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役割拡大で個人商店化した組織を束ね直す方法

こんにちは、杉山です。気づけば2022年も半年経ちました。この半年の大きな出来事を、改めて振り返ろうと思います。

はじめに

上記の記事を書いてから2年も経ってしまいました。3名で始まったCS Opsチームは今では10名を超えました。人数に比例して、チームは色んな仕事を任せていただくまでになりました。気づけば、事業部のCRMをセンターコントロールし、全社のDX推進にも頭を突っ込んでいます。正直、仕事の範囲は、CSOpsという枠には収まっていません。この2年間は、私のやってみたいことを中心に役割を広げ、メンバーもそれに付き合ってくれていました。

役割拡大の裏で発生した問題

弊社では半年に一回、エンゲージメントサーベイを元にチームで、チームの理想や課題をあげ、対話をします。ちょうど2月にこの機会があり、問題はそこで明らかになりました。

「私たちのチームって役割が幅広く、個人商店みたい
個々人のやってること、繋がりが見えません
何を専門的に磨いていけばいいのか、わかってません

上記のような発言がメンバーから出ました。私はチームの役割を再定義すべきだと悟りました。一方で喜ばしかったのは、明らかに2年前とは違う課題だったことです。
また少し前から、上司や斜め上の人たちからも「そろそろ束ね方を変える準備をしろ」「マネジャーの魅力以外でチームを管理しろ」と言われていました。擬似的に階層をもたせるような準備はしていましたが、更に整える必要性を感じました。全てが自分の中でつながったため、早速、軌道修正へ動き出しました。

3年後の「あるべき姿」を描く

まず会社の方針に照らして3年後に、このチームで「実現したいこと」そのために「担うべき役割」を考え、具体的な組織体制まで落とし込みました。
まず、チームで実現したいことは以下のように定めました。

テクノロジーとデータを駆使し意思決方法をアップデートする
最大公約数で最高の顧客体験を実現する

実現したいことは、今後の売上計画や目標の時価総額などから事業状態をイメージし、他社事例と照らして設定しました。
ここでポイントは2つ。
1つはCSという領域に捉われるのをやめたことです。カスタマーサクセスの考え方は大事にしたいですが、領域を狭める必要はなく、本当に必要なこと、理想を貫こうと思ったためです(実際やってることもCSからはみ出てましたし…汗)。
そして2つ目、最後は割と妄想で決めたこと。でも、掲げないよりは妄想でも掲げた方がいいと思っています。そして、何より妄想には私の意志が込められます。マネジメントをする醍醐味は、自分が成したいこと、ふざけた妄想をチームで実現できることだと思っています。(つきあわされてるメンバーには頭が上がりませんが…)

次に、「担うべき役割」です。実現したいことが決まったら、そこに向けて必要そうな機能を書き出しました。そして、CS領域にこだわらないとなると、参考にすべきは「Operations」です。Dev Opsや、Rev Ops、Biz Opsなどの参考文献をあさり、どういう成り立ちなのか?どういう効果が期待されているのか?を理解していきました。英語文献も結構読んだんですが、なんと数カ月後に以下のnoteが公開され、もっと早く欲しかった…と衝撃を受けたのでしたw

最終的に、4つの役割を置くことを決めました。
Data&Strategy
:データを蓄積するための業務設計、データ活用の支援、データを元にした改善提案
Systems:CRM,SFA,MAなど必要ツールの要件定義・選定・構築・導入・保守・管理
Enablement:データに基づいた成果の計測と再現性ある教育・育成
Contents:テック・ロータッチ領域の動画・イベントなどのデリバリー

4つの役割をメンバーに伝わりやすいように、具体的な組織体制に戻します。結論として、遅くとも3年後にはチームを「Rev Ops」と「Customer Marketing」2つに分けると宣言しました。(もちろん、これも妄想です)

実現するために担う役割とチーム体制

さて、ここまで読んでいて、こんな勝手に書き散らかしてますが社内の他組織と被らない?そういう心配はないの?と思われた方もいると思います。別に被ったら合併すればいいですし、役割を渡せばいいのです。会社としてなすべきゴールを達成するなら、別に役割や形にこだわることはありません。実際に、この4つに当てはまらない役割を、現在の私達は持っていますし、他のチームと被っているものもあります。1年かけて当てはまらないものは他のチームに渡したいと考えてますし、被っているものは私たちが引き取るといいのか、引き取ってもらう方が効果が高いのか?を話し合っています。

チームメンバーへのスキル提示

続いて、メンバーが磨くべきスキル(専門性)を整理し、提示しました。といっても、こちらは3ヶ月に一度の目標設定、評価の面談で個別に磨いてほしいスキルは伝えているので、簡単な方法を取りました。
先程の4つの役割に沿って、他社の似ている役割の求人票から必須スキル、歓迎スキルをSlackに貼りつけていきました。なんて横着してんだ、こいつ・・・!?と思われたかもしれませんが、私は昔から、この他社の求人から磨くべきスキルを考えることは大事にしています
私は、私のメンバーに、このチームや会社でだけで通用する人になってほしくないのです。他の会社に行っても活躍できる人であってほしいと思っています。だからこそ、他社が評価してくれるし、自社でも評価される普遍的なスキルを手にしてほしいと思っています。その意味でも、他社の求人から、こういうスキルが必要とされるんだなと認識してもらうことが大事だと考えています。

個人の3年後も描いてもらう

最後にメンバーには「3年後の自分のありたい姿」を考えてもらいました。これはメンバーみんながやってみたい!と言ってくれたので実施しました。ポイントは、あるべき姿ではなく「ありたい姿」なところです。
現状のやりたいこと、できること、やるべきこと(Will/Can/Must)を整理してもらい、やりたいこととチームの3年後をベースに、個人のありたい姿を設定してもらいました。もちろん、設定してもらったら、そこに向けて足りてないスキルや経験をどう埋めていくか、私と話し合います。とはいっても、3年後を考えるのは難しく「正直、良くわかりませんでした!」という潔いメンバーもいましたw

ここまでの「やったこと」まとめ

やってみた効果

ここまでやってみて、いくつか良かったことがありました。

  • メンバーが、この役割をやりたいと手を上げてくれるようになった

  • メンバーから解像度高くしたいから対話の時間を増やしてほしいとリクエストされた

  • 採用シーンでチームの説明が伝わりやすくなった

  • 私が年間目標や四半期目標(マイルストーン)を考えやすくなった

まだまだこれから

とはいえ、3年後が遠すぎてメンバーの理解に偏りが出たり、私自身、掲げた未来の達成に向け最大の失敗要因や回避方法を思考しきれてない面もまだあります。ここからは3年後のありたい姿に向けて、マネジャーとしては本格的にロードマップを策定して、やらないことを決めていきます。
そんな私の壁打ちに付き合ってくれる方、一緒に働いてみたい!という方を募集しています。

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