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中年男性とアイドルと若い女性アーティストとライブハウスについての考察。

若い人は信じられないことだと思いますが15年ほど前まではライブハウスに中年男性はいませんでした。いるとしたら、それはアーティスト、バンドマンか音楽業界関係者です。ライブハウスは完全に若者が集う場でした。

時代が変わって現在、おそらく日本じゅうのライブハウスに中年男性が集います。決まって若い女性アーティストがお目当てです。今日はこの現象について考察してみます。

15年前と現在のライブハウスの違いは何か、それは地下アイドルの存在です。

全ての始まりはBiSです。BiSH!の前身のアイドルグループです。彼女たちは日常的にバンドがライブをしているライブハウスで、バンドと対バンで(他にライブハウスでパフォーマンスする地下アイドルはいないので当然ではありますが)出演してました。それがきっかけになり中年男性がライブハウスに集まり始めます。ここで一つ疑問が残ります。

なぜ若者ではなく中年男性なのか。

昔のアイドルファンと今のアイドルファンの最も大きな違いがこれです。仮説が一つあります。現在の中年男性はアイドルの全盛時代、松田聖子、中森明菜をはじめとする大メジャーアイドルの時代を知っています。当時のアイドルはテレビのアイドルで実際に会うことなど叶いません。当時10代だったアイドルファンが中年になって会えるアイドルの存在に気付いたんです。そして会いにライブハウスに通う。ではなぜ若者は今の地下アイドルに夢中にならないんでしょうか。

お金がかかるからです。

テレビアイドルはテレビを観ることでアイドルを楽しめます。消費することができます。ライブハウスに通うとなると金銭的にもですが時間的に物理的に大きな壁になります。これが地下アイドルに若者ではなく中年男性が目立つ理由です。

地下アイドルから全ての変化が始まりましたが、それは若い女性シンガーソングライター、若い女性ヴォーカルのバンドへとお客さんが流れて行きます。彼女たちもそんなお客さんに対してチェキをはじめとした「接客」などで応じる人も増えました。時代のキーワードは「接客」であることに気付きます。もちろん大半のアーティストはチェキはしませんし必要以上の接客もしません。「アイドル」ではなく「アーティスト」だと自覚的になってるからです。そしてもちろんそんな女性アーティストは「容姿」が重要視されるようになってきました。

中年男性がライブハウスに通うようになった理由は上記です。そしてそれはライブハウスをバンドをアーティストを大いに助けます。「推し」という文化も生まれました。アーティストを経済的に応援する文化です。そして元来「かわいいもの」が好きな若い女性ファンも増えました。ソーシャルメディアの浸透によって「かわいさ」、更にいうと「容姿」が祭り上げられるようになりました。そして若い女性は「容姿の優れた」女性アーティストは憧れの存在になります。

中年男性がライブハウスに通うようになったことでライブハウスシーンに革命が起きました。今現在もライブハウスシーン、そして音楽シーンに大きな影響を与え続けています。ここに書き記したことはその事象の極々一部に過ぎません。書き足らなかったことはまた次の機会に書いてみようと思います。

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