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深淵という無意識をのぞきこむと「戻ってこれなくなる」

ドイツの哲学者フリードリヒ・ニーチェ(1844年~1900年)は、著作『善悪の彼岸』146節の中で、以下の言葉を残している。

“Beware that, when fighting monsters, you yourself do not become a monster… for when you gaze long into the abyss. The abyss gazes also into you.”
怪物と戦う者は、その過程で自分自身も怪物になることのないように気をつけなくてはならない。 深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ。

フリードリヒ・ニーチェ(1844年~1900年)

ニーチェがもうこの世にいないので、何を言いたかったのか、真相は不明ですが、私なりに読解してみました。

深淵とは無意識のことを言っているのではないでしょうか。
無意識は常にこちらを見ています。だから無意識をのぞきこむと、怪物と目が合う。人は誰しも心に、怪物を飼っています。

ニーチェが何を言いたかったのか、真相は不明ですが、例えば、〈虐待の後遺症(複雑性PTSD)〉を起因とする解離性同一性障害の解離人格は、無意識の中に棲んでいます。
この解離がある人が、「解離を意識しすぎること=無意識をのぞきこむこと」につながります。これは、解離が増幅し、悪化するという危険性があります。ニーチェの言葉にも、通底している気がするのです。

人間は、深淵という無意識をのぞきこむと、「戻ってこれなくなる」ことがあります。
深淵という無意識は、人間は安易に覗き込んではいけない領域だと、私は自身の感じていることです。

無意識という深淵

精神医学的な病状に関して、以下の書籍で、虐待の後遺症(複雑性PTSD)の典型的な症例としてまとめてあります。解離性同一性障害についてもまとめてあります。精神科医の和田秀樹先生の監修・対談付き。


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