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令和3年行政書士合格体験記 ~今年合格に向けて今からでも間に合う?~

(1) 行政書士とは?

弁護士、司法書士、社労士などと並ぶ、8大士業の一つで、行政手続きの代理を得意とする法律家です。

行政書士が扱える書類の数は1万種類以上あり、その多くが身近な書類であることから「街の法律家」なんて呼ばれていたりします。ちなみに冒頭の花は「秋桜 コスモス」で、行政書士徽章のモチーフとなっています。

行政書士とは、行政書士法(昭和26年2月22日法律第4号)に基づく国家資格者で、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する許認可等の申請書類の作成並びに提出手続き代理、遺言書等の権利義務、事実証明書及び契約書の作成、行政不服申し立て手続き代理等を行います。

出典元:日本行政書士連合会

具体的な業務について少し解説します。大きく分けて2つの業務が存在します。

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行政書士イメージ

1 官公署に提出する許認可等の書類の作成並びに提出手続き代理

ex) 建設業許可申請、外国人の在留許可や帰化申請、飲食店営業許可、車庫証明、農地転用、会社の定款作成、給付金申請など

2 権利義務、事実証明及び契約書の作成とその代理・相談業務

ex) 遺言書作成、相続業務、内容証明郵便の作成など

行政へ提出する難しい書類を代行して書いて、提出しに行ってくれるいわば行政と住民の橋渡しを行っています。

おしごとはくぶつかん」というサイトにて子どもにもわかりやすく説明されているのでよかったらどうぞ( ^^) _

(2) 試験について

○資格について


行政書士試験は国家資格です。「行政書士試験センター」が運営する試験に通らないと行政書士として活動することはできません。試験に合格すると上述した業務の多くが士業独占業務として仕事ができます。ほかにも以下のような活躍ができます。

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行政書士合格証

・主に「独立開業」をして仕事ができます。取得者の多くは開業して事務所を開き、仕事をとっています。

他資格へチャレンジする足掛かりになる。憲法、民法、行政法などの法律知識が広く深く身につくため、同じような試験科目のある「司法書士試験」、「司法試験」、「予備試験」へステップアップする人も多いような気がします。

公務員試験を有利に戦える。憲法、民法、行政法はどの試験種でも出題されるほか、たいていが士業資格試験よりも易しいことが多いです。また一般知識も勉強するため、公務員を目指している人はとっておくとかなりお得な試験です。

就職に役に立つ? 独立開業向けの資格ではあるため、中途採用などで役に立つかはわかりませんが、公務員試験では役に立ちました。面接官も一番にくいつき、興味を持ってもらえました。また、難関資格取得までの努力の過程をアピールすることもできます。

○試験科目について

行政書士試験の科目は主に、憲法、民法、行政法、商法、会社法、一般知識だ。

行政書士試験試験科目

大きく分けて、法令系一般知識があります。
法令系はさらに5肢択一式多肢選択式、記述式に分かれています。

法令5肢択一はこんな感じです。40問程度

行政書士試験令和3年度 問題11

多肢選択式はこんな感じ 3問程度

行政書士試験令和3年 問題41

記述式はこんな感じです。40字程度で記入するものが3題。

行政書士試験令和3年 問題44

一般知識はこんな感じな問題が出ます。14問。
一般知識には政治経済分野、情報通信分野、文章理解の3分野があります。

行政書士試験令和3年 問題50

詳しくは 行政書士試験センターに掲載されている過去問をどうぞ。

令和3年行政書士試験問題

(3)今から受験検討しても間に合うのか?

結論から言うと、間に合わなくはないと思います。ただやはりその人の環境には依ると思います。大学生の方なら夏休みもありますし、十分時間はあります。会社員をされていても半年あれば合格されている方はいますが、4ヶ月強となると少々きついと感じるかもしれません。予備校にはたくさん4ヶ月で間に合うという講義がありますが、私自身かなり難しい試験だと感じたので、相当な集中力がないと難しいと思います。

一概に無理とも思いません。私は5月下旬から勉強を開始しましたが、勉強方法の模索やYoutubeで無料の法律講義を流し聞きしていただけで、本格的に活字を見て勉強し始めたのが、7月頭位くらいからだったからです。ふと、肢別過去問集をみてみると開始日はなんと去年の今日7月12日でした。そして勉強の履歴がこちら。

肢別過去問集の最初のページに記した 勉強の記録

行政書士は初学者で600~1000時間程度の勉強時間が必要といいます。今から後123日もあります。平日14時間、土日を返上すれば間に合わないことはないかと思います。私も大学の実験や授業と両立しながらなんとかその程度勉強して合格することができました。

間に合わなそうと思って、勉強をあきらめる必要はありません。仮に今年受からなくても勉強は早いうちに始めるに越したことはないです。短期間で受かったマウントをとる人が多数見受けられますが、そもそも半年で受かる必要なんてありません。数年かけて勉強している人もたくさんいます。本試験を体験できる貴重な機会ですから、合格に向けて勉強を開始しましょう。

もうすぐ申し込みが始まりますね!下記よりアクセスできます。

「行政書士試験令和4年度受験」

(4) 勉強過程

5月下旬から11月まで私が行ったの試験直前までの勉強過程を記します。

  • 5月勉強方法の模索

「民法がわかーる」のアザラシ先生のアニメーションで民法の物権、債権の概念をつかむ。

「ゆーき大学」の行政法の動画や憲法の動画などで概念をつかむ。

両方ともメンバーシップが主ですが、私は概念をつかむことにしかつかわなかったため無料の動画だけを参照しました。

民法の親族系などは行政書士棚田先生が運営する不動産大学の動画を見ました。こちらは無料です。

  • 6月過去問研究
    5月と同じく、動画をみて勉強しました。追加でLECのウォーク問題集を買ってきて、過去問の問われ方がどうなのか、どういう知識が必要なのかと考えることに時間を使いました。ところどころつまんで問題集を1周したと思います。

今年のはセパレートタイプなんですね。うらやましい。私の年のは憲法・民法・行政法とつながっていてかなり厚かったので、机に置くと開きにくいわ、目が近いわで勉強しにくかったです。(-_-)

  • 7月インプット
    ここから本格的に知識をインプットし始めました。使ったのは行政書士肢別過去問集です。出題は5肢択一式が多いのですが、その5肢を1肢ずつに区切って〇×の2択形式にした問題集です。5択とちがって消去法や感を使わずに、気軽に解けるため導入素材としてもとても良いです。最後までの相棒の1人目です。

1周するのにおよそ23日間(7/12~8/3)かかっていました。現在まだ1周もできていない人も大丈夫です。わからない肢があると随時、行政書士独学応援佐藤先生のチャンネルで解説を見ました。先生のチャンネル名と法律の単元を入力するとほとんど解説動画が出てきます。最後までの相棒2人目ですね。
佐藤先生の動画↓

  • 8月インプット・模試
    2週目からは肢別問題集に掲載されている問題がわかっているので、解くスピードが上がります。私も1週間程度で1できるようになりました。3周終えたのが、8月中旬位で、このときから先ほど紹介した実際の過去問であるLECウォーク問題集を少しずつ触り始めました。肢別本を回しながらだったので、1日30問とかにしていました。追加で、行政書士記述対策や一般知識対策の本も買いましたが、数問触れた程度でそこまで触りませんでした。そして記念すべき1つ目の模試を受けました。

LEC2021出る順行政書士の第1です。
合計得点170点 (記述抜き)
択一だけなら十分合格圏内かもしれない点数をとれました。
が、行政法が13/19で全然取れていなかったのと、一般知識が9/14と運がよかった、また記述がまったくかけなかったことを考慮するとつかの間の喜びであったことが分かりました。

8月までに自分が戦う知識を固めることが重要です。9月以降は新しい知識に手を出してはならない。現在入れている知識がぐらつくと取れる問題を落としかねないので、下手に広い知識を持つと危険です。特に模試の復習よりも過去問演習に力を入れたほうがいいと思います。

  • 9月復習・模試
    ひたすら、肢別問題集の回転です。問題を回すだけ、正解の肢を探すだけでなく、横に青文字で書いてある根拠までセットでインプットを行いました。これが記述式で問われるところだと思います。ここを押さえて、判例や条文の言い回しを覚えましょう。記述式試験に対応できると思います。さらに適宜、六法の条文にチェックを入れ、足りないところを補ったり、大事なところに線を引いたりします。

ここでいって申し訳ないですが、六法はケータイ行政書士六法を使っていました。これが相棒3人目ですね。相棒は以上です。

新しい知識に手を出すなといっていてなんですが、私はここで千問ノックも追加しました。文字が少なく読みやすいので、数周からでもこの時期から間に合うと思います。ウォーク問と肢別問題集の回転が追い付かないようなら、やらなくてもいいと思います。私も軽い気持ちで回していました。

  • 10月復習・模試
    ひたすら肢別問題集とウォーク問の復習です。早く試験が来てくれと思う一番つらい時期です。また、模試を毎週日曜日に受けていました。8月最終の週から合計11回受け終わりました。受けたのは市販模試4冊ですね!特に、会場で模試を受けたりはしませんでした。長くなるので使った教材一覧のところにまとめてURL貼っておきます。

  • 11月素読・最終確認
    肢別問題集やウォーク問題集の線を引いた個所や付箋を引いた個所を確認。また六法を素読を始めます。憲法・民法・行政法は3くらいは読みました。商法・会社法は読んでません。とにかく、知識の定着を図る。直前の暗記の力技も使う。気持ちが落ち着かない人用に、アガルート豊村先生が他試験用の問題で行政書士試験に出そうな問題を解説していた直前フェス動画があるのでそれを見たり、佐藤先生の講義動画を見たりしていました。

以上は私が行った勉強法です。
<告知>
単元別の勉強の工夫、模試や本試験の得点、勉強の継続のモチベーションや試験3時間で解ききるための、また集中するための工夫などはまた今度書こうと思います。

(5) 使った教材一覧

私が使ったすべての教材はこちらです。

合格までの教材

上から
・ケータイ行政書士用六法

・合格革命 肢別問題集

・LECウォーク問題集 法令編

・合格革命 千問ノック

・LECウォーク問題集 法令編
まちがって前年度のものも買っていたので割愛。

・LECウォーク問題集 一般知識編

・ケータイ行政書士 
使わなかった。いらないと思う。

・合格革命 行政書士基本テキスト
問題集のわからないところを辞書的に調べて使っていた。10月終わり位から知識の確認として1周くらい流し読みしたかも。

・行政書士試験用六方
いらないとおもう。割愛。過去の六法買うとかありえないです。ほんとに。

・公務員試験用 速攻の時事
一般知識対策に買った。結局読み切れなかった。

・出る順 行政書士記述対策
どのように聞かれているのかを確認して、問題集でどの知識がいるのかを判別できるようになるために使う。回転はいらない。暗記に走ってはダメ。

・あてるTAC模試

・合格革命模試

・うかる伊藤塾模試

・出る順模試

以上です。
これから、行政書士の出るところをまとめたり、勉強方法を投稿していこうと思うので、私の記事もよろしくお願いします。


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