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バリスタの職業病

長い事バリスタをしていると、必ずと言っていいほど共通の病気や怪我があります。
それらを回避する為に、私達が日々している事、気をつけていること、解決方法を紹介します。


①手首の腱鞘炎

最初の時点で正しい位置でのタンパーの押し方を教えてもらってないバリスタ、もしくは我流で始めてしまってそのまま悪い癖を直せず、というバリスタに多い怪我です。
毎日10キロ以上コーヒービーンズを正しく真っ直ぐ押し続けるって凄い大変な労力です。
正しくは、手首は真っ直ぐにし、肘を軸にして身体の重さで押す、が正しいのですが、手首を曲げて押す癖がついてる人は痛み止めを飲み続けて働いてる人もいます。もちろん、そういう人は辞めていきます。

解決策
1.今現在手首を曲げてタンパーを握ってる方、今すぐにタンパーの押し方を肘から動かす推し方に変えてください。
2.オートマティックタンパーを導入してください。慣れれば手で押すよりも楽ですし、将来のバリスタの腱鞘炎のリスクが下がります。


②火傷

コーヒーマシンの清掃中など。よくあるのは昔のタイプのLa Marzoccoの短いスチームワンドに腕を当てて火傷してしまう事です。
忙しい時、両手がフルで動いているのでそこまで気を払えてなかったり、スチーマーの位置を中の方に戻してなかったりなど。私の腕もヤンキー顔負けの根性焼きの様になっていて、腕を出しているとどうしたの?!と100パーセント聞かれる汚い腕になります。

解決策
1.長袖を着る
2.スチームワンドが当たる位置に出しっぱなしにしておかない
3.火傷してしまった場合はビタミンcを多くとって傷を薄くしていくしかない


③高血圧

長年コーヒーを毎日飲んで、忙しいプレッシャーの中で働いた結果、経験のある30歳以上のシニアバリスタの80%は高血圧、高血圧予備軍です。
カフェインが高血圧に効くという論文もありますがし、労働環境からのストレスで高血圧にもなりますので、否定も出来ませんが、明らかに母数に対して高血圧のバリスタの数が多すぎると思います。
なので、バリスタ達は皆さんが思ってる以上に水を飲むようにお互い声を掛け合っています。
オーストラリア人は健康意識も高いので、必ずジムなど運動しているバリスタが多いです。

解決策
1.一日かけて水を大量に飲む
2.ジムなどに通ったりして運動をする
3.テイスティング以外コーヒーを飲まない、午後は飲まないなど必要最低限にする
4.高血圧にあったダイエットを取り入れる
5.喫煙者の場合は禁煙する


④脱水症状

上記の高血圧とも関係あるのですが、コーヒーでは水分補給はできません。その割に歩き回ったり、何時間も忙しく頭も身体も使っていると、脱水症状が出てきて頭痛や呼吸が速くなったりなどの症状が出てきます。この為もあるので、水を飲んでるかどうか声を掛け合って水を飲む事を忘れさせない様にします。

解決策
1.水を飲み忘れる時間をなくす
2.声を掛け合う
3,自分用のウォーターボトルを近くに置いておく


⑤足の痛み

バリスタだけでなく飲食系の人全員に言える事ですが、必ずクッション性の高い運動能力と安全性の高い靴を選んでください。
オーストラリアでも飲食従業員は必ず一年に一回靴を履き潰して買い替える時期があるので、自分にあった靴があればリピートして買っておくのも大事です。
一日中歩き回ったり立ってると、体力のない方は特に足の痛みと疲労で仕事後は何も出来なくなったりします。
必ず靴にはお金をかけてください。

解決策
1.良い靴を履く
2.出来れば休みの日のエクササイズにウォーキングなどをして体力をつける


⑥不眠

カフェインは12時間影響すると言われています。カフェインの取りすぎではなく、無理して毎日忙しい中で頭をフル回転させていると、必ずうまく寝れない、というバリスタがいます。そういうバリスタは大抵コーヒーを飲みすぎていたり、運動をしていないなど自制がうまく出来ていない様な人が多いです。
睡眠がうまく取れないと次の日もカフェインで誤魔化して労働したりなど悪循環になるだけなので、コーヒーを飲む時間は制限する、もしくは寝れる様になるまでカフェインを取らない、コーヒーを飲まずテイスティングを他のバリスタに任せるなど工夫が必要です。
ストレスがある場合は必ず自分にあったストレス解消法や運動する趣味を探すことも大事です。
不眠とストレスから鬱病になるバリスタもとても多いので、気をつけなければいけない項目です。


解決策
1.コーヒーを寝る時間の12時間前から飲まない、午前しか飲まないなど工夫する
2.水を一日かけて大量に飲む
3.自分に合った寝れるルーティンをしっかりと把握しておく。
4.運動など自分のストレスが解消出来るアクティビティを持つ



以上がよくあるバリスタで気をつけなければいけない事リストです。
一つでも当てはまる人は要注意です。
怪我や病気は仕事を辞めてしまう理由になります。
心も身体も健康でいれるように良く自分自身をモニタリングすることはとても大事です。

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