まっすぐに立って、顔を上げて遠くを見ている紫式部。しかも金色。 福井県越前市(前・武生市)の紫式部公園に立つこの像は、平安時代の女性としては初めての立像だという…
全国の白山神社の総本社である白山比咩神社のほど近く、国道157号線沿いに「歌占の滝」がある。気を付けていなければ目にとまらないほどの小さな滝だが、室町時代にこ…
金沢出身の文豪・泉鏡花の作品に『黒壁』という短編がある。数多くの怪異や幻想譚を書き上げた鏡花が「加賀国随一の幽寂界、黒壁」と表現した物語の舞台は、金沢市の郊外…
のーこ
2024年3月31日 18:55
まっすぐに立って、顔を上げて遠くを見ている紫式部。しかも金色。福井県越前市(前・武生市)の紫式部公園に立つこの像は、平安時代の女性としては初めての立像だという。絵巻物などで見る平安時代の女性は、十二単に身を包み、顔を隠すようにして座っている。そういう常識的なイメージからすると、この紫式部像は、はなはだ特異なものといえるだろう。台座には2枚のレリーフがある。向かって右には父に付いて武生に向かう
2023年1月16日 16:50
全国の白山神社の総本社である白山比咩神社のほど近く、国道157号線沿いに「歌占の滝」がある。気を付けていなければ目にとまらないほどの小さな滝だが、室町時代にここを舞台として、謡曲「歌占」が生まれたのである。 能を大成した世阿弥には元雅という嫡男があったが、父を超える才を持つと言われながら父より先にこの世を去った。現在上演される元雅作の能は四曲あり、そのうちの一つが「歌占」だ。 「雪三越路の白
2022年1月9日 11:24
金沢出身の文豪・泉鏡花の作品に『黒壁』という短編がある。数多くの怪異や幻想譚を書き上げた鏡花が「加賀国随一の幽寂界、黒壁」と表現した物語の舞台は、金沢市の郊外、三小牛(みつこうじ)町にある黒壁山(くろかべざん)である。 江戸時代に書かれた『三州奇談』や『亀の尾の記』にも「魔魅の住む所」「魔所なり」と記されている。また昭和十二年発行の『加賀志徴』には「国祖公、金沢の御城を今の如く築き給ひしころ、