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センスとか地頭の良さとか人間力次第と言われて困っていた「質問力」の具体的な伸ばし方が、はじめてわかった

優れた傾聴はスポンジではなくトランポリンだ。

これ、僕の好きな言葉です。昔にnoteも書きました。

(詳しくはnoteを読んでほしいですが)トランポリンのような傾聴に、「質問力」は必須です。

また、営業・交渉・マネジメント・ファシリテーション・ブレスト・コーチング・1on1などなど、さまざまな領域においても「質問力」は大切だとされます。みなさんも見聞きしたことがあるのではないでしょうか。

ただ、この「質問力」ってのがやっかい。質問が大切ってのわかるんですが、その質の高い質問をするための技術・ノウハウが論理立てて語られることは少ないのです。

そんな中、質問の仕方が体系立てられている実にユニークなポジションのコミュニケーション実践本がありました。これです。

問いかけはここまでルールとメカニズムで説明できるのか、問いかけに必要な要素と工程がここまで分解できるのかと、驚きです。

ここまで理論的に説明されると、漠然とした道筋がクリアになります。こうなると俄然、この技術を習得し、磨く気持ちになれます。

先ほども言いましたが、問いかけの技術は、交渉・交渉・マネジメント・ファシリテーション・ブレスト・コーチング・1on1とあらゆる領域で横断的に使える、基本のキとなる技術です。

本書でも、問いかけの技術の必要性を以下のように述べています。

「自力」だけでなく「他力」を引き出せなくては、大きな仕事はできません。問いかけの技術を駆使することによって、周囲の人々の魅力と才能を引き出し、一人では生み出せないパフォーマンスを生み出すこと。これが、現代の最重要スキルのひとつなのです。

また、問いかけにより、チームの成果を引き出せた人への評価として、こんな賛辞を例にあげてます

「あの人と一緒に働くと、気持ちよく仕事ができる」
「あの人のチームだと、良い成果が出せる」
「あの人のもとでは、次々に良い人材が育っている」

ステキですよね。こう言われたい。

思うような反応が返ってこないのは、相手のやる気の問題ではないのです。思うように意見を引き出せないのは、相手の能力の問題ではないのです。

答えてくれないのは、答えにくいからです。相手のせいではなくこちら側の質問力の低さの問題なのです。

ドキッとしませんか?



ここからは、備忘録。一つづつでもいいから、意識して試していこう。

  • 問いかけの本質は、チームのポテンシャルを引き出す望ましい「反応」をねらって、どの未知数に、どのようにライトを当てるとよいか、「質問」を工夫すること。

    • 未知数とは「問い」であり、ライトの当て方は「問いかけ方」。問いかけ方により、相手の反応は別のものになる。反応とは、記憶の調査、記録の調査、知識の披露、情報の検索、価値観の内省、思考の停止、沈黙・謝罪など。

    • なるほど。どんな反応を引き出したいかという目的にそって、質問の内容を工夫すべきだよな。通り一辺倒の聞き方では、芸がなさすぎるね。自分が自覚している以上に、頭に浮かんだ質問を、無意識にそのまま投げかけている気がする

    • 問いかけは感情も強く刺激する諸刃の剣であること。±0ならまだ良いけど、マイナスの感情につながる質問を無自覚に多く投げかけ、マイナスの感情が蓄積されてしまっているかもしれないと常に自戒しよう

  • 問いかけの4つの基本定石は、①相手の個性を引き出し、こだわりを尊重する②適度に制約をかけ、考えるきっかけを作る③遊び心をくすぐり、答えたくなる仕掛けを施す④凝り固まった発想をほぐし、意外な発見を生み出す

    • ①…無能さを露呈させるような質問は何も生まない。問いかけを使って叱責するような質問は絶対にやめよう。反射的にそんな質問が口をついて出てこないように訓練しよう。なぜこうなったかではなく、次はどうしたらいいかをに問いを変換しよう。

    • ②…「無敗営業」の中にもある、質問の枕言葉に近しいものがあると思った。枕言葉とか制約とか手法は色々あれど、とにかくプレッシャーや防御心から相手を開放するような問いかけの仕方を意識しよう。いや、その前に、相手はプレッシャーや防御心があるかもしれないということを、まずは常に意識しよう。

  • 問いかけの工程は見立てる、組み立てる、投げかける

    • 見立てる時のガイドラインとなる4つの着眼点がすばらしい。

    • ①「何かの固定観念や特定の価値基準にとらわれていないか?」②「こだわりはどこにあるか?」③「チームメンバー間で手段や目的などこだわりのズレは発生していないか?」④「何かを我慢していないか?」

    • 相手を考えや価値観をゆさぶるような質問をするためには、そもそも相手のことを知らないといけないのが、対話の基本。なのにその相手の知り方は対話本には書いていないものだったりする。4つの着眼点は相手を知るためのMECEなガイドラインだなあ。

    • 「何かを評価する発言」「未定義の頻出ワード」に耳を傾けるとこの4つの着眼点に対する見立てにつながる。新しいチームや相手と会話する時には、特に大事な観点。未定義の頻出ワードには、手段の目的化や、とらわれている固定観念や前例が本当に潜んでいそう

    • 組み立てる時の質問への制約のかけ方は、①トピックを限定するか②形容詞を加えるか、③範囲を指定するか④答え方を指定するか

      • ①~のために、どんな○○が必要だと思いますか?

      • ②~を(例)楽しくするために、どんな○○が必要だと思いますか?

      • ③~を(例)3年で楽しくするために、どんな○○が必要だと思いますか_

      • ④~を(例)3年で楽しくするために、どんな○○が必要だと思うかを(例)一つだけ挙げるとすると?

    • こだわりをふかぼる時は、比較対照をもちだして何が違うかを問うのが効率的。(例)あの競合サービスの提供価値と、何が違うのですか?、何であるかを特定する時は、何でないかを特定するのが良いのと同じ考え方だ。さらになぜなのか?いつからなのか?とふかぼっていくとこだわり(=価値観や大切にしていること)の解像度があがる

    • こだわりをみつける時の自己紹介として最適な3問は、①その人自身について(出身地、趣味・興味のあることなど)②これまで最も働きがいを感じ、充実感を感じた仕事経験を一つ(&どんな中身で、なぜよい体験だったかを詳しく)③仕事上で一番大切にする価値観、 大切にしたいこと。この①~③だと聞いたことがあることをふと思い出した。

    • 仮定法を使ってとらわれをゆさぶる時のバリエーションは、①別の立場で考えてもらうか②制約をとっぱらって考えてもらうか③全く別の正解で考えてもらうか

      • ①(例)もし、あなたが競合他社だったら/経営陣だったら/ユーザーだったら~

      • ②(例)もし、予算が3倍になったら、納期が1か月伸ばせたら、失敗しても構わないとしたら~

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