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実現したい子どもの学び

今日は、学び円卓会議意見交換会に参加する予定。テーマは「私の実現したい子どもの学び、その理想の姿とは?」。この会に参加する前に、これまでの私の経験から印象的だった子どもの学びの姿を振り返って、自分の考えを整理しておこうと思う。


①自分のペースで学びに向かう姿

・私が教職大学院時代に支援に入った小学校高学年のクラスの児童。その児童は算数を苦手にしていて、それが理由で学校に来ることも嫌がっていた。その子は考えることが非常にゆっくりだった。しかし、粘り強く考えると、問題に向き合うことができた。一斉指導だと、自分が解き終わる前に答えの確認になってしまうため、自分は算数が苦手なのだという意識を抱えてしまっていたのだ。私はそのクラスの支援に入り、担任の先生と相談して、児童主体の授業構成に変えてもらった。授業は、自由にわからないことを聞くことができ、自分が取り組みたい問題に取り組むことができるように変化した。授業が変化したことによって、その子は問題に向き合う時間が多くなった。わからない問題は友達に聞きながら、自分で考えるときには一生懸命考えて、問題を解くことができるようになった。そのことによって、これまで苦手だった分数の計算ができるようになった。その子は、自分のペースで学ぶことができるようになったため、算数の苦手意識が軽減して学校に行くことが苦ではなくなったと私に手紙を書いてプレゼントしてくれた。このことから、自分のペースで学びに向かうことができ、わからないことを自由に聞くことができる環境をつくることで、子どもは学びに向かっていくのだということを強く感じた。


②学びを創造する姿

・中学校3年生社会科の授業時、男子生徒の説明する姿が印象的だった。私の授業では、その時間に達成する目標(学習問題)を設けて、生徒は目標を達成するために教科書などから調べたことを基にしながら、クラスメイトに説明するといった授業をしていた。その時の男子生徒は、教科書から調べた内容を説明するのではなく、そこから導かれるような身近な問題を具体例として挙げながら新しい物語を作るような形でクラスメイトに説明をしていた。回が進むごとに、その生徒はどのような例だったらわかりやすく面白くクラスメイトに伝えることができるか考えて、物語を構成するようになった。私はそのときに、教科書から離れてそのような発展的な学びを自ら作り出す生徒を目撃して目から鱗が落ちた。このことから、授業の中で創意工夫をする余地を残すことで、生徒はこちらが想像する以上のことを子どもはやってのけることができると感じた。


③心理的安全性が保障された環境で学ぶ姿

・最近パズルにはまった娘。最初は3ピースのものでも苦労していたが、一緒に取り組むことでパズルが出来上がった喜びを何度も経験し、とても楽しんでいる。今では30ピースのパズルも自分の力でできるようになった。この時に感じたことは、パズルを一緒にしてくれる存在(このときは親の私)、パズルが完成した時に分かち合える喜び・達成感、わからないときにサポートしてもらえる心理的安全性があることで、少しずつパズルをできるようになっていった。子どもは心理的安全性が保障された環境で、何度も何度もトライアンドエラーができる場面において、課題解決をしたときに感じる達成感によって、成長を繰り返ししていくのだと感じた。


結論 学びたいことをとことん学ぶことができる

これらのことから、私が実現したい子どもの学びとは、子ども自身が学びたいことをとことん学ぶことができること。そして、その学びによって、子ども自身が得られる喜びであったり、さらに学びを発展させたいという欲求が湧き出ること。これらのことを実現していきたい。そのためには、子どもが学びに向かうための試行錯誤できる時間や機会を確保すること。また、学びを支え合う仲間の存在や失敗しても大丈夫という心理的安全性を担保することが大切であると考える。

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