依存症体質である。いやほんとそう思う。
　薬物やある種の偏執的な犯罪に手を出す人のニュースが他人事ではない。
　依存症＝意志が弱いというわけではない、というのが最近の通説のようだけど、それにしたって自分は意志が弱い。

　一度始めてしまったことは意味がないと知りつつもコンプリートしないと気が済まないところがあって、そういえばnote毎日更新も、いざやめようとしてもやめられない、みたいなところがある。
　それに加えて、ハマってしまうと対象物に取り憑かれたようにそのことが頭から離れない状態になる。四六時中、気になって仕方がない。

　依存症体質×コンプリート欲、で泥沼に嵌っている。

　スマホゲームである。

　いけないと思いつつ、つい、ちょっとだけ……と手を出してしまうと、あっという間に時間がとけていく。
　一人暮らしではじめてゲームにハマった時、文字通り寝食を忘れて朝までノンストップなんていう日々が続いてしまった。ゲームから手が離れないのだ。
　あれで痛い目を見て、ゲームには極力触れないようにしてきたというのに。

　スマホゲームの世界はこわい。なにしろ無料で山ほどあそべる。課金なしでも広告さえ我慢すればなんてことはない。

　能動的に、面白いゲームをしている時はいいのだ。問題は、「これつまんないぞ」と思っているのに、なぜだかやらずにいられないパターン。
　つまんない。先も見えている。でもなんだか手が伸びてしまう。動きたくないからちょっとだけ。
　ザ・依存である。暇つぶしという名の依存。

　思えば、なんとなく日々に「色がない」時期がきたのと、スマホゲームにアホはまりしている時期が似ている。色がないからゲームで暇を潰し始めたのか、暇を潰しているうちに日々に色を感じられなくなったのか。たぶんどっちもだ。

　そして、依存症体質が出るのはやっぱり、どこか逃避しているときで、本当の充実感とか充足が遠のいているときでもある。
　こんな日々の中でも、一日ゲームどころかスマホにもほとんど触らなかった日があった。あの、樹海のなかで夢中になって五感を研ぎ澄ました日だ。

　考えてみれば、ゲームだけではない。「暇」をつぶすようにネットでまとめ記事を読みまくったり、用もないのにネットショップを覗いてつい無駄な買い物をしたり。
　いつも何らかの依存の誘惑が身近にあって、その状態でのらりくらりとやってきた。

　スマホゲームを見ていると、難易度が低くてサクサク進んで、頭をそんなに使わない種類のものがある。攻略というものが存在しない。それでいて、スコアがどんどん上がっていく達成感、ある種のカタルシスもある。まさに、暇を潰すためのゲーム。
　それがこれだけ存在するということは、それだけ楽に暇を潰したい人がいるということなのだろう。
　誰でも、暇を潰すために生きているわけではないはずなのに。気がつけば、仕事でストレスをためては「暇を潰して」やり過ごしてしまっていることがある。そう、目標も憧れるものもあるはずなのに。

　そういえばむかし、「暇！」を「さみしい！」の代わりに使う友だちがいた。
　暇って必ずしも、時間が有り余っていることを言うわけじゃないらしい。退屈、もそうだろうけど、たぶん、こころに穴が空いちゃってるようなこと。その真空のような穴に、「暇つぶし」という名のいろんなものがぐんぐん吸い寄せられてくる。
　一時的にいっぱいにはなっても、本当にそこに嵌め込みたいものはそれじゃないから、ただ消費されて消えていく。

　もちろん、あらゆるゲームを「暇つぶし」と言いたいわけではなくて、お酒だって楽しく飲んで充実することもあるけれど、依存するとよくない。そういう話。
　そうこれは依存の話。

　気が持っていかれやすい体質の私は、その分依存傾向が出やすいのかもしれない。
　逃げ癖もあるし活動的でもない。先日のnoteから引用するなら、今の私は「泳ぐのをやめたマグロ」なのだ。稼働してないから、ついついゲームに手が伸びる。

　やっぱりそういう意味でも、私は動いてないとだめなタイプみたいだ。

　依存の何が怖いかというと、「それが何の役にも立たない、無駄に終わる」ことではない。
　依存をすればするほど、そこに時間やお金や健康といったものが吸い込まれていって、結果的に「穴」がどんどん大きくなってしまうことなのだ。

　依存は、「消費する快感」だ。快感、楽しみには「消費的なもの」と「創造的なもの」があるという。
　たまには消費を楽しむのもいい。アミューズメントパークでアトラクションに乗ってグッズを買うとか、おいしいものを食べるとか、そういう娯楽もないと、それはそれで心に潤いがなくなってしまう。
　でも日常的には、できるだけ創造的な楽しみを据えていたいと思う。そう、noteを書くとかね。

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