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回り回る、救う力。

いい曲やいいライブができるのは、複雑だけど悲しいことや悔しいことがあった時がほとんどだ。僕は幸せなことは見落とすくせに、不幸せはすぐ見つけ出す。

この曲は大きな地震があった時、自分に余裕がなくて募金をしている人のことを悪く言ったり、離れているからどうでもいいとひねくれていた時期があるからこそできた。

僕の好きなものや人を大事に思うことが、回り回って大きなものを救う力に変わるだろう。自分の好きを大切にすればいいんだよ。という曲だ。

そんなふうにリアルな体験と素直な気持ちが、歌を通して共感とか前に進む力に変わる。

でもどんなにいい曲が書けても、会場のお客さんを笑顔にできても、その裏で身近な人を傷つけていたりする。結局その1人に笑ってもらえないと心の穴は埋まらない。

そばにいる人さえ大切にできないのに、たくさんの人を喜ばせることなんて無理なんだと思っていた。

けどそうじゃないのかもしれない。

距離感を選べる関係の方が幸せは作りやすい。

近くにいない方が汚い部分は見えにくく「いい人」と簡単に思える。反対にちょっとした噂やマイナスな部分で悪いイメージを持ったりもするけど「違うな」と思えば離れてしまえばいい。

それが家族や恋人、職場や学校という狭い関係になると難しくなる。

別に離れればいいじゃんと思えるけど、そう簡単に割り切れないもので、嵐の中から救難船を見つけるみたいに摩擦の中で素直を探し回ることになる。

慣れてくると雑にもなってくる。包丁は慣れてきた頃がケガをしやすい。ライブもこなし始めたらおもしろくなくなる。人と人もそういう時期が一番あぶない。

お互いの状況、環境、体調、精神状態、少しずれれば歯車は引っかかる。それでも近くで過ごすというのは結構すごいことだと思うのだ。

いい歌が生まれる時、歌える時は特定の人や出来事を想っている。歌い終わった時あやまりたい、感謝しようなんて思えていたりする。

そばにいる人を大切に想うことが、たくさんの人を喜ばせることにつながっていて、遠い人の笑顔を作ろうとすることもまた、そばにいる人の笑顔に変わる。

「どちらが」じゃなく「どちらも」回り回って大きなものを救う力に変わるだろう。

歌を歌っていてよかった。
じゃなかったら僕は今よりもひどい人間だったと思うから。

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後藤大
「弱虫のままで理想に嘘をつかない」
音楽と文章を中心にものづくりをしています。

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