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六畳の部屋に
春のぬるい朝が来る
悠然とカーテンを透かすそれを
私は目を閉じたまま受け入れようと
何度かもがくけれど

朝 晴れた朝
綻びを浮かび上がらせる
曖昧な温度を持った朝
眠りと今日の狭間で
揺れる私を突き動かす 朝

タオルケットのほつれと
私の皮膚が争いながら
グルグル渦を巻いている
丸めた鳩尾に蠢く
闘志と血潮

六時三十分の目覚ましが鳴る
情緒と理性を吸い込んだ
肺が一気に膨らんで
朝と布団を蹴っ飛ばす

春のぬるい朝に
仁王立ちで立ち向かう時
私の足はしっかりと
今日という日を踏み締める

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