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雨の日への「好き」を、一文で1000字以上の文章で書いてみた。

物語小説を書く練習、第二弾です。

今日のお題は、、、、
『700字以上の文章を、一文で書いてみる。』です。
結果1042字になりました。草です!w

すごく難しかったけど、文章ってこんなにも違いが出るものなんですね。
うまく使い分けられるようになりたいです。

タイトルは『雨の日は特別な日』。
それでレッツスタート!

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 ふと気づいたら雨が降り出していて、さっきまではしゃいでいた子供たちの声も聞こえなくなっていて、ただ落ちて跳ねる雨粒の音だけが規則的に響いて、それ以外の音はかき消えてしまっていて、世界から雨音以外の音が消えてしまったのではないだろうかと、もしくは自分と雨しか起きていなくって、それ以外のすべてが眠ってしまったのかもしれないと、本当にそれくらい静けさだけが、世界をしいんとさせていたものだから、なんだかぼくはすごく楽しくなってきて、もっと雨の音が聞きたくなって、窓をがらりと開けてベランダへ踏み出して、そう、思わず裸足で出てしまって、足の裏で水たまりを踏んづけて、思わずうひゃって思ったんだけど、そのくすぐったさが何だか気持ちよくて、このくすぐったさを知っているのはきっと世界でぼくだけだと確信したから、よし、このまま足だけシャワーだ!って決めて、そのまま窓縁に座り込んで足だけをひょいってベランダに投げ出して——ほら、やっぱり気持ちいい!! —— そのままぼくは足先に雨が当たるのを楽しみながら、ひょいと目を凝らして、ぼんやりと灰色の町を眺めてみると、まずキラキラと光る黒っぽいものがあって、それは隣の家の屋根の瓦が雨に濡れている様子で、そこから少し遠くを見やるとくすんだ緑がひっそりと広がっていて、それはいつも散歩しているモスフラワーの森で、雨に濡れた葉っぱと土のにおいが届いてくるようで、土が濡れているってことはきっとミミズが大喜びしているだろうから、あのいつだったか森で見つけたモグラのおばあさんもきっと今夜はごちそうだろうってことで、それはつまり彼女が、ほら、あのビロードみたいな体についている、真っ黒な瞳をお茶目にキラキラさせてるってことだから、その様子を思い浮かべると笑いがこみあげてきて、思わずのけぞってしまったんだけど、そしたらひさしで雨宿りしていたスズメと目が合って、お互いにお互いの存在にびっくりして、飛び上がってヘマをしちゃった——つまりぼくは水たまりにおしりをついちゃって、スズメはびゅーんって雨の中に飛び出した——でも飛び出してから雨が降ってるのを思い出したみたいで、大慌てで庭の野鳥用の巣箱に飛び込んで、うらめしげにこっちをにらんで、ほらくちばしをイライラしたようにカチカチって鳴らしている——、でもぼくだっておしりを濡らしちゃったんだからおあいこじゃないか、そう思ってほおをふくらませてみたけど、さっきのスズメのあわてぶりを思い出して思わず声を出して笑った。やっぱり雨の日は楽しい。




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