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結果と育成の両立【#15】

ウェールズ1部リーグ(育成年代)では毎週日曜日にリーグ戦が行われる。育成年代といってもFoudation Phase(U8〜U11)、Youth Phase(U12〜U16)、Development Phase(U19)の3つのフェーズに分かれている。

Youth PhaseとDevelopment Phaseからは順位や結果が出るようになっているが、Foundation Phaseでは選手たちが純粋にサッカーというスポーツを楽しむことを目的として試合の結果は記録されない。

私が監督を務めているU12とアシスタントコーチとして指導しているU16は、選手の能力を伸ばすことを第一としながらもリーグの順位や試合の結果がある程度求められる年代である。そしてこの育成と結果のバランスが指導者として非常に難しい。

FAWが定めている『50%ルール』というのも指導者の采配する力が試されるルールとなっている。この50%ルールはクラブに所属する全選手は1年間の公式戦の試合時間のうち、1人あたり50%以上のプレー時間を確保しなければいけないというものだ。例えば、60分/試合(30分ハーフ)が10試合あったとすると、全ての選手が300分以上プレーしなければいけないということになる。これは全選手にしっかりとプレー時間を与えて選手を育成しましょうというFAWの方針に基づいたものである。

ただ、この50%ルールは指導者にとっては非常に扱いが難しいルールとなっている。例えば、GKが2人チームにいたとしたら正GKも50%しか出ることができないので、前半正GKがプレーして後半はサブGKがプレーする必要が出てくる。もしくは正GKが1試合丸々プレーした場合、他の試合でサブGKが丸々1試合プレーしなければならない。そのため、チーム全体の底上げと選手のローテーションも含めて指導者の力量が試されている。

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