One≠All。1つの意見に振り回される人の末路

皆様、こんにちは!
このマガジンでは、クリティカルシンキングにフォーカスを当てて解説していきたいと思います。

特にコンサルの現場では、勝手な思い込みや偏見が身を滅ぼすことが少なくありません。常にファクトベースで動かなければならないことが分かっていても、人間は自分の都合のよいように情報を操作する生き物です。
自分がこの思考に陥っていないか、今一度自省するために、実例を用いて解説していきます。

コンサルから転職、日常生活まで活きますので、ぜひ色々と読んでみてください。

クリティカルシンキングの神髄は、Assumption(前提)が正しく設定されているか否かに尽きます。逆に、ロジカルシンキングができない、論理的思考力がない、提案に説得力がない方は、勝手なAssumptionを設定している可能性があります。

したがって、この記事ではAssumptionで陥りがちな内容を取り上げ、実例をもとに解説していきたいと思います。

記念すべき第一号は、One=Allです。言い換えると、1つの意見を全ての意見と思いこむことです。これは日常生活において最も多い間違ったAssumptionです。

私の例ですごくわかりやすいものがあります。高校時代、高校1年からほぼ3年間お付き合いしていた彼女の話です。
彼女は、私が仲良くする友達にも口を出す人でした。この人とはあまり深く付き合わないでほしいなどなど

高校3年時、H君という同級生と初めて同じクラスになりました。H君はとてもいい人で話しも面白く、今でこそ付き合いも続いています。
しかしながら、同じクラスになりたて当初はあまりよい関係性を築けていませんでした。

なぜなら、彼女に「H君はいい噂を聞かないから、仲良くしないで」と言われていたからです。別に鵜呑みにしていた訳ではありませんが、「いい噂を聞かない」という情報が、H君に話しかけるのをおっくうにしてしまい、あまり仲良くしようという気にしませんでした。
まさに、One=All。1人の意見を全員の総意のように捉え、H君を知る前から心に壁を作ってしまっていたのです。

しばらく経って、H君と仲良くなった後、私は彼女がなぜそう思ったのか、情報ソースを探りました。「女友達から、H君の悪口を聞いた」というのが原因でした。

なんと、彼女もOne=AllのAssumptionに振り回されていたのです。(もしかしたら彼女の仲良い3人グループがいたので、Three=Allかもしれませんが)
ダブルでOne=Allのバイアスをかけている訳ですから、複雑になる訳ですし、事実が捻じ曲げられて、「H君は悪い人かも」という勝手な前提に支配されていたのです。

蓋を開けば、一生付き合っていけるような親友を、間違った思い込みや偏見で除外しようとしていました。
H君の心が広かったからこそ最終的に仲良くなれましたが、H君自身も私が壁を作って、近付きづらい雰囲気を出していたことに気付いていたようです。危ない危ない。。

ちなみに、「H君は心の広い、いい人」「彼女は束縛して怪しからんヤツだ!」と思った方、これも私だけの意見で評価を下してしまっているので、まさにOne=Allです!笑
H君は実は最低で、めちゃくちゃ悪い人かもしれませんよ…
このように、1人の意見を全てと思いこむというバイアスは日常のどこにでも潜んでいます。

例えば、転職シーンで見てみましょう。
転職エージェントをしていて直面するのが、心の底から最もよいと思った企業をお勧めした際、「知り合いが行っていて、いい話を聞かない」と言われることです。

たしかにお知り合いの方の意見は何となく信頼したくなるものです。しかしながら、そのお知り合いの方が、あまり活躍できていなくて満足できていない可能性もあります。また、たまたまお知り合いの方と上司の相性が悪かったというだけの場合もあります。単純にカルチャーがフィットしなかっただけの可能性もあります。

客観的に見るとおかしいことに気付けるのですが、友人(One)の悪いという意見が、その会社の全て(All)と捉えてしまいがちです。

この例では、例えば弊社は10名以上内定を得ており、10名全員が満足しています。
1/4000名の意見か、10/4000名かの情報だけでも、統計的な確率論で信憑性が10倍あがります。それでも、友達の1つの意見を鵜呑みにしてしまうのが、One=Allの怖いところです。
ただ、私からすれば優先度は付けれますが、ファクトというにはまだ情報は不足していますが…

某大手ファームの戦略部門に内定された、過去支援した方も同様のバイアスをかけていました。というのも、「戦略部門といいつつ、IT保守が中心の面白くない案件ばかりやっている」という情報に振り回されて、やっとのことで内定を得たにも関わらず辞退しようとしていました。

↑この方です。
結局は説得に説得を重ねて入社されました。今でもたまに資料のレビューをしていますが、案件も純戦略系が多く、振り回されていた情報は単なる噂でしかなかったのです。ご本人も非常に楽しく仕事をされています。本当に行ってよかった。粘り強く押してくれてありがとうとお礼を言われます。

年齢も34歳の方ですので、これを逃すとコンサルに行くチャンスは一生こなかったかもしれません。一方続けるか悩んでいた事業会社は、力を付けた後に戻ることも十分あり得るはずです。
1つの情報を信じ切った場合、今より良くない未来が訪れていたことでしょう。。

また、外資系企業に多いのですが、対外的に従業員を大切にしているとしています。
このことから、志望する方々、内部の方々でさえも従業員にいい会社という評価をしており、人気企業です。
ですが、実態は従業員を平気でクビにするという会社は少なくありません。

このように目に見える1つの情報に振り回されず、
・情報のソースはどこなのか
・情報の信頼性はどれくらい高いのか
・事実に基づくものなのか
・誰かの推論や偏見が入っていないか
しっかりと見極めることが大切です。

でなければ、重要な機会を逸して、後に「あの選択をしていれば…」と後悔することになりかねません。人生は一度きりですので、一生ついて回る可能性があります。
私がH君に壁を作っていたように…

コンサルでよく言われるファクト(事実)ベースで話すというスキルを得るための一歩として、このようなGuess(推測)を捨てる所からスタートするのかもしれません。

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