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子どもにも、周囲への理解を促し柔軟性を身につけさせる(3)

①気持ちを切り替えられたらとにかく褒めて、できなかったら反省と共に次にどうすればよいかを一緒に考える

日常的に「長男の行動修正なしには周囲が感じる不快感は解消されない」と思うことがあり、直さなければ結果的に攻撃されやすい素地を作ってしまいかねないと思っている。

長男は、最終的「さっきはごめんなさい」と言えることでも、そこに到達するまでにかなりの時間がかかってしまう。この間、きちんと話し合えない状況になってしまうため、周囲は疲れ果てるし、嫌気がさすことも多い。

今までは単に時間の無駄でしょと言ったり、見放してもいた。付き合っていられないと普通の人なら思うと思う。それでも「激しさ」とか「感じたものが普通の人よりも増幅されやすい」という特徴があると知って、アプローチは変えるように意識した。

一番の問題は切り替えに時間がかかることなので、そこが短くなれば合格となる。それで出来たときはとにかく褒めて、昔より速くなった、切り替えられないときの「感情の激しさ」はずいぶん穏やかになっていると感想を伝えて、長男自身もそのほうが気分が良いのではないかということを問いかけるようにしている。

例えば、調べ物でパソコンを使うときは、画面が親に見える状態で使う約束をしているのだが、長男はこれを嫌がって頻繁にごねていた。気になるし信用されていないようで嫌だと言うのだが、他ならぬ長男が隠れてゲームをしていたからできたルールだ。

当初合意したのだから、嫌だからと言って勝手に破棄しようとしたら、相手がとても不快な気持ちになる。覗き込もうとされても文句は言えないだろう。だから、自分が嫌だなと思う気持ちになった時、本当に相手が理不尽なのか、自分が相手を不快にさせて招いた結果なのか、よく考えて、自分が気持ちを切り替えるしかないんじゃない?と問いかけている

別の例として、塾の宿題をやりたいから朝早起く起こしてくれと言われたのに、時間通りに起こせなくて10分~30分くらい遅れてしまった時、長男はこの世の終わりと言わんばかりに泣いて、よく1時間くらい時間を無駄にした。起こすのがたった10分遅れただけでもこうなってしまう。

こちらは起こしはするけど長男が1回で起きないので、気づいたら次の目覚ましまで寝てしまうことがある。むしろ起こしただけで感謝されたいくらいなのに、泣いて1時間も無駄にするなら起こさなければよかったと思ってしまう。本当に気が滅入ったし、迷惑極まりなかった。

長男は、宿題が終わらなかったらどうしようという不安に押し潰されてしまっていて、残り時間より、失った時間に捉われていた。同じコップの水半分を見ても、まだ半分もあると思えないのが、長男を小さい頃から見ていて感じることだった。

残りの時間でベストを尽くそうと気持ちを切り替えられるようになるのに1年くらいかかったと思う。

それでも最近は切り替えが上手になってきた。「まぁ30分遅れただけだし大丈夫か」とか、最近も長男が目覚ましより先に起きて、暗闇で時計を見て、「おかー、6:30だよ」と言うので、目覚ましをかけ忘れたのかと思ったらまだ5:30だった。

今までなら勘違いでも突っ伏して泣き始めるのが常だったのに、穏やかでニコニコしていた。すごいじゃないと誉めたし、やっぱりこの方がこちらも助かる。

先日は、寝る前に「できたらでいいから、5:30くらいに起こして」と自分からバッファーを設けて頼んできていた。なんだかすごいではないかと思って褒めたし、これなら自分で設定した目標みたいなものに縛られ過ぎずに済むし、相手への心理的負担も減る。何より、こんな風に言われると、こちらも頑張って長男が起きるまでは繰り返し起こしてやりたくなる。

家庭において長男を育てにくいと感じる時、大半がこういった気持ちの切り替えができずに、親が堪忍袋の緒が切れるケースがほとんどな気がする。

この辺りは長男に柔軟に行動修正できるようになってもらうことが一番ではないかと思っている。

(4)につづく