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【授業づくり】授業の導入にふさわしい問題の難易度とは。

「授業は導入が命!」と先輩からたたき込まれたため、子どもたちの興味を引こうと試行錯誤した結果、「誰も分からない。」という残念な結末になってしまいがちなJUNです!

みなさんは、「教室に一人ぼっち」という経験をしたことがありますか。いいえ、ほんの数秒前まで40人近い子どもたちがいたはずなのです。「子どもの集団でもこんなに静かになるんだな。」と思い知りました。

余談はさておき、過去記事で子どもの学習効果をあげるには、「予想」してもらうことが大事という話を書きました。

もっと詳しく書くと、「予想が裏切られることにより、記憶として定着しやすい。」ということが言えます。だからこそ、「意外な事実」をとりあげられるよう授業づくりを工夫することが大切だということですね。

本日も、授業作りに関係した話題です。今回は、「授業の導入」について今まで語ってこなかった切り口から提案します。

まだ迷っているところもあるので、授業できるチャンスのある方は、頭の片隅に置きながら授業づくりをしてみてください!

▶授業の「導入」について考えたこと。

あなたが授業を始めるにあたり1発目の問題を、どれくらいの難易度設定にするでしょうか。

例えば、算数の授業にしましょう。さぁ授業開始の1問目です。これまでの僕は、迷わずに、

「前回の復習。」

から入っていました! 「前回の授業に参加していた子どもたちであれば、全員が回答できる。」レベルの問題を最初に提示することで、少しずつエンジンをかけて核心に迫ってもらうためです。

僕と同じ判断をする先生方は多いのではないでしょうか。しかし、最近影響力の武器 なぜ、人は動かされるのか」著:ロバート・B・チャルディー二(誠信書房)を読み返して新たな切り口を思いつきました。それは、

「コントラスト効果を利用した導入。」

です。

簡単に説明すると、

「ある無謀なお願いをして断られてから、少し難易度を下げたお願いをすると説得しやすい。」

というものです。

めっちゃくちゃ簡単な話、「頼むから10万円貸して!」と言って、断られた後に、「じゃあ、1万円をお願い!」と言うと、「まぁ、1万円なら・・・。」となりやすいということですね。

何となくみなさんも、覚えはないですか。1回断って譲歩されると、何となく悪い気がして、「それだったら。」となってしまうあれです。

この「コントラスト効果」を利用した導入ができないかと考えたわけです。

▶導入にふさわしい問題の「難易度」とは。

さぁ、実践編ですよ。実際に思いついたのは、最近なので、まだまだ自分自身のエビデンスがたまっていないと思いきや、意外と「実践しているな!」という気付きがありました。「何だそんなことか!」と、思う先生方もいらっしゃると思いますので、ご自分の実践を振り返ってみてください。

例えば、算数科の学習で「コントラスト効果」を効かせた実践を考えるとすると、

①授業の導入で新しい問題を提示して「難しい!」という経験をさせる。
②基本の問題を提示し、「簡単!」「できた!」経験を獲得させる。
③ ②で提示した解けた問題を発展させて①の問題を解く。

このように、まずは、「ムズッ!」と思わせるのを敢えてねらって難易度高めの応用問題を提示します。みんなが一しきり悩んだ後、基本の問題を「これならどう?」と提示すると、「あぁ、これならできる!」「コントラスト効果」を発揮して、基本の問題がめちゃくちゃ簡単に感じるのです。

このような問題の難易度で子どもたちに「できた!」という経験をさせた上で、導入に提示しておいた応用問題に戻ります。このような方法で授業を組み立てることにより、より多くの「できた!」を経験させてあげれるのではないかと思うのです。

▶まとめ。

本記事では、「難しい問題から導入も、たまにはあり?」という話題を書きました。

やはり、最初に手に負えないというレベルの問題を提示し、「実は、みんなが知っているこんな方法でも解けるよ。」と進めていくことにより、子どもたちの苦手感の減少や、やる気アップにつながるのです。

しかしながら、毎回難易度が高い問題が提示されても子どもたちは辛いでしょう。「難易度低めの問題から、やる気を保ったまま徐々に難しくしていく。」方法も使いこなしつつ、時には思い切って「最初に難しい問題から取り組む。」という方法も、切り札の1つとしてくださいね!!

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