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【詩】いつの間にか


抜け出せ無いしそんな気力も無い世を渡る
行き先を失った群衆の中を掻き分ける様に進む
そんな自分も何処に向かっているのか解らない
塗り替えられて行く意志と離れ行く意識
力の無い言葉だけが弱々しく出てくる
どうしてこうなったのか誰も覚えていない
陽射しの当たらない朦朧とした日々が
知り得ない事情が有るのだろうと決め付ける


未だに私の元まで落ちて来る今日と云う日を
思い描いた歌を探してるけど見つから無い
繰り返し流れた涙と吐き出したかった思いは
大切な感覚と共に情けなく古くなって残る
空白の時が長過ぎたせいか一切が思い出せず
画面越しの彩りや望みに欲する侭に飲まれて行く
抑えきれなかった思いは緩やかに消失して仕舞う
道を迷って誤った選択をして行き場も無くなった


深く刺さった言葉は今でも傷を創る
朝に落ちた一粒の涙は大切な記憶が溢れた物
ぼんやりと薄れた夢の儚さは刹那に刻み
急速に進んで行く時の流れは物語を作った
響き渡る音楽も君から溢れ出た大切な記録
街角を抜ければ見えて来る空と風に乗る鳥
答えを知っているみたいに自由に飛んでいる
重なり行く遥か遠くの想いはいつも変わらない


大切を知ったらもっと大事にしようと思った
あの時見たどこかがここに或るならば
ここで生きる意味と成ってとても嬉しい
もっと苦楽を愉しみたいと試みたら
いつの間にか明日への兆しが近づいて来て
待ち侘びていた彼方を思い出す
心のどこかでまだ知りたいと願った
あの日あの時から変わる事はなかったんだ




 Consciousness that gently changes.






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