見出し画像

道を説明できない

人に道を説明するのが苦手だ。

車に乗らないので何号線だとか何通りだとか全然分からない上に、店から出たらどっちから来たのかも見失ってしまうほど方向感覚もないときたもんだから東西南北で伝えることも難しい。

出て右、まっすぐ行って次の角を左、そういう風に説明されないといけないし、自分もその説明しかできない。


でも逆にこれはチャンスかもしれない。できない人の気持ちはできる人には理解できない。東西南北や道路の名前さえ分からない僕がいちばん「簡単化」に近い場所にいる。

それをふまえて普段何気なく通っている道を説明しようと思うと何番目の角だったのか、なんの店があったのか思い出せない。

僕らは想像以上に適当でも物事を進めていけるみたいだ。

家を出て右に進むとセブンイレブンがある。そこを左折してまっすぐ。3つ目の信号を右に曲がると○×ビルディングという4階建てのビルがあるから…

そういうことは意識しなくてもいつの間にか目的地に辿り着けるようになっているけれど、分かっていると道に迷った人を助けることができるし、その覚え方を身につけておけば初めての場所でも迷子になりにくくなる。


聞かれないと考えもしないことが「教える」という経験でどんどんクリアになって理解が深まっていく。

理解しているから新しい近道を発見できたり、今日は混んでるから違う道を選ぼうという発想ができる。

天才は頭では思いつかないような裏道を開拓していくのかもしれないけれど、凡庸だからこそ「優しさ」に近づけるのだろう。

恵まれたものがないからこそ持てる武器もある。
焦らず腐らずそこに目を向けていきたい。

[この記事の元になったツイート]


よかったら投げ銭感覚でサポートお願いします:-)