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「ネズミ」・・・夜中に枕元を駆け巡るのは、超ショート怪談。


「ネズミ」


僕は今年で小学4年生。
お父さんが出張で留守になっても、お母さんの布団に
潜り込んだりしない。
僕は男だ。一人でもしっかりして、家とママを守らなくっちゃいけないんだ。
でも、そんな時に限って変な音が聞こえる。

「サラサラ。パンパン。チューチューって
真夜中に変な音が毎日続くんだよ。何だろう」

僕は霊感があるという3組のタケシ君に聞いてみた。

「それは、きっとネズミの霊だな。お前を狙ってるんだよ」

「え~、やだ~。僕は家を守らなくっちゃいけないんだ。
タケシ君、何か方法は無いの」

「よし。じゃあ、ネズミ霊退治をしてみるか」

タケシ君は誰にも言うなと念を押して、除霊の方法を教えてくれた。

「ちょっと残酷な感じだけど、この方法が一番効くんだ」

そう言われて、僕はこれは真剣にやらないといけないな、と思った。

その日の夜。お母さんに見つからないように家を出て
小学校の裏の林に行き、ネズミを描いた絵を画鋲で木に貼りつけた。
そして、教えられた呪文を唱えて、
描いたネズミの首をチョキンとハサミで切った。

翌日、隣のおじさんが、交通事故で死んだ。
首が体から離れてしまうほど大きな事故だったらしい。

しばらくして、お父さんが出張から帰って来た。
僕は胸を張って言った。

「僕、しっかりと家とママを守ったよ」


          おわり



*よ~く考えてみてください。



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