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ストレスがかかると眠たくなる

「森崎書店の日々」という本を読んでいる。
主人公の貴子さんは、とある事情で一度人生を休憩することになり、叔父の経営する古本屋で店番をしながら、その上の住居に居候することになる。

貴子さんは、店番をしているとき以外はこんこんと眠りつづけるんだけれど、心に傷を負ったことで防御反応として殻の中に籠ろうとしているという描写があった。

ぼく自身も、強いストレスがかかると眠たくなってしまう。本を読みながら、その時のことを思い出した。

家の引越し。店の独立。妻の産後鬱。いろいろなことが重なってしまい、僕自身も壊れてしまった。

営業が終わった後に家に帰ろうとすると、途端に身体が動かなくなってしまう。妻の顔を見ると苦しくなる。悪循環が続き、ある時から布団から起き上がれなくなってしまった。

あのときは1カ月ほどひたすらに眠り続けた。その間、家族と顔を合わせたり、食事をちゃんととっていたのかが思い出せない。ただまどろんで、起きたらスマホの小さな画面でネットで小説を読み続けた。

あれはほんとに防御反応そのものだったなあと思う。あれから8年たつけれど、今でも季節の変り目や体調が不安定なときは動けなくなってしまう。
ストレスがかかると不眠になる人の話はよく聞くけれど、僕には眠り続けてしまうほうがリアルだったりする。
ぼくにとって、睡眠と読書は心のシェルターみたいなものなのだと思う。

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