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長男の友達関係と、「幸せ」について(2)

自分の興味のあることを話すと恥をかく

長男に「最近どうよ?友達とは何話してるの?」と訊いてみた。案の定、「スポーツ」と返ってきた。それで、「もっと他の話もしたいとか、実際したことないの?あんたの興味があることを話してみたこととか?」と訊いたら、「あるけどさ、恥かくじゃん」と返ってきてしまった。

「恥をかくってどうしてよ?」と訊いてみたら、「何言ってるか分からないって言われるもん」とのことで、やっぱり苦い経験をしてしまっていたのだった。

「そんなので学校本当に楽しい?」と訊いたら、楽しいという程でもないけど、別に苦しくもないと返ってきた。「本当はどういう状態が良いの?」と訊いたら、「一番良いのは本読んでいられること。僕、図書の授業では成績トップになれるよ」と返ってきた。

因みに、図書の授業などない。通常の授業が退屈すぎて一人だけ本をずっと読んでいる長男にとって、これはどの教科でも低評価をもらってくるであろうことを暗に示唆している。

親が思ったよりも状況は複雑だった

長男は、母である私からあまり根掘り葉掘り聞かれるのは好きではないようで、自分の中では割り切っていたり、学校のことは家に持ち帰らず消去済みになっているので、私が話を聞きたそうにすると、「僕、複雑な話は苦手」と言って笑って逃げようとする。

でも聞くと、周りの子たちも成長していて、いろんな事を考えるし、人と違うということについて敏感に察しているようで、長男だけが授業を同じように受けていなくて、一人だけ本を読んだりゲームをしていること、それにも関わらず先生からさほど注意を受けていないことについて面白く思っていない子もいるようだった。それで先生がいないときに長男に聞こえるように「なんでお前だけ」と言う子がいるとのことだった。

これは、クラスの公平性という観点で担任の先生もバランスを取るのが難しいとされている点だった。先生は、実は、日本の標準教育が全員に同じ教育を実施するということについて、一長一短あることを認識されている。それで長男に対してだけではないけれど、こういった教育が合わない子に対する一定の理解がある。

長男は今、この先生の理解のおかげでなんとかなっている。誰かに後ろ指を指されても、先生だけは分かってくれているという思いがあることが大きいと、長男も認めている。

長男はさらに、「僕のこと悪いやつだと思ってる子がほとんどだと思う」と言った。「なぜ?」と訊いたら、今現在他の子と同じような行動が取れていないこと、あとは前年度、その当時の担任から叱責される姿を繰り返しみんなに見られたことで、どうしてもそれを見た子たちはその先生と同じような視点で自分を見てきてるんじゃないかと思うと話していた。

大丈夫なのか

それで苦しくないの?と訊いたら、苦しくないと言う。0~10で苦しさを表したら0.5なのだそうだ。長男のことをじろじろ見てきたり、「なんでお前だけ」と言ってくる子についても、無視すれば良いからと言っていた。これを言葉通り取って良いのかちょっと自信がない。スルー力が身についていると解釈して良いのなら良いのだが、まだまだ小学生だ。気をつけて見ておかないと体調の異変という形で出るかもしれないと危惧している。

現在の担任の先生にお友達との様子を訊いてみると、そこはあまり心配ないというか、休憩時間は普通に仲良く話している姿を見るし、本人が一人で本を読みたければ読むし、声を掛けて他の子を誘うと友達も付いてきてくれるしという感じのようだった。

そういえば今の時期は小学校の面談がある時期だ。ちょうど昨年の今頃の面談で言われたことを思い出した。当時の担任からは長男のやることなすこと全てが問題行動と言わんばかりに報告を受けていて、こんな状態だと友達は誰も寄ってこないのではないかと思って心配して質問していた。「これだと、この子、友達なんて一人もいませんよね?」と。

すると当時の担任から「いえ、ドラさんは人望だけはあります。いつも友達に囲まれています。学年のリーダーになるならドラさんしかいないよねと他の先生と話したことがあります」と言われ、全く解せなかったのを覚えている。今となっては聞き間違いだったかもしれないとまで思っている。

(3)につづく