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「男の身だしなみ」入門 第3回 スーツ・ズボン編:『THE21』寄稿

※本記事は『THE21』 8月号(2015年)に掲載された日野江都子の寄稿記事からの転載です。

スマートさが表われるのは、下半身?

スボンの単体着用はダメ、ゼッタイ!

 夏真っ盛り、クールビズまっただ中の日本。ビジネスシーンでは、シャツにノータイ、ズボンという装いの方がほとんどでしょう。そんなときだからこそ、スーツの上着やジャケットを着用する時期には意識しないズボンの選び方・着方が、あなたの仕事への姿勢とビジネス力を無言で表わします。

 前回取りあげたスーツの上着は、それを着用するだけで正式さを表現し、ネクタイは襟元に存在感と隙のないキリリとした締まりを感じさせます。これらはビジネスシーンの装いにおける二大必須アイテム。それを外してしまうのですから、ズボンにかかってくるビジネスツールとしての責任は重大。

 そんな中で、最も注意すべき第1位は、ジャケットを着ずに、ズボンだけはいているケース。スーツのズボンは単品ではくように作られていません。上着と合わせて初めて完成形です。もし、上下別に着用しても良いものとして作られている場合でも、ズボンの単体着用は控えましょう。着用回数が上着よりも多くなるので、先に劣化してしまいます。上着とズボンの状態が違った時点で「スーツ(揃い)」とは言えなくなります。

 こうなるともう、ビジネスツールとして着用価値なし。スーツは上下どちらが汚れても、一緒にクリーニングに出し、劣化具合を常に一緒にするのも鉄則です。スーツ一着ダメにするよりも、単品で着用するズボンを数本用意したほうがよほど効率的なのです。

 足元の印象をつかさどる下半身には、その人の清潔感・スマートさ・理知的さ・機敏さ・バランス感覚が見事に反映されます。その上、ちょっとしたバランスのとり方で、脚長効果も得られます。

 ズボンの存在感が増すこの時期、写真にあるチェックポイントを確認し、有効なビジネスツールにできた人が、ビジネスに差をつけること間違いありません。

NG例


 ウエストに合わせ、丈の長いズボンを購入した方は、ワタリ(ズボンの幅)を必ず詰めてもらいましょう。丈だけお直ししたズボンは、幅が太いままです。脚を太く短く見せてしまいます。脚長効果には、幅の調整が必須です。

正しい例

写真撮影/まるやゆういち

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