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「お前、来てやってみろ」

「OKY、って知ってます?」業務上のつながりがある他局海外部門の友人に聞かれたことがある。まったく初耳だったのだが、「お前、来てやってみろ」の意味らしい。

「企業の海外駐在員の間の隠語。現地の事情を知りもしないで無理難題をふっかけてくる本社や上司への呪いの言葉」ということらしい。どうやら友人のテレビ局だけの“方言”ではなく、広く知られている言葉のようだ。

別バージョンとして「OKO」というのもあるらしい。これは「お前もここにおったやろ」の意。どちらも「現場あるある」の実感がこもっていて、面白い。

ニュースを組み立てる本社の外信部デスクをやっていた頃の思い出。

「現場にやらせたいこと」が日々いっぱい出てくるわけだが、現地は必ずしもそれに100%対応できるものでもない。現地なりの事情もあるし、特に海外支局には時差があるので、日本の午前中に「夕方のニュースで是非!」となっても、「こっちは真夜中ですから取材が回るわけないでしょ」てなもんである。

そういえばバンコク駐在当時、別業界の友人は「とにかく東京の要求は『今日中に仕上げろ』ばっかりで、うんざりします。私は“きょうじゅう病”って呼んでいるんです」とこぼしていたものだ。

「お前、やってみろ」で思うのは、SNSにアップする読書感想の辛口批判だ。私は「読書メーター」という最大手のSNSに感想をせっせとアップしていて、時折、かなり酷い毒を吐いている。本を愛する者として、あまりのレベルの低さや信じられないような校閲ミスなどの手抜きには我慢がならない。どうせ書くなら称賛ばかりではないホンネを披露したいし、辛口であるほどSNSの仲間には好評のようだ。そういえば私もAmazonで本を探す際には星印1個の辛口感想から読んで参考にしている。

私の書き込みを読んだ作者さまや編集者さまはさぞや「じゃあ、お前、やってみろよ!」と怒り心頭でいらっしゃるのではないか。「JOY」である。
(22/1/18)

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