見出し画像

自尊心の低いあなたが本当に行うべきこと、行えること(後編)【脱・自己否定マニュアル】12.27改訂


はじめに

この記事単体でもわかりますが、一応これらの記事の続きです。
お時間があればご覧ください。


ぐら式自己効力感の高め方


まずおさらい。

ぐら式ではいわゆる自尊心を高める方法ではありません。
実体験として「巷で言われる自尊心の高め方」は根拠が薄いもしくは一人で行うべきではないものが多いという印象を持っているからです。


よく目にする「自分をホメてあげよう」、「ポジティブになろう」も認知行動療法として効果のあるものなのですが、
それを一人で行って自分のあらゆる行動を善とする他人に迷惑をかける程度のものまでも良しとする指摘されてもでも私ポジティブだからで開き直るという拗らせモンスターになる例をいくつか見てきましたのでオススメしません。
(自尊心の低い人は極端なことをしてしまう傾向があるので、認知行動療法をするなら客観的に見てくれる人間が必要だと思います。)


あと無理に自分をホメたりポジティブになろうとするのはかえって自尊心を下げやすいと思います。例えば、小学生レベルの問題が解けて自分スゴーイと褒めるのは自分をバカにしてるみたいでちょっと傷つく人もいるでしょう。それでいいのです。自分に合う療法を選べるのも自尊心を大事にしていると言える。


以上のことからぐら式は個人で高めにくい「自尊心」を一旦別のところに置いといて、そして「自分の力で高めることが可能な自己効力感」を上げることに注力します。


自己効力感とは自尊心とは似て非なるもので、

自己効力感(じここうりょくかん)またはセルフ・エフィカシー(self-efficacy)とは、自分がある状況において必要な行動をうまく遂行できると、自分の可能性を認知していること。

という概念です。

つまり、「自分のこと好きじゃないけど、好きになろう」は難しいので、
一旦「自分のこと好きじゃないけど、自分に能力はあると思う」を目指そう。という趣旨です。


自己効力感の高め方(手っ取り早く知りたい方はここからどうぞ)


自己効力感を提唱したカナダの心理学者バンデューラによると
自己効力感を高めるには4つの要因があるそうです。

1.直接的成功体験

まんま直接的な成功体験のことです。
例えばレシピ通りに料理が作れたなどの「やって、出来た」という成功体験は自己効力感を高めやすい。
そりゃそうだ。

2.代理的成功体験

自分に近い誰かや自分と境遇が似ている誰かの成功体験を知覚すると自己効力感が高まる。
自分も出来るかも」という感情のことです。

3.他者からの説得

他人からの「あなたなら出来るよ」なんていう説得も自己効力感を高めます。自己啓発書のような本から元気づけられても効果があるそうです。

4.生理的な要因

周囲の環境からの影響のことです。例えば快晴の時は自己効力感が高めですし、あなたがお酒を飲んで気分が高まるならそれも一時的な自己効力感アップの要因になるでしょう。


私たちが自分でどうにか出来る要因は1.直接的成功体験2.代理的成功体験ですね。
ここからはそれぞれに対する詳しいアプローチを考えていきます。


直接的成功体験へのアプローチ


直接的成功体験に注目する場合、「自己効力感の高め方」なんてタイトルの本はあまり役に立たないかもしれません。
そういう専門書は認知行動療法について書かれている場合がほとんどです。

ではどういうことをすればいいのか。

最初に取り組むべきはずばり

・運動
・掃除
・料理
・読書
・音読

です。

順を追って説明しましょう。


運動の効能


運動が与える自己効力感について

運動はとにかく「行動してすぐにわかりやすい結果が出る」という点で優れています。
例えば「運動による疲れ」は誰でも感じられる「運動の成果」です。
何日か続けると体力の向上も感じられるかもしれません。

これも肉体的なものなので自覚しやすい。何月か続けると体型の変化や筋肉の増量を感じられる。これも見た目に成果が出てわかりやすい。
とにかく「やればわかる形で結果が出る」ので自己効力感を高めやすいのです。


運動はハマると食事にも気を付けるようになったり、体調がよくなってくるので、他の方法を試す余裕が出てくるという効果も期待できます。
(逆に言うと不健康だと"自分のために何かすること"が億劫になります。)

運動の中でオススメは、ランニング筋トレ
外に出たくないなら踏み台昇降なんかもオススメです。

お金がある人はジムがおすすめ。行きさえすれば誰かが運動しているので「自分もやるか」ってなって続けやすいです。

学生だったりお金がない人は散歩自重トレがオススメ
ちょっと歩いてみたり、腕立てや腹筋でも大丈夫。
また公的ジムという選択肢もあります。

運動が嫌いだって方はワイヤレスイヤホンの購入もご検討ください。
音楽に集中しているうちに運動はかどってた、というの結構あります。)




掃除の効能


掃除の最大のメリットは、ずばり「最も手っ取り早く成果」がでます。
掃除すれば綺麗になりますから。


が、デメリットもあります。
「片づけてすぐキレイになるような汚さ」の人じゃないと効果が出ません。
逆に「どんだけ汚いんだ自分の部屋」と自覚してしまいさらに自尊心が低くなってしまうかも。
「この一角だけ綺麗に出来たら良しとしよう。」というやり方もあるのですが、これを受け入れるのにも一定の高さの自尊心が要る。(経験談)

あなたの部屋が結構キレイ(20分程度でなんとかなるレベル)ならば掃除がオススメです。
そうではないなら一旦置いときましょう。
自己効力感が上がると必ず掃除も出来るようになります。



料理の効能


料理が出来る設備があるなら料理もオススメです。
私も精神が落ちかけるとよく料理をしました。

料理は実はタスク管理の良い練習(工程とその進捗の管理練習)になっていて、認知機能の改善にも効果が期待できます。

自尊心の低い方は、他人との会話が少ない傾向があったり、自己卑下で多くストレスを受ける傾向があったりで、認知機能(脳の機能)が下がる傾向があると思います。
実はあなたの自尊心が低い原因は「前より脳の働きが鈍くなった」からかもしれません。料理や後述の音読でその改善が期待できます。

食べてくれる人がいるなら、料理を褒められることで自尊心の回復を期待出来ますし、いなくても美味しいものが作れたなら多少は自分に満足出来るでしょう。

必ずしも難しい料理じゃなくても、「ごはんがおいしく炊けた」でも「美味しく紅茶を作れた」も料理のうちに入ります。


人によっては今からでも出来る自己効力感を高められる行動ですので是非お試しください。





読書の効能


"知ること"って自己効力感を高めるんですよ。


(余談なので読み飛ばしてもいいです。)

ざっくりしすぎですね。詳しく説明します。
自尊心の低い方って得体の知れない恐怖に怯えています。
それは将来への不安だったり、社会からの目だったり、自己への否定感だったりが複雑に絡み合った物なのですが、それはっきり言うと想像上の恐怖なんです。

考えうる中で最悪のケースを想像して、自分にそれを対処する能力がないと思い込んでいる。
これを自尊心を高める方向に持っていくと、
最悪のケースに対処できるスーパー人間になる以外のゴールしかないので、

ゴールを動かします

つまり情報が少ないから最悪な想像するので、知識をつけて問題を正しく認識し、正しい対処法を身につけます。

あか」という情報だけしかなかったら「」→「殺人事件」→「私がやられる…」とまで連想する人がいるかもしれませんが、
あか」「くだもの」「長野」「青森」とまで出されたら9割それは「りんご」だと確定するでしょう。

変な例でわかりにくいかもしれませんが、想像上の不安現実的な知識で上書きすることで「それぐらいなら自分でも対処できるかも」となりますよね、ということです。

(余談ここまで)


読書の効能はまず本を読む行為そのものが自分のための行為ということが大きいです。
勉強のためでも気を晴らすためでもそれは自分に利益がある行動なのです。
それを"自分で選んでいる"という認識がまず利点。

あと紙でも電子書籍でも自分がどれだけ(何ページ)読むことができたかというのがわかりやすく、「やって、できた」が体感しやすい。

なによりコスパがいい
得られる知識やワクワクに対して値段が安い。
なんなら図書館もあるしね。

飽きにくい。あらゆる種類の本を読書とひとつの趣味にまとめられる。
メリットありすぎ、つよい。

知識系の本ならそれは得られた知識の分だけ自己効力感を高められることが出来るでしょう。それを誰かに披露して承認を得る機会も増えるかもしれない。
また勇気のある人は、自分の状態や現状について知れる専門書に挑戦してみてもいいでしょう。
自分の現状を正しく認識出来たり、打破する方法を知ることはものすごく自己効力感が高まります。

物語系の本もいいでしょう。読みやすいものが多くページを進めやすい(これめちゃくちゃ大事です。)というのはもちろん、
自分と境遇が似ているキャラクターに出会って元気が出たり、他の人と語りたくなってしまって外向的になるきっかけになったりするでしょう。


また代理的成功体験にもつながります。

代理的成功体験
自分に近い誰かや自分と境遇が似ている誰かの成功体験を知覚すると自己効力感が高まる。
自分も出来るかも」という感情のことです。

自分と似た境遇の偉人や、今を生きている人の伝記を読むことでこの代理的成功体験を得ることができます。
(周りにそういった人間がいない場合、本や映画などが数少ない代理的成功体験を得る手段です。)

読書はいいぞ。

読書にあまりなじみがない方は絵本がおすすめです。馬鹿にしているのではなく、読書という習慣をつけるのに短くてしかも絵がついてて理解しやすい絵本は本当に向いています。

絵本はちょっと…という方にはラノベがおすすめ。いや、ほんと。読みやすい文体ですし、話も理解しやすいです。短編集的なものだともっとよみやすいかも知れません。




音読の効能


子どものころやりましたよね。音読。
音読の効能は意外と高いです。


音読は
・文字を読む
・それを声にする(出す)
・声に出しつつ文章の意味を理解する

と同時に頭の様々な部分を働かすため、脳のトレーニングとして効果が高く認知機能の改善が期待できます。

また声を出すので、自尊心低い人あるあるのひとつ「自分の声・滑舌に自信がない」の改善にもつながります。
最初はのど声しか出せないと思いますが、だんだんとお腹から声が出せるようになります。
それも一種の「やって、できた」なので自己効力感が高まるでしょう。

読む本は圧倒的に短編集がおすすめです。


段に分かれているので区切りがつけやすい徒然草(現代語訳の方)

これも章に分かれていて物語がわかりやすいおくのほそ道




以上が私が考える"最初に行うべき自己効力感へのアプローチ"です。


まずはどれかひとつ


紹介したすべてを行う必要はありません。
いや、必ず最初の1・2ヶ月はどれかひとつのみしかやってはいけません。

全てを一気に行えるようになるのは無理です。
少しずつ変わっていきましょう。

また、どれかひとつを選んだとしても
無理な量を設定しない
・毎日やろうと思わない
ということには注意してください。

例えば運動なら毎日10キロとか、読書なら1日1冊とか初心者が設定しても無理です。
また、この記事もしかりですが、入門書の「初心者向けメニュー例」がまったく初心者に適していないというのは(本当に)多々ありますので「どんなに疲れていても行える量」を設定してください。


自尊心の低い人間は"今まで"を取り返そうとして無理なことを自分に課す傾向があります。そして案の定出来なくてまた自分を嫌いになるのです。

あなたがこの記事を見て「自己効力感は高められる」ことを知り、そのための行動をしたいと決意したならもういくつか伝えなければいけないことがあります。


この考え方を基にした習慣法の記事を書きました。

どうぞ

2019.12.27 ぐら

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?