中国と台湾
昨今、ニュースで話題になっている台湾問題。
「一体なにをそんなに揉めているのか?」
台湾の歴史的経緯を追って、なるべく分かりやすく解説してみます😄
1.清国に統治された台湾
1644年に当時中国を支配していた明に代わり、新たに中国を統一したのは清でした。
新興国であった清に不満を抱く者たちは、明の復興を掲げ清への抵抗を続けました。
清への反抗勢力の拠点となったのが台湾島でした。
清は反対勢力鎮圧に乗り出し、1683年に台湾は制圧され、清の統治下となりました。
2.日本の統治、そして領有権放棄
1894年から始まった日清戦争。
日本側の勝利により、台湾は1895年に清国から大日本帝国に割譲されました。
しかし第二次世界大戦での敗北により、日本は台湾の領有権を放棄します。
3.戦後の中国
第二次世界大戦では戦勝国となった中国。
当時の中国政府は共産党ではなく、蒋介石(しょうかいせき)率いる国民党でした。
そして国名は中華人民共和国ではなく、中華民国でした。
蒋介石率いる国民党は、日本の台湾の領有権放棄をもって中国本土及び台湾は中華民国の領土であるとしました。
4.国共内戦
当時の中国は、国民党と共産党2つの勢力が覇権を争っていました。
国民党はアメリカ型の国家建設を掲げ、共産党はソ連型の国家建設を掲げていました。
反りが合うわけがありませんね😓
第二次世界大戦中は日本という敵を前に協調路線をとりましたが、戦後は再び対立し内戦へと突入します。
その内戦を制したのは共産党。
1949年に中華人民共和国の成立を宣言します。
今日の我々が知る中国の誕生です。
内戦に敗れた蒋介石率いる国民党は、台湾へ逃げ延びます。
そして国民党統治のもと、台湾は民主化への道をたどります。
5.台湾は誰のもの?
台湾へ逃げ延びた国民党は、「今までは中国本土及び台湾を領有していたが、内戦に敗れたため中国本土の領有を放棄する」と言います。
中国本土の領有権を放棄しただけで、台湾は従来通り国民党率いる中華民国のものだと主張します。
一方「1つの中国」を掲げる共産党は、
「台湾も含め1つの中国であり、よって台湾は中華人民共和国のものだ」「台湾は中華民国に不法占拠されている」と主張しています。
また、戦後に日本が領有権を放棄しましたが、その際に返還先が明記されていなかったことも揉める一因となっています。
これをもって、
「未だ台湾の返還先は決まっていない」
「事実上の独立国として承認すべきでは?」
などという意見も出てきています。
因みに現在の台湾の総統は、正確には「中華民国総統」と呼びます。
台湾側は、中華民国が正統だと主張しています。
これが昨今のニュースで取り上げられている台湾問題の概略になります。
概略といっても、今回は歴史的な問題のみ取り上げました。
国境紛争や領有権をめぐる対立には民族的なアイデンティティだけでなく、経済的な思惑が絡んでくることは言うまでもありません。
それを語ると長くなってしまうので、今回は経済的な話は割愛します🙏
かつて清国に組み込まれながらも、民主主義という中国本土とは異なる歴史を歩んだ台湾。
今後どのようになっていくのでしょう
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