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宝石箱のようなエッセイ集

 趣味の読書では、エンタメ系小説・純文学系・人文書・社会系など“選書アンテナ”に引っかかった本は幅広く読む。

 感想をSNS「読書メーター」へアップする作業もせっせと続けている。さらに自分の「読了メモ」では5点満点の評価も記載しているが、星5つをつけることは滅多にない。それだけにツボにはまる本に出会うと嬉しくなる。

 自分にとっていい小説とは「プロット、文体、キャラ、熱気、共感」の最低2つがあること。また人文書などは新しい知見が得られればそれでいい。
 
繊細で微妙なのがエッセイだ。エッセイは「作者本人への愛情・興味・シンパシーのいずれかひとつでも持ち合わせていないと、読書体験としてはなかなかツライ」と学習、なかなかいい出会いがない

 いま読んでいる澤田瞳子さんの「天神さんが晴れなら」は、珍しく大当たりの1冊だ。
 
私は澤田さんの小説は直木賞を獲った「星落ちて、なお」しか読んでいないので、決していい読者ではない。本書は京都くらしのあれこれを丁寧な文章で綴っていて、ひとつひとつの作品が本当にキラキラと美しい。「日本のエッセイ、かくあるべし」とひざを打った。澤田さんはこれ以外にも「京都はんなり暮らし」というエッセイ集もあるのだな。ゆっくりじっくり味わいながら楽しむことにしよう。
(23/6/5)
 

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