子どもに「やめさせるか」「やらせるか」ではない第3の方法
自己肯定感を育てるために、子どもを認める大切さは十分理解している。でも、こんな時はどう認めたらいいのかわからない……というご相談が増えました。
その中から、今回はこんなお悩みです。
この
前々回の「子どもの集中力を邪魔する親の言葉かけとは?」で、親にとってやめさせたいことでも子どもの集中力を育むために、一緒に楽しみましょうと書いたので、悩まれたようですね。
みなさんなら、どうしますか?
「危ないから、すぐにやめさせるべき」
なのか
「自己肯定感を育てるために見守ったほうがいい」
のか。
悩みますね。今回は、「やめさせる」か「やらせる」かの二者択一ではない、もう1つの方法を考えます。まずは、NGマンガからチェックです。
■どこまで我が子を認めればいいのか?
やめさせたほうがいいのか?と迷いながらも一緒に楽しむことを選択したのに、周りから冷ややかな視線を送られてしまって、お父さん、いたたまれないですね。
子どもが楽しそうに夢中になることを親も一緒に認めて楽しむことは、とても大事なことです。そして、親が夢中になっている姿を見たときに、子どもの集中力が高まるのも確かです。
じゃあ、やっぱり、一緒にブロック投げたほうがいいの?と思われるかもしれませんね。
でもね、
幸せな人生を歩んでいくためには、「社会のルール」を教えていくことも大事なことです。
じゃあ、やっぱりやめさせたほうがいいの?
いえいえ、
「やめさせるか」「やらせるか」ではなく、第3の方法を考えてみましょう。OKマンガを見てみてください。
■子どもが夢中になった瞬間を見逃さない
OKマンガのお父さんは、
・ものを投げる楽しさを認められた
・でも、ブロックは投げないというルールも教えられた
2つのことができました。
つまり
「何を認めるのか」が大事なのです。
ブロックを投げることを認めるのは、やっぱり変ですよね。
当たったら怪我をさせてしまうし、みんなで使うものを壊してしまうのは、いけないことです。
でも、子どもが投げる楽しさに目覚めた瞬間を認めることは、とっても大切なこと。
やめさせる言葉ではなく、まずは「うまく投げられたね!」と認める言葉をかけましょう。最初に、「危ない!」とか「ああ、だめ……」というネガティブな発言をするとブロックに固執してしまうので、ひと言目が肝心です。
そして、投げる楽しさを思いっきり満喫するために、ブロックは投げるものではないことを伝えて、ボールに持ち変えて、存分に投げさせてあげてくださいね。
■二者択一にしばられないで
「やめさせるか」「やらせるか」の二者択一ではなく、ベターなものに置き換える。今回のマンガの場合はブロックではなく、ボールに置き換えました。これがポイントです。子どもを認めながら、ルールを教えていきましょう!
マンガ:とげとげ。
執筆:天野ひかり
上智大卒。テレビ局アナウンサーを経てフリーに。NHK「すくすく子育て」キャスターの経験を生かし、親子コミュニケーションアドバイザーとして 講演や企業セミナー講師を務める。子どもの自己肯定感を育てるため自身で立ち上げた「NPO法人親子コミュニケーションラボ」代表理事、一般社団 法人グローバルキッズアカデミー主席研究員。主な著書に『子どもが聴いてくれて話してくれる会話のコツ』(サンクチュアリ出版)や『賢い子を育てる 夫婦の会話』(あさ出版)などがある。