち合わせというイベントが楽しい、というカップルもいるらしい。
それはそれですごい楽しいとは思うけど、それ以上に「またね。」が苦しいと感じてしまう。そんな言葉を使わなくてもいいように、君と一緒にいられたらなと思った。

ある日、会う前に君の勝手さにイライラしてしまって、態度にも出てしまった。本当に申し訳ない。
よく考えてみれば、イレギュラーな仕事で身軽になれないことも分かる。ましてや上司と一緒。自分の好きに動けないことも分かる。

仕事終わりに合流して、君との思い出の街を少しだけでも一緒に歩けるかもと期待してしまった僕がいけなかったのだろう。
君の中には君の予定があって、僕の中には僕の予定があった。
ただその食い違いがあっただけ。
ごめんね。


なんでこんな僕と永くお付き合いをしてくれているのだろうと、君を見送った後の車内で考えてたよ。答えなんて見つからないんだけど。

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