さあ、奈良へ行こう!part2
「旅行はどこに行きたいの?」
と聞かれると、私は毎回「奈良に行きたいな~」と答える。年に一度は必ず奈良を訪れる。
奈良に行って何をするのかというと、それは仏像に会いに行くためだ。
きっかけはとても単純なのだけれど、JR東海のCM 『いま、ふたたびの奈良へ』を見て「仏像めっちゃかっこいいじゃん!!」と思ったことだった(CMの演出ももちろんかっこいい)。
↓YouTubeから見れます
いま、ふたたびの奈良へ-東大寺 2012年1月 – Bing video
そんなこんなで奈良通いが始まった。
まず最初に訪れたのは、東大寺だ。
東大寺といえば、修学旅行のド定番で、訪れたことのある方も多いのではないだろうか。
因みに、寺院を訪問する際に私なりのこだわりがある。それは、朝早い時間帯か、夕刻あたりに訪れることだ。
人が少ない時間帯に訪れると、静寂の中に天平の息吹が聞こえてくる。雑音も何もない。
その空間には、自分自身と仏様しか存在しない。時は止まったままだ。
その中で、ただひたすら祈るもよし、仏像を鑑賞するもよし、自分と向き合うのもよし。
とても贅沢な時間なので、ぜひおすすめしたい。
話を東大寺に戻そう。
東大寺には、南大門や金剛力士像、大仏殿などなどたくさんの魅力にあふれている。
が、東大寺に着いて、真っ先に向かったのは『戒壇院』だ(現在は保存修理中で、拝観できないのでご注意を)。
戒壇院は、日本に戒律(僧侶が守るべきルール・規範)を伝えた中国の僧・鑑真と深い関わりのある建物らしい。
なんでも、戒壇院では僧侶が仏への帰依を誓う「授戒」の儀式が行われていたとか。
その戒壇院に何があるのかというと、天平の至宝であり国宝に指定されている、四天王像だ(戒壇院の修理中は、東大寺ミュージアムにて拝観できる)。
4体を拝観すると分かるように、非常に厳しい表情をしている。
持国天と増長天は、口を結んだり大きく開けることによってその怒りを露にする一方、多聞天と広目天は怒りを内に秘めたように静かに佇んでいる。その表情はあまりにも写実的で、心の奥底まで見通されている心持になる。
四天王像は、何を見据えていらっしゃるのだろう。人間の愚かさに警鐘を鳴らしているのだろうか。立ちふさがる困難にどう立ち向かい、どのような未来を切り開いていくのかを静かに見守ってくださっているのだろうか。
いや、四天王像の前に立つと、もはや言葉なんてものは必要ない。その圧倒的な存在感の前に、ただ無心に祈るだけだ。
1300年の歴史に身を委ねれば、自分自身との対話の旅が奈良にはある。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?